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第十一章
255 狂おしいほど愛おしい ※
しおりを挟む「勇者様ッ、お待ち下さいッ!!!!」
特設舞台から下りた瞬間、凄まじいスピードで疾走する勇者様。
癒しの光と同じ色の髪を靡かせて、閃光のように人々の間を走り抜ける。
今のセオドアを止められる者は誰一人としておらず、大臣や近衛騎士の制止の声は、すぐに聞こえなくなった。
癒しの聖女様が滞在する塔の長い階段を、五段飛ばしで駆け上がる。
寝台に一直線に向かったセオドアに抱えられていた俺は、そのままシーツの上にダイブしていた。
「っ、ン……はぁ、……んんっ……」
貪るように口付けられ、名前を呼ぶ暇もない。
随分と硬くなった両手は、俺の顔を固定し、時折髪に指を通して、めちゃくちゃにされる。
いつもは壊れ物を扱うような触れ方だが、今は酷く荒々しい。
別人になったのかと、問いかけたくなるほどの違いに驚くが、俺を求めていることが痛いくらいに伝わって来ていた。
「ん……はぁ、っ……テディ、んんぅ……っ、は……」
注ぎ込まれる唾液を必死に飲み込む俺に覆い被さるセオドアは、息一つ乱れていない。
だが、胸元にしがみつくと、鼓動はドクドクと高鳴っていた。
ハッと目を開くと、熱を帯びた翡翠色の瞳に見下ろされ、金縛りにあったかのように体が硬直する。
雄の顔をしているセオドアが、愛おしそうにすっと目を細くし、唇が離れる。
ローブが破けるんじゃないかと思うほど、性急な勢いで剥ぎ取られ、胸の飾りに噛み付くように歯を立てられていた。
「ッ、ん、く……ぁあッ!」
全身を弄られ、快感に身を捩っている間に、セオドアは隊服を脱ぎ捨てていた。
口に指を突っ込まれて、胸の飾りを甘噛みされながら陰茎を扱かれ、俺は涎を垂らしながら喘ぐ。
指はすぐに抜けて、次は後蕾に触れられたと思った瞬間には中に侵入しており、かき混ぜられる。
目が回るような速さにシーツを握りしめて堪えていると、気付けば膝裏を掴まれて秘部を曝け出し、亀頭を押し当てられていた。
「っ……ん、ゃ……テディ、っ……ひッ、ぁぁぁあああ──ッ!!」
息つく暇もなく、硬い陰茎で貫かれて、頭が真っ白になる。
みちみちと入って来た熱が、きついはずなのに酷く気持ちがいい。
荒い息だけを溢すセオドアに揺さぶられ、雄々しい姿に見惚れる俺もまた、艶かしい息を吐く。
「ん、ンッ……く、はぁっ……ぁっ……ぁああッ」
「はっ……はっ……」
両手首を掴まれて引っ張られると、奥を容赦なく突き上げられて、凄まじい快感に生理的な涙が零れ落ちる。
繋がっている部分から全身へと快感が駆け巡り、我慢が出来ずに口付けを強請ろうと、声をかけようとした瞬間。
俺の視界に映るのは、殺してしまいそうなほど愛してると訴えている、狂気を孕んだ瞳。
恐ろしくて背筋がぞくぞくとするのだが、その目でずっと見つめられたい……。
「っ……んぁああッ! んっ……んんッ……ひぅ、っ……んんぅッ……あっ、あっ……んッ、だめッ……ああァッ、ひ、ああぁあぁぁ───ッ!!」
恐怖と呼ぶには甘すぎる衝動が、腹の底から突き上がり、俺は蕩けた顔で達していた。
とぷっと白濁を漏らし、爪先がもがくように空を掻いて、体がガクガクと痙攣する。
それでも容赦なく俺を突き上げ、頬を上気させるセオドアが、小さく唸った。
「くっ」
「~~~~ッ!!」
中がじわりと温かくなり、全身になにか熱いものが駆け巡る。
二人の力が循環しているのだろうが、もはやこれは俺を狂わせる甘い毒だ。
甘美な毒が全身に回り、思考も理性も全てを奪っていく。
甘い快感の波が一向に収まる気配がなく、俺の目からは涙が流れ続け、震えが止まらない。
そんな俺を恍惚とした表情で見下ろしていたセオドアが、ハッと息を呑んだ。
「っ、イヴ兄様……っ。ごめんなさいっ、大切にするって言ったのにっ、優しく出来なかった……」
「…………ぁぁっ、」
「ごめんなさいっ、イヴ兄様、愛してます……。狂おしいほど愛おしい……」
少し冷静になった様子のセオドアに、許して欲しいと囁かれる。
愛していると繰り返す唇をぼんやりと見つめていると、優しく口付けられていた。
触れ合うだけの口付けで幸せを感じて、俺は目をとろんとさせてセオドアにしがみつく。
「ん……テディー……ぁっ……」
ただ名前を呼んだだけなのに、精を吐き出したばかりの陰茎が、俺の中でぐんと硬くなっている。
甘ったるい声が出る俺は、セオドアのものを愛おしげに締め付けて、濡れる唇を啄み続けた。
「っ……イヴ兄様……許してください」
「はぁ……。ん、その代わり、我儘言ってもいいか?」
「はい。イヴ兄様の望みは、全て僕が叶えます。どんな無茶な願いでも……」
世界征服もやりかねない顔をしているセオドアに見つめられて、俺は愛されているなと頬が緩む。
俺の目尻に口付けを落とすセオドアの耳元に顔を寄せ、小さな声で俺の願いを囁いた。
「もう、他の人のところに行かないでっ」
「ッ、」
動きを止めたセオドアが、ゆっくりと俺に顔を向ける。
目を見開いているセオドアは、瞬きの仕方を忘れたみたいだ。
信じられないと言わんばかりの表情を浮かべているセオドアの頬に、俺はそっと手を伸ばす。
「ずっと、俺の傍にいて……」
優しく撫でていた頬がぶわっと紅潮し、泣きそうな顔で笑ったセオドアが頷く。
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて、髪が擽ったいぞと文句を言う俺だが、顔は緩みまくっていた。
「それは、僕の願いですよ……。イヴ兄様」
感極まったように告げたセオドアが、ゆっくりと律動を始め、俺は逞しくなった背にしがみつき、気を失うまで揺さぶられ続けた。
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