惑星エラム 第五部 明けの明星編【ノーマル版】

第六十七章 平和な日々の始まり

０１ 平和の発布

　秘密の計画は着々と進行しています。

　諮問会議の一部には、まだ姉が黒の女神とは知らせていません。
　女官長さんたちは奴隷として、佳人のチョーカーをつけますので、秘密の漏えいの心配はありませんが、殿方はそうもいきませんから。
　諮問会議は次の理由で了承しました。

　一、　黒の巫女様の功績をたたえ、その偉大な足跡を、人々の記憶に残し、黒の巫女様のご苦労をしのぶ。

　二、　女官長が行事を行う日は、閉鎖するもその他の日は、この聖地を公開する。

　三、　そのための宿泊設備、道路整備などの整備は、各国が協力してこれを整備、人々の便宜をはかる。

　四、　利益または負債がでれば、出資した比率で分配する。

　五、　各国はこのための道路網を整備する、それについては、レムリア都市同盟の絶大な協力のもと、新しい交通機関としての、馬車鉄道網を大陸の主要交通機関として整備、駅馬車の減便による、雇用の減をおこさないことを条件に、馬車組合はその運営を担当する、なお金銭的なことは、カルシュとジャバの金融機関が、責任を持って投資する。

　六、　馬車鉄道網につながる水路、海路を整備して、ジャバとレムリアの、大陸との一体化を図る。

　七、　レムリアはこの技術の提供することによって、先の動乱などの損害賠償を免除されるものとする、なお、そのために、現在のムリアスシティは、そのまま黒の巫女様の化粧料地、直轄市として献上されることを条件とし、管理は教団が行う。

　八、　馬車鉄道網、及び接続する航路の運賃などの便宜を図るために、統一通貨の設定を目指す。

　九、　また同様の目的のために、度量衡の統一を順次図っていく。

　十、　以後、戦火を避けるために、現在の黒の巫女同君連合体制の調整機関として、正式に諮問会議を発足する、メンバーは別途設定する。

　付属文書として
　別途設定する諮問会議のメンバー（評決の場合、一票とする）は次の通り

　神聖教大賢者
　同次席賢者
　ジャバ王国執政
　ホラズム連邦王国宰相
　アムリア王国宰相
　カルシュ自治同盟代表
　ハイドリア連合王国宰相
　パリス連合王国宰相
　レムリア都市同盟宰相

　オブザーバーとしては次の通り（発言は諮問会議議長の許可が必要、評決の場合、一票とする）

　ヴィーナス騎士団総裁代理として、ヴィーナス騎士団総長またはヴィーナス騎士団行政府長官
　アッタル騎士団総裁代理として、アッタル騎士団総長またはアッタル騎士団行政府長官
　シャレム騎士団総裁代理として、シャレム騎士団総長またはシャレム騎士団行政府長官

　サブオブザーバーとしては次の通り（発言は諮問会議議長の許可が必要、評決に参加は不可）

　百合の会議議長代理　黒の巫女様の首席女官長
　野戦警察長官
　特別高等警察長官

　決定は評決で決め、過半数で成立する。
　拒否権は黒の巫女様　ただお一人とする。

　黒の巫女様の日程については、諮問会議と百合の会議で決定する
　この場合、昼の公務の日程は諮問会議、夜の日程は百合の会議に優先権があるとする

　なお一日とはエラム歴の一日二十時間とするも、公式日程の時間についてだけは次のように定める。

　昼とは７時から１５時
　夜とは１８時から翌日の６時とし
　１５時から１７時は黄昏と称し、巫女様自身の自由時間及び移動時間とする。

　以上を条約として後日、私の名で発布することになりました。

　さらに同日、次の条件で、百合の会議を正式に発表することも、提案されています。

　一、　黒の巫女様のご健康を守るために、女官制度を整備し、その各国女官の調整のために、百合の会議を制定する。

　二、　女性を絶対条件として、女官採用の場合、購入され奴隷となること。

　三、　購入代金は、所属する各国政府が負担する。

　四、　管理責任者として、女官長を置くも、条件として必ず、黒の巫女様のご寵愛を受ける者であること。

　五、　ご寵愛を受けた者には、生涯年金を与え、その名誉をたたえる。

　六、　女官には給料を支払うものとし、その中より、自己の代価を償還できるものとする。

　七、　女官の位階、及び寵妃の位階は、百合の会議に一任するも、最高位はハウスキーパー、次席をレディスメイドと呼称し、任命権者は黒の巫女様だけとする。

　八、　経済的なことについては、諮問会議の指導を受ける物とする。

　九、　八以外については、百合の会議内の自治とするも、首席女官長は女官長の中から任命する。

　十、　この規定に黒の巫女様の命はすべてに優先する。

　なにやら、ピーターさんあたりが決めそうな細かさです。