惑星エラム 第五部 明けの明星編【ノーマル版】

第六十六章 情事日程その三

１０ 特別高等警察誕生 其の二

「隊長！」
「巫女様に呼ばれた、皆、これをみろ、我らは免責されアルジャに籍をおく、仕事を命ぜられた。」
「目的はジャイアールに巣食う、人さらい組織の殲滅である。」
「無慈悲に対処するようにとの、厳命である。」

「我らの名称は特別高等警察と称する。」
「待遇は野戦警察と同等と、お約束された、それから私はヨハンと名を貰った。」

　リューリックのもとにたどり着いた特別高等警察は、約束通り宿舎や庁舎を用意され、活動を始めました。
　シャルルさんは相当に渋い顔をしましたが、押し切りました。
　ただしいつも野戦警察に、情報を提示するという条件をつけましたが。

　ヨハンはあっさりと同意しました。
　クレマン宰相は内心は喜んだでしょうね。
　しかし、私の直属と言うことを、念押ししときましたが。

　もっともヨハンが、私以外の命令を聞くとはおもいませんね……
　ホラズムの連中は有能ぞろいです。

　約束より早い、一月半でけりは付きました。
　勿論、裏社会の抗争のように見えます。
　血なまぐさい争いが起こったと……

　野戦警察は、裏の世界がどうなろうと関係ない、むしろ共倒れを歓迎する立場を、明確に表明しています。
　どうしようもない愚か者は、私が死神を発動しておきました。
　ヨハンさんにも、見せつけるためでもあります、蒼い顔をしていました。

　ジャイアールの奴隷市場の支配人は震えあがりました。
　特別高等警察の能力を思い知ったようです。
　私の約束を、さらに守る気になったでしょう。

　だれも私の死神に、身体を腐らせながら死にたくはないでしょうから……
　何とか関係者の女子供までは、巻き添えをにならなかったようです。

　二月後、私はこのジャイアールの事件を重視して、特別高等警察の誕生を宣言します。
　後ろ暗い世界から見ると、あからさまな出来レースなのですが……

　姉が私を称して、ルシファーと呼んでくれますよ、地獄の魔王にまで落ちてしまいました。
　どこから漏れたのか、これ以来、闇の社会から、ルシファーと呼ばれているそうです。

　この二月の間に、オリヴィアさんの治療は終わりましたが、まぁ病歴がありますので、そのまま私の奴隷としました。
「ヴィーナス様、私はもうどこへも行けません、奉仕が私の仕事です。」
「この身体をお楽しみくださいね、私、淫乱ですから。」

　さすがバーバラさんの妹分、明るいのは良いことです。
　私はこのナイスバディに詰め寄られると……

　大体その言葉の意味が、分かっているのでしょうか、このノーテン天然パーマ娘は……
　とても賢いのですが、どこか変、というより大変……
　この間、ため息とともにつけてあげた、赤石の側女のチョーカーが閃いています。

　バーバラさんはあの後、折檻をしてあげました。
　お尻をスリッパで、赤くなるほど叩いてあげましたよ。

　おかげでバーバラさんも、少し壊れてしまいました。
　スリッパでお尻を叩かれることが、癖になったそうです、以後それをせがまれて困ります。

　痕の残らない叩き方の、研究をする破目に陥りました。
　なおトールさんには、バーバラの出過ぎたまねを厳重に注意しましたが、夫婦二人の今までの功績を考慮して不問とし、離縁状は私の権限で無効を宣言しておきました。