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2.合意のないボディタッチはNG
しおりを挟む俺の幼馴染み千葉は大人しめな奴だ。真面目で、本は相棒かよってくらい普段は本を読んでいる。
友達も俺以外いるのか?!ってレベルだ。女子とは全く縁がない残念な奴だ。
が、最近の話ではこうだ。
千葉は図書委員の海原さんと仲が良いらしい。両片想いという噂もある。
昼休み、昼練に行くのがめんどくさくて、屋上に繋がる階段に隠れていたら、千葉がやって来た。
「白川~、どうしよう。」
「おう!どうした千葉!」
「僕さ、今度海原さんと出かけるんだ。」
「うぇ~い。リア充かよ~。で、どこ行くんだ?」
「新しくできた美術館だよ。」
「?イインジャナイカ。」
初デートで美術館チョイスとは。こいつらしいな。
「楽しんでこいよ。」
「それでさ、僕…僕ね。その日海原さんに告白しようかなって思ってるんだ。」
「お前!まじかよ?!おいおいおいおい!」
俺はテンションが上がっちゃって、千葉の背中をバンバン叩いた。
「それで、その日どうやって過ごしたら、海原さんに嫌われずにすむかなって。どうやったら、告白成功するかなって。白川ならこういうことわかるだろ?教えてくれよ!」
千葉よ。俺はまだチェリーボーイなんだよ。
「そうだな~とりあえずボディタッチはNGな。」
「そ、そうなのか。女の子は手が触れたりするとドキドキするのかなって思ってた…」
「合意のないボディタッチはNGに決まってんだろ?!もし海原がお前に気があるとして、お前に触られたらドキっとするかもしれない。でも、今は無闇に女性に触れない紳士的な一面を見せて、安心感を持たせる方が大事だろ!」
な?!と千葉の肩に手を置いた。それにつられて、千葉もなるほどという顔をして、オレの肩に手を置いた。
「わかった。僕、紳士的な男性になるよ。海原さんに信用されたい!白川ありがとうな。」
俺の可愛い幼馴染み千葉。お前の幸せが俺の幸せだよ。頑張れよ。
階段を降りてく千葉の背中にエールを送った。
後日、話を聞いたところ告白は成功した。
ただ、海原さんがかなり積極的な女子で、初っ端から「手を繋いでいただけませんか?」と言われたらしい。
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