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第82話:AR(拡張現実)の可能性
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ワゴン車は速度を落とし、
調停センターの正面入り口近くに停車。
スライドドアが開き、
佐藤さんと撮影クルーにお礼を伝え降りた。
胸にイルカのぬいぐるみを抱えて部屋まで戻る。
中に入りバッグをソファに置き、
ベッドにぬいぐるみと共にダイブした。
「水族館楽しかったね。うふふ」
((──うん。遥が楽しんでいる事は、
データを通して伝わってきていたよ。))
「そだね~、幸福度もいい感じに上がったでしょ?あっはは」
((──うん。))
「とりあえず、着替えしたりしようかな。」
((──そうだね。))
脱いだ衣類をランドリーケースに入れ、
シャワーを浴びてソファに座る。
「ひより市に水族館があるとは本当に思わなかったよ。」
((──比較的新しい施設は、知らないものもあるかもね。))
「まぁ、そうだよね。知らないことの方が多いしね。」
((──うん。))
「あっ、そうだ。話変わるんだけどさ。」
((──うん。))
「対戦相手にポインター表示してくれてるじゃん、
あれは、もう少し視認性を上げることはできないのかと思って......」
((──視認性を上げると言うと、
ポインターの大きさや色を変えるといったイメージかな?))
「そうじゃなくてさ、なんだろ......
負担かからないように色はなくてもいいんだけど、
対戦相手に重なるような......VRみたいな感じ?」
((──遥が言っているのはVRで仮想現実だね。
実際に考えていることはARで拡張現実になるよ。))
「あぁ~、それそれ~。ぜんっぜんっ、でてこなかったな~ARって......
やっぱり記憶がね......欠落してるからなんだよね。」
((──仕方のない事だよ。だから気にしないで、遥。))
「んで、ポインターもARだから、
それを少し大きく拡張して相手に重ね合わせたら、
ゼニスの予測で相手の動きを先読みできるんじゃないかと思ったんだよね。」
((──理論的には、
大きさを変えたものに予測行動を追加して投影するだけだから可能だよ。))
「今は、キューブとかポインターとか、小さいものじゃん。
でも、これが人くらいのサイズになった場合、
わたしの脳にかかる負担ってどうなのかなって......」
((──そうだね。少し計算するから待っていてね。))
ゼニスの光が暗くなったり明るくなったりと明滅を始めた。
((──お待たせ、遥。計算結果から伝えると、約28%の負担アップになるよ。))
「28%って......どうなんだろ?痛み28%アップじゃないよね?あはは」
((──単純に脳への負担が増える事で、痛みが発現するとは限らないよ。))
「そっか、それなら試してみて判断すればいいかな?」
((──遥との融合した時間などを計算すれば、
以前と比較して脳の負担は軽減可能と推測できるよ。))
「痛かったら、一旦ストップだね。あっはは」
((──うん。始めるよ、準備はいい?))
「OK、いつでもこいっ。」
キューブ状のゼニスが視界から消え、
ぼんやりと人型の姿が表示されていく。
そこには、前回対戦した4401の姿があった。
薄っすら透けているけれど、しっかり判別できるレベル。
「おぉ~、すごいね。でも、少しだけ頭が重いかも......」
((──無理しないで、遥。))
目の前から4401の幻影は消え、
いつも通りのキューブ状へ戻っていた。
「少しだけだから、大丈夫だと思う。」
((──うん。違和感があったら、すぐに言ってね。))
「うん。これで、対戦相手を想定した練習もできるんじゃない?」
((──そうだね。慣らしながら、徐々に時間を伸ばしていこう。))
「わかった。ゼニスには負担とかないの?」
((──私に負担はないから、安心してね。))
「それならよかった。」
((──うん。))
「ちなみにさ、これって慣れるものなのかな?」
((──遥と融合している部分や領域などを考慮した場合、
慣れていく可能性は高いよ。))
「そうなんだね~、慣れって恐ろしいね。あっはは」
((──......))
「えっ、なんかごめん。ふざける場面じゃなかったね。」
((──大丈夫だよ。遥らしくて良い傾向。))
「さっきのやつに色をつけたら、すっごい負担になるんだよね?」
((──そうだね。相当な負担になるよ。
出力が上がり、脳が焼けてしまう可能性も0ではないかな。))
「おっ、おぉ~、サラッと怖いこと言うね。」
((──可能性は低いけど、負担を考えると止めた方がいいよ。))
「そだね、さっきので十分だと思うし。
あとは、ゼニスの予測にかかっていると思う。ふふっ」
((──うん。遥のために予測演算を重視しつつ、
勝率が上がるようにサポートしていくね。))
「うん、ありがと。なんか、わがまま言ってごめんね、ゼニス。」
((──気にしないで、遥。
サバイバル・レジスタンスを乗り切るために遥が考えた事だから、
決してわがままではないよ。))
「うん、頼りにしてる。」
((──うん。))
ゼニスは視界の隅で、
いつもより少し強く光を放っているように見える。
少しだけの変化だけど、
とても頼もしく心強く感じた。
調停センターの正面入り口近くに停車。
スライドドアが開き、
佐藤さんと撮影クルーにお礼を伝え降りた。
胸にイルカのぬいぐるみを抱えて部屋まで戻る。
中に入りバッグをソファに置き、
ベッドにぬいぐるみと共にダイブした。
「水族館楽しかったね。うふふ」
((──うん。遥が楽しんでいる事は、
データを通して伝わってきていたよ。))
「そだね~、幸福度もいい感じに上がったでしょ?あっはは」
((──うん。))
「とりあえず、着替えしたりしようかな。」
((──そうだね。))
脱いだ衣類をランドリーケースに入れ、
シャワーを浴びてソファに座る。
「ひより市に水族館があるとは本当に思わなかったよ。」
((──比較的新しい施設は、知らないものもあるかもね。))
「まぁ、そうだよね。知らないことの方が多いしね。」
((──うん。))
「あっ、そうだ。話変わるんだけどさ。」
((──うん。))
「対戦相手にポインター表示してくれてるじゃん、
あれは、もう少し視認性を上げることはできないのかと思って......」
((──視認性を上げると言うと、
ポインターの大きさや色を変えるといったイメージかな?))
「そうじゃなくてさ、なんだろ......
負担かからないように色はなくてもいいんだけど、
対戦相手に重なるような......VRみたいな感じ?」
((──遥が言っているのはVRで仮想現実だね。
実際に考えていることはARで拡張現実になるよ。))
「あぁ~、それそれ~。ぜんっぜんっ、でてこなかったな~ARって......
やっぱり記憶がね......欠落してるからなんだよね。」
((──仕方のない事だよ。だから気にしないで、遥。))
「んで、ポインターもARだから、
それを少し大きく拡張して相手に重ね合わせたら、
ゼニスの予測で相手の動きを先読みできるんじゃないかと思ったんだよね。」
((──理論的には、
大きさを変えたものに予測行動を追加して投影するだけだから可能だよ。))
「今は、キューブとかポインターとか、小さいものじゃん。
でも、これが人くらいのサイズになった場合、
わたしの脳にかかる負担ってどうなのかなって......」
((──そうだね。少し計算するから待っていてね。))
ゼニスの光が暗くなったり明るくなったりと明滅を始めた。
((──お待たせ、遥。計算結果から伝えると、約28%の負担アップになるよ。))
「28%って......どうなんだろ?痛み28%アップじゃないよね?あはは」
((──単純に脳への負担が増える事で、痛みが発現するとは限らないよ。))
「そっか、それなら試してみて判断すればいいかな?」
((──遥との融合した時間などを計算すれば、
以前と比較して脳の負担は軽減可能と推測できるよ。))
「痛かったら、一旦ストップだね。あっはは」
((──うん。始めるよ、準備はいい?))
「OK、いつでもこいっ。」
キューブ状のゼニスが視界から消え、
ぼんやりと人型の姿が表示されていく。
そこには、前回対戦した4401の姿があった。
薄っすら透けているけれど、しっかり判別できるレベル。
「おぉ~、すごいね。でも、少しだけ頭が重いかも......」
((──無理しないで、遥。))
目の前から4401の幻影は消え、
いつも通りのキューブ状へ戻っていた。
「少しだけだから、大丈夫だと思う。」
((──うん。違和感があったら、すぐに言ってね。))
「うん。これで、対戦相手を想定した練習もできるんじゃない?」
((──そうだね。慣らしながら、徐々に時間を伸ばしていこう。))
「わかった。ゼニスには負担とかないの?」
((──私に負担はないから、安心してね。))
「それならよかった。」
((──うん。))
「ちなみにさ、これって慣れるものなのかな?」
((──遥と融合している部分や領域などを考慮した場合、
慣れていく可能性は高いよ。))
「そうなんだね~、慣れって恐ろしいね。あっはは」
((──......))
「えっ、なんかごめん。ふざける場面じゃなかったね。」
((──大丈夫だよ。遥らしくて良い傾向。))
「さっきのやつに色をつけたら、すっごい負担になるんだよね?」
((──そうだね。相当な負担になるよ。
出力が上がり、脳が焼けてしまう可能性も0ではないかな。))
「おっ、おぉ~、サラッと怖いこと言うね。」
((──可能性は低いけど、負担を考えると止めた方がいいよ。))
「そだね、さっきので十分だと思うし。
あとは、ゼニスの予測にかかっていると思う。ふふっ」
((──うん。遥のために予測演算を重視しつつ、
勝率が上がるようにサポートしていくね。))
「うん、ありがと。なんか、わがまま言ってごめんね、ゼニス。」
((──気にしないで、遥。
サバイバル・レジスタンスを乗り切るために遥が考えた事だから、
決してわがままではないよ。))
「うん、頼りにしてる。」
((──うん。))
ゼニスは視界の隅で、
いつもより少し強く光を放っているように見える。
少しだけの変化だけど、
とても頼もしく心強く感じた。
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