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第六十二章 夜明けの明星
07 愛人さんが十四名
しおりを挟む二体の人工知能は、イレギュラーが酷いのでしょうか?
タガが外れているというか、官能に酔いしれているというか、色っぱいこと……
「マスター、素晴らしいものです、これは癖になります。」
「マスターが、私を支配されているのが分かります、どうかいつまでも支配してください。」
と、口をそろえて云いました。
イシス姉さんが、
「マレーネ、薫、最初の仕事をしなければなりませんよ。」
と云います。
源兵衛、いや今は薫さんが、「わかっています」といい、例の恥ずかしい正装の色違いをコピーします。
それを持って、三人が私ににじり寄ってきます。
危険を感じます。
「一人でつけます。」といいましたが、
「これは私の最初の仕事、イシス様、どのようにすれば良いのでしょう。」
と、マレーネさんがいいます。
「まず一人が足を抱えて、もう一人がショーツを脱がし、隠れていた部分を、よく拭きよく乾かして、ショーツを履かせる、それだけでしょう。」
違います、少々違います、イシス姉さん、確信犯で云っているでしょう。
「こら、茜、変なことを教えない!」
「あら、洋人さん、久しぶりの私の名前を、呼んでくれるのですね。」
「マレーネ、間違っていません、云われた通りにしなさい。」
とにかくドタバタしながら、着替えをさせられました。
いいたくない格好で、ショーツを脱がされ拭かれ、うちわみたいなものであおがれて……
いつか仕返ししてやる。
羞恥心をこらえながら、色違いの正装を身につけ、三人を下がらせ、まずは愛人さんたちを呼びました。
サリーさんの目が、点になっています。
皆さん、欲情した顔をしています、ひれ伏す者はだれもいません。
ここでは魔法が使えません、ただひたすらの体力勝負です。
さあ、こい、まだまだ、次はだれ!
本当に私はタフです。
まぁ、私にエッチで勝とうなんて、百億年ほど早いのですよ、お・ほ・ほ・ほ……
さて次は、女官長さんたちを呼びましたが、瞬時に雌狼の集団に代わりました。
やはり餌がおいしそうなのでしょう。
いっぺんに飛びかかってこられたので、少々厄介でしたよ。
どうだ! エラムの女種馬……、種なしでしたね。
ここで起きてきたアリスさんと小雪さん、それに先程のマレーネさんと薫さん、イシス姉さんに手伝わせて、二十人の美女さんたちを、部屋に運びました。
そのあと、アリスさんと小雪さんにマレーネさんと薫さんを紹介して、イシス姉さんも込みで、愛人にすることを伝えました。
小雪さんが「これで十四名」とつぶやいています。
イシス姉さんが「ごめんなさいね、私も入ってしまって」と謝っています。
アリスさんが、
「いえ、イシス姉さまは悪くはありませんし、十五名には後一枠ありますし。」
小雪さんが、
「でもサリーさんに何といいますか、サリーさんの立場を考えると……」
イシス姉さんが、
「序列は今まで通りでしょう、サリーさんが筆頭、次はアナスタシアさん、私は十二番目で薫が十三番、マレーネが十四番でいいですから、小雪さん、よろしくお願いします。」
と、謙虚なイシス姉さんでした。
次の日、愛人会に三人の新人が入りました。
サリーさんが、
「イシス様、いいのですか、私に遠慮なんかいりませんよ。」
といいますが、
「愛人の序列はこれでいいではありませんか、洋人さんの妻として私は新参者、これが一番いいことです。」
と断言しました。
もともと皆さん、イシス姉さんを、自分の下と思っている者はだれもいません。
ただ仮の序列がそうなるだけで、皆の尊敬が変わるわけではありません。
実質的には、イシス姉さんは皆の相談役という立場です。
見ていると見事なぐらい、女たちをまとめてくれています。
サリーさんもアナスタシアさんもイシス様と呼んでいます。
これは変わりませんでした、新しい三人は別格扱いのようです。
女官長さんには、顔合わせをして事実を説明しました。
姉が愛人になることに、だれも不思議とは思わないことが、本当に不思議でした。
彼女たちにとって、姉ではなくマレーネさんと薫さんの二人が、不思議なようです、でも履歴の説明はできません。
ただマレーネさんは魔法を司る者、そして薫さんは、その次席という説明をしただけです。
このことに関しては、愛人さんたちも口を滑らさないはずです、厳重にいい渡しています。
いつも口が軽いアリスさんも、事の重大性を理解しています。
諮問会議には事実だけを伝えました。
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