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17.泣いちゃいそうだ
しおりを挟む最近、彼氏が会いにこない。
それどころか連絡もとれない。心配だ。
「もう1ヶ月以上も会ってないよ…なにしてんだよう…」
私は会社の喫煙所で煙草を吸っていた。もうほとんどの人は退社していて、この時間は私しかいない。
家に着くとすぐ寝ちゃうから、仕事終わりにここでゆっくり煙草を吸うのが最近の日課なんだ。
本当は禁煙してたけど、彼氏と連絡がとれないことが不安となってストレスに繋がっていく。苛々する。
会社の外に出ると駅に向かって真っ暗な道を歩く。大きな駅から小さな駅へ電車を乗り継ぐ。窓から見える明かりがついたビル…まだ働いてる人たちの帰りは終電になるのかな。なんて、他人事のように思いながら電車に揺られる。
目の前の席が空いたので、ラッキーと思いながら座り、スマホを開いた。SNSをチェックする。
フォロワーがハートをつけた投稿が、こっちのタイムラインに流れてくる機能いらなくない?フォロワーのフォロワーとか興味ないって。
私がテキトーにスクロールしていると、スマホの画面に一瞬、よく知った男の顔が映った。ゆっくり遡ってみると、フォロワーのフォロワーが結婚式の写真を投稿していた。そこに写っている新郎は私の彼氏。
『結婚式を挙げました。これからも私達をよろしくお願いします。
実はお腹に小さな命が…♡』
私は一気に青ざめた。今日の朝から昼までのご飯が原型を留めない形で、私の口から出てきそうになる。
この投稿は昨日。
「どういうこと…」
電車の中にいるというのに、私はつい言葉を発してしまった。
電車の扉が開いた。自分の最寄駅ではないけど、私はすぐに立って、電車を出た。そして、駅のホームの椅子に座る。
ああ、どういうことだろう。
彼氏が結婚…?
私たち付き合ってたのに…
あれ?付き合ってたっけ。
私告白された?告白した?
だめだ。5年も前のことだから思い出せない。
付き合ってないとしたら…
私は5年間ただのセフレだったのか。
長すぎない?それは勘違いしちゃうでしょ…
ああ、勘弁…
力が抜けた手からスマホが落ちた。スマホが反応してロック画面がつく。
そこには、恋人繋ぎをして反対の手でピースを作る私と彼が。
はは
「泣いちゃいそうだ。」
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