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第十七章 内定
03 黒の巫女様に忠誠を
しおりを挟むそのような話をしながら、練兵場までやって来ました。
今回は騎士さん達が整列しています。
ピエールさんが最敬礼をして、
「ヴィーナス様、いや公式にはイシュタル女王様、やっと大っぴらに忠誠を表すことができます、このマルスの紋章も喜んでいます。」
「しかし、私たちは黒の巫女様であられる、ヴィーナス様に忠誠を捧げることになります。ご理解ください。」
「かまいません、ジャバ王国には私に忠誠を尽くしてくれる、イシュタル突撃隊があります。」
「彼らはイシュタルに忠誠を捧げてくれているので、ヴィーナスではありません。それと同じことと理解しています。」
「突撃隊?あのトールが隊長の突撃隊ですか?」
「トール隊長には、ピエール団長と同じナイフを授けさせていただきました。そういえば紋章はまだですが、ピエール団長のマルスの紋章は伝えてあります。」
「ジャバ王国の突撃隊といえば、勇猛さで鳴り響いています。どのようにして従えたのですか?」
「じつは……」
私は電撃で一瞬にして、突撃隊を気絶させたことを白状しました。
ピエールさんがあきれたように、
「さすがは死の女王、その時のお供はサリーさんですか?」
「いえ、ビクトリアさんと小雪さんという方です。」
「ビクトリアといえば、この大陸では知らぬものはいない女傭兵、彼女を従えているのですか。」
小さく私は、「実は、ビクトリアさんは、私の愛人の一人です」と言います。
穴があれば入りたい心境です。
ピエールさんは、さも当然と言う顔で、
「イシュタル女王のお噂を、知らぬものはいません。」
どうやら、私はこの世界では、変態女のレッテルが貼られているようです……
ピエールさんは整列している騎士に向かって、
「諸君、奉納舞いの結果は知っての通りである。」
「『存在の啓示』が光輝いた以上、我らの主君はここにおられる方以外は考えられぬ。」
「不満のあるものは、今ここで名乗りでよ。」
誰も不満はないようです。
「我らは黒の巫女様に忠誠を誓う騎士、名誉ある神聖守護騎士団団員、我らの剣を受けられんことを!」
こうして神聖守護騎士団は、私に忠誠を誓ってくれました。
やっと騎士団本部で昼食にありつけます、でも、美味しくないですね。
アテネさんが、
「イシュタル様、この騎士たちは何をするのですか?」
「イシュタル突撃隊のように、私に尽くしてくれるのです。」
と答えますと、アテネさんが、「強いのですか?」
アテネさん、こんなところで喧嘩を売ってはいけませんよ。
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