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第四章 メインベルト小惑星帯

ささやかなスペース・ウォー

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「ただいまより、惑星間戦闘モードを命じる、近傍にある二隻のシェルターステーションを指揮下に入れろ」
「把握しました、艦隊運動の為のリンク終了、各種攻撃兵器、防御兵器スタンバイ、陸戦ロボットを起動しますか?」

「全数起動、これよりメインベルト小惑星帯のエウノミアに向かう、最大戦速」
「座標固定、最大戦速へ向け加速を始めます、二時間後にエウノミアに到着予定」
「到着までの間に、初期不良がないか各種のチェックをせよ」

 ……なるほどね……メインベルト小惑星帯の中に、ワープは無理と判断したのね……

 アリシアさんが、
「エウノミア付近に敵はいるかしら?」
「いれば幸いです、いなくてもエウノミア内部には何かがあるはずです、陸戦ロボット部隊を降下させます」
 レリンさんが答えています。

 ……ちょっと無謀じゃないかしらね……

 ミコさん、心配のようですね、自らの力でエウノミアを監視しながら、ぶつぶつと独り言を吐いていますよ。

 私が片付けてしまおうかしら……いや、だめよ、アリシアさんたちに任せなくては……
 これからもこんなことは起こるはず、ローカル領域の反乱ぐらい、処理してもらわなくては、これからのヴィーナス・ネットワーク世界が成り立たない……

 でも相手が悪いかもね、なんといっても男性体関連物……
 エウノミアに、ナノマシン放り込んでおこうかしら……
 不安を感じたミコさん、自分専用のナノマシンを、エウノミアに転移させました。

 こうしてささやかな宇宙艦隊は、メインベルト小惑星帯に分け入っていきました。
 途中で偵察に出していたコンテナを回収しながら。

 三隻の宇宙艦隊、司令官はアリシアさんなので、アリシア艦隊と呼びましょうかね。
 艦隊はエウノミア付近に到着、すると突然、陽電子ビームの照射を受けます。

 戦闘コンピューターが、防御バリアを展開していたお陰で何事もありませんでしたが、戦闘艇が七隻探知されています。

「シェルターステーション、左右前方に進出、前方領域に防御バリアを設定せよ!搭載のコンテナをさらに前方に展開!」
 レリンさん、横陣に展開しますね。

 ……まずいわね、微惑星に隠れている後方の三群、二十一隻を感知していないわ、領域転移装置搭載艦もいるわ、相手のほうが数も多いわね……

 敵に立体攻撃されたら、眼も当てられないわ、何とかしなくては……
 それより……領域転移装置搭載艦が問題よ、これで内部に爆弾を放り込まれれば……

 敵戦闘艇は、縦陣で一気に突っ込んできます。

「先頭艦に攻撃を集中せよ」
 十二隻のコンテナ、前方に向いている六十機のコンバットの反陽子ビームが集中、先頭艦は一瞬で蒸発しましたが、その間に敵は一気に展開、十二隻のコンテナの半分は蒸発しました。

 仕方ないわね……戦闘コンピューターを操作しますか……自動戦闘モードなんてね……
 急遽プログラミングしてっと……

 極秘モードだからあまり知られていない……言い訳にはなるわね。
 さっきの領域転移装置対策もしときましょうね、ナノマシンを調整してっと……

「レリン先任軍事参議官!戦闘コンピューターが自動戦闘モードを要求しています!」
 ミランダさんが叫んでいます。

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