124 / 124
第十二章 テラとアース
アラウンド・ザ・ワールド
しおりを挟むアイスランドの荒涼たる極北の地で、私は考えに浸っています。
側にはディアヌさんとアリシアさん。
私にすべてを奪われることを望んで、私に依存するこの美しい二人の奴隷ー……
どのような理由があるといえど、テラにかかわりをもってしまった以上、このテラにたいして、私は責任を感じます。
まして愛する奴隷の為にも……
私は全力で、テラの最悪の結果を防いでみせましょう。
世界人口が半減するかも知れませんが、それでも全滅よりはベターでしょう。
私にとって神々の為というより、私と肌をあわせ、愛を捧げてくれた女の為、親しくしたくれた人々の、ささやかな幸せが大事なのです。
散策から戻り、ディアヌさんとアリシアさんに温泉で身体を暖めるようにつたえ、私は部屋へ戻ります。
目の前にブルーラグーンが広がっています。ディアヌさんとアリシアさんが歓声をあげながら、入っています。
先程の妖艶な姿とは違い、健康的な色気が漂っています。
世界中から多くの人々がやってきています。
幸せそうな光景です。
部屋の中では、一つの曲が流れています。
この世界にもあった私の故郷の曲、私が吉川洋人の時に愛した曲……
アルバム、パパ・ヘミングウェイの中の一曲、アラウンド・ザ・ワールド
およそ正反対の、カリブあたりの曲なのでしょうが、このアイスランドの荒涼とした世界に似合います。
軽いノリの曲ですが、なにかしら引き締まった緊張感のある曲です。
まさか宇宙をめぐり、その果てに聞くとは思いませんでしたが……しかもパラレルワールドです。
部屋にはエッダさんとココさんがいます、二人はお茶の用意をしています。
もうすぐ、皆が集まるはずです。
ディアヌさんとアリシアさんも、その身を温めたらこちらに来るように言ってあります。
サリーさんがやってきました、私のハウスキーパー、女たちの第一人者です。
皆さんが集まってきました、最後にディアヌさんとアリシアさんがやってきます。
「テラの貴女たち、皆さんは私にすべてを捧げて下さい」
「この星を滅亡から、何としても救うのです」
「このテラに光を導きましょう」
「そしてエラムの私の愛する皆さん、力を貸して下さい」
「テラは皆さんの友達なのですから、とくにエール、貴女は私を乗せて、テラを走ってもらいますよ」
エールさんがいいました。
「このテラのどこへなりとも、水先案内をいたします」
ヴァルキュリヤの娘たちも誓います。
「エール様とともに、私たちもミコ様の為に働きます」
ブラッドメアリーの娘たち、アマゾネスの女たち、皆、同じように誓ってくれます。
一年後、私は火星の惑星改造に着手するつもりです、この女たちを守るためです。
万一の場合なんて、いっていられません!
マレーネさんなら、一年あればなんとかするでしょぅ。
さて、はじめましょうか、テラでの私の使命ですから。
いまから火星には、ナノマシンを送りこむつもりです。
そして日本へ行ってみましょう、太平洋戦争を引き分けにした日本へ……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる