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第一章 アニラの物語 戦う女

空挺強襲作戦

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 そして夜明け前、一寸先もわからないほどの夜霧につつまれたのです。
 八機のフォッケ・アハゲリスFa223は飛び立ちました。
 オートパイロットは見事に敵の司令部上空に導きました。

 「閣下、目的地上空です、ご指示願います!」
 敵の兵士がヘリの爆音で飛び出してきます。
 「ヘリは敵を銃撃せよ!」
 そして朝日が昇り始めたのです。
 ヘリの銃撃は絶大な効果を上げています。

 「作戦通り、降下せよ!」
 第一中隊の兵士が無事降下をすませ、敵司令部直属部隊と銃撃戦を開始しています。
 
 「当機は広場に強硬着陸する!」
 アニラのヘリが広場に強硬着陸、唯一の道を封鎖したのです。

 「諸君は敵の増援がきたら、搭載の重機でできるだけ阻止してくれ」

 アニラが飛び出ると、いわゆるヴィーナスの加護がかかったのか、敵の銃弾が届かないのです。
 「第一小隊は集まれ!」
 味方はアニラの加護の範囲に集まります。
 戦闘は一方的になり始めました。
 その後、散発的な敵の抵抗も弱まり、あけっけなく敵司令部を制圧したのです。

 着陸したヘリ以外は一旦戻り、今度は山砲を運んできました。
 75ミリの九四式山砲と105ミリの九九式十糎山砲です。
 試製三式軽機関銃も運び込んでいます。

 夜が明け、霧が晴れ、敵の山砲陣地が眼下に見えます。
 
 「山砲でも十分届くな、敵陣地を砲撃せよ!」
 敵の山砲陣地を砲撃、空からはフォッケ・アハゲリスFa223が銃撃しています。
 
 敵が沈黙したのを見計らって、第一大隊が降下、ほとんど抵抗なく占領していったのです。

 これで街道が通れるようになり、クル王国の副都パータリプトラは陥落、クル王国は無条件降伏となったのです。
 
 その後婦人陸上戦闘団は快進撃、アールヴヘイムンの内乱は終結、戦闘団は凱旋したわけです。

 その後、アニラはスジャータ執政官に呼ばれました。
「ハウスキーパーがお呼びである、義勇艦隊の『ひかわまる』に出頭せよ」

 アニラは現役武官のまま側女待遇格子となりました。
 ただアニラはちょっとばかり不満ではありました。
 婦人海上戦闘団のミーナ司令官が側女のうえ、さらにビバーシャ艦長も格子、陸上戦闘団は自分一人……

 なんとか、陸上戦闘団からもあと一人や二人……
 考えた末に、選りすぐりの美人をそろえ、『儀仗隊』を創設したのです。 

 ヴィーナスさんには受けたようですよ……
 この『儀仗隊』、ハイステップ・トロットで行進したのですからね……
 隊員はそのまま女官としたようです。

「このままいけば、『儀仗隊』からお手付きも夢ではない!」
 アニラの夢となっているようです。
 
 FIN
 
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