66 / 273
第4章:学園編
試験開始
しおりを挟む
「えー、以上が試験前の注意事項です。どっかのバカ二人が騒いだため開始時刻が少しすぎてしまいましたが、気を取り直して、それでは始め!」
その言葉を受けて目の前に置かれていた紙を裏返す。いくつかの選択肢が与えられた問題が何問かと記述問題が一問という構成になっている。選択問題にさっと目を通して、ジンは愕然とした。ほぼ全て知らない内容だったからだ。
『ウィルが言ってた問題と全然違うじゃんか!』
ウィルの話では主に法術についての極一般的な質問が聞かれるとのことだった。ただ惜しむらくは彼の知識が10年以上更新されていなかったことだ。当時の彼が伝え聞いたものと目の前にあるテストは全く違ったのだ。それに法術の技術も日進月歩で、日々発展している。そのため人間界に住む者にとって当たり前の知識をウィル達は持っていなかったのだった。
『どうしよう…』
周囲からカリカリと軽快な音が聞こえる中、彼は一人頭を抱える。そっと右隣のシオンに目を向けて見る。その手はスラスラと流れるように動き、その顔は余裕の表情を浮かべている。むしろつまらなそうにあくびすら噛み殺している。ふとジンの視線に気がついたのか、目を向けてくる。そしてジンの答案用紙が白紙であることを発見した。
「ふっ」
鼻で笑うと同時に、露骨にバカにしたような表情を向けてくる。そしてジンに答案が見えるように、手を動かす。その行動にジンは逡巡する。見るべきか見ないべきかと。
確かに学校に入ることが目的ならば、見たほうがいいだろう。だがここまでバカにされている状態を彼のプライドが許せるかというともちろん否である。悩んだ末に彼が下したのは見ないということだった。それから勘だけを頼りに彼は答えを選択していく。
気がつけば残りあと20分ほどのところでようやく記述問題にたどり着いた。ありがたいことにこちらの問題は彼にとってあまり難しいものではなかった。マリアにかつて教えてもらったものの範囲に含まれていたからだ。具体的なものはマリアには教えてもらえなかったが、残りの部分はウィルが説明してくれた。
『よっしゃ!これなら書ける!』
心の中で狂喜乱舞する。だがそれも残り時間以内に書き終わらなければ意味がない。ジンは猛スピードで問題を解き始める。その横でそれに気がついたシオンは目を丸くして驚いた表情を浮かべ、対抗心を燃やしたのか自らも描くスピードを上げた。
「そこまで!」
カリカリカリカリ…という音が周囲に鳴り響く中、ついに試験官がそう告げた。会場内には重い溜息と、解放されたというホッとした雰囲気が立ち込めた。ジンもまた重い溜息を吐いた一人である。後半部分は巻き返せたと思うが、いかんせん前半部分の選択問題は壊滅的だ。まさに神に祈りたい気分だが、ラグナでは頼りにならないように思えた。
「おい、どうだった?」
そんなことを考えているとシオンが横から話しかけてきた。
「…別に、普通だよ普通」
それを聞いた彼女はニンマリといやらしい顔をする。整っている容姿のためか、そんな顔でも可愛らしい。それがなんとなくジンを余計にイラつかせた。
「落ちた?ねえ落ちた?」
「う、うるせえ!お前はどうなんだよ!」
そのジンの質問にシオンはキョトンとする。
「え、こんなの解けないほうがおかしいじゃん。今時こんな問題解けないのってよっぽど田舎から出てきたやつ以外にいないよ?」
「くっ…」
「まあお前ともこれでお別れだな…ふっ、残念だよ」
「う、うるせえ!次の実技で巻き返すんだよ!」
「ふーん、まあでもあの程度の動きだったら、ある程度他のテストの出来が良くないと受からないと思うけどね」
「ぐっ…」
「まあいいや、そんじゃあね。縁があったらまた会おう、あはははは!」
そして笑いながらシオンは走り去って行った。
「あの、くそ絶壁女が…」
ジンはムカムカとしている気持ちを抑えるために、中庭で休むことにした。そして適当に空いている場所を見つけて、アンナからもらったサンドウィッチをつまむことにした。相変わらず絶品だった。それから午後の試験に向けてしばしの仮眠を取ることにした。
午後からは実技試験が始まった。実技試験には法術試験と剣術試験の二つがある。合格者はこの試験の総合結果を踏まえて、S~Eのどのクラスに入学するかが決まるのだ。合格した200人のうち140人はC~Eクラスに入ることになる。D、Eに50人ずつ、Cに40人、A、Bクラスにはそれぞれ20人と30人、そしてSクラスにはたった10人の生徒しか入れない。成績上位の者たちの中でもほんの一握りのものが入れるのがこのクラスである。
ちなみにウィルとマリアもこの学校の卒業生であり、マリアはSクラス、ウィルはAクラスに所属していたらしい。
試験は受験票に記載された番号順に行われ、待機中の受験生は番号順に並んで座ることになっている。そして呼ばれると前に出て、20メートル先に設置された的に向かって術を放つのだ。そのため…
「よう、また縁があったな」
「くっ!」
当然のことながら彼の横の席にはシオンが座っていた。
「随分早く縁があって嬉しいよ」
意地悪い笑みを浮かべながらシオンに目を向けると赤い顔をして俯いている。
「ふっ」
それを見て思わず鼻で笑う。それに反応してシオンがキッと睨んできたが涼しい顔でそれを無視した。
「次の受験生、前へ!」
「お、俺の番か。それじゃあシオン、縁があったらまた会おうぜ!」
ジンは立ち上がり歩きながら、手を上げて言った。
「死ね!」
シオンが真っ赤な顔で唸った。
ジンは試験官の前に立つ。
「それではあの的に向かって自分の扱える法術を放ってください。威力や難易度の高い術は加点の対象になります」
「わかりました!」
力強い返事をしてジンは集中する。『無神術』の本質は創造と破壊であると『ノヴァ』は言った。そのため彼はここ数年間修行して、法術のように見える術を創造することに成功した。
「『火球』!」
ジンの掌の上に突如として浮かんだ火の玉は成人の頭ほどまで大きくなる。それを的に向けてジンは放った。ものすごいスピードでそれは飛んでいき、的に着弾し、燃やした。
『よし!』
心の中で思わずガッツポーズする。この術は他の者が行うものよりも多くの過程が必要となる。まず火を生み出し、次にそれを球形に止めるための力場を生み出す。それから指向性を持たせるために風を生み出し、それが周囲に拡散しないように空間を固定する。そのため非常に燃費が悪いのだ。一発放っただけでも疲れが溜まる。
『どうよこれ?』
心中ではほくそ笑みながら、真面目な顔をして試験官に目を向ける。自分の中ではかなりいい出来である。きっと評価もまあまあいいはずだ。そう思っていたのだが、試験官は興味なさそうな様子だった。ジンとしてはいい出来だと思っていた。
確かにマリアやウィルに比べてとても弱々しいが、ウィルもこの程度はジンの年代なら普通だと言っていた。つまりそれは試験官からしても、ジンの術はごく一般的な威力だと言うことだったのだが、ジンはそれを理解していなかった。
「はい、OKです。君は次の試験まで自由にしていて構いませんよ。次の受験生、前へ!」
「あれ?」
ジンがその対応に驚いているとシオンが立ち上がった。
「はい!」
ジンが戻ろうとして、シオンと交錯する。
「ダサっ」
すれ違いざまのシオンの一言にジンも文句を言おうとするが、
「僕が本物の火法術を見せてやるよ」
そう言って試験官の横までスタスタと歩いて行ってしまった。
「おもしれえ、見せてみろよ!」
ジンが言うと、シオンは振り返りニヤリと笑う。
「それでは術をあの的に向かって放ってください。威力や難易度の高い術は加点の対象になります」
「はい!あの全力でもいいですか?」
「君は…シオンさんか。大丈夫ですよ。ここは結界も張られているし、対応できるように試験官も複数人待機していますから」
「わかりました!」
試験官の言葉に頷くと、シオンは集中し始める。両手を前に出し、体が赤い光の膜に包まれる。
『喰らい尽くせ、『炎龍』!』
彼女の体を炎の龍が包み込む。そしてそれは『ゴォォ』と鳴き声のような音を出して的に向かって宙を駆けた。一瞬にして的にぶつかると巨大な炎の柱が立ち上る。それは結界にぶつかり、結界を明滅させた。
「こ、これは…」
試験官を含めその場にいた者全員が唖然とする。ジンは隣にいた受験生が「すげぇ」と呟いているのを聞いた。彼自身も彼女の術を見て、目をそらすことができなかった。自分の術があまりにちっぽけで笑えてしまう。
確かに『ダサい』と言われても仕方ない。相手は炎の龍、かたや自分は初歩的な火球。比べることすらおこがましい。そんなことを考えていると、したり顔でジンの方にシオンが歩いて来た。
「どう?これが本物だよ」
「くっ!」
「まあ、お前もしょぼいなりに頑張ったんじゃない?でももう落ちただろうけどね、はははは!ウギャ!」
「ははは、ざまぁ!」
高笑いしているシオンの額に思いっきりデコピンを打ち込むと、ジンは全力でその場から逃走した。シオンが後ろから何かを叫んでいるのが聞こえたが、それは無視する。そのまま素早く物陰に隠れた。
「クソ野郎!どこ行った、出てこい!ぶっ殺してやる!」
そんな罵詈雑言を鼻息荒くしながら叫んでいるシオンにバレないように、最大限まで気配を無くす。カイウスほどの探知技術がない限り、よっぽどのことが起こらなければバレることはないだろう。
案の定彼女はジンに気がつかず、あらぬ方向へと去って行った。それから彼は次の試験の開始時間まで隠れて過ごし、英気を養った。
その言葉を受けて目の前に置かれていた紙を裏返す。いくつかの選択肢が与えられた問題が何問かと記述問題が一問という構成になっている。選択問題にさっと目を通して、ジンは愕然とした。ほぼ全て知らない内容だったからだ。
『ウィルが言ってた問題と全然違うじゃんか!』
ウィルの話では主に法術についての極一般的な質問が聞かれるとのことだった。ただ惜しむらくは彼の知識が10年以上更新されていなかったことだ。当時の彼が伝え聞いたものと目の前にあるテストは全く違ったのだ。それに法術の技術も日進月歩で、日々発展している。そのため人間界に住む者にとって当たり前の知識をウィル達は持っていなかったのだった。
『どうしよう…』
周囲からカリカリと軽快な音が聞こえる中、彼は一人頭を抱える。そっと右隣のシオンに目を向けて見る。その手はスラスラと流れるように動き、その顔は余裕の表情を浮かべている。むしろつまらなそうにあくびすら噛み殺している。ふとジンの視線に気がついたのか、目を向けてくる。そしてジンの答案用紙が白紙であることを発見した。
「ふっ」
鼻で笑うと同時に、露骨にバカにしたような表情を向けてくる。そしてジンに答案が見えるように、手を動かす。その行動にジンは逡巡する。見るべきか見ないべきかと。
確かに学校に入ることが目的ならば、見たほうがいいだろう。だがここまでバカにされている状態を彼のプライドが許せるかというともちろん否である。悩んだ末に彼が下したのは見ないということだった。それから勘だけを頼りに彼は答えを選択していく。
気がつけば残りあと20分ほどのところでようやく記述問題にたどり着いた。ありがたいことにこちらの問題は彼にとってあまり難しいものではなかった。マリアにかつて教えてもらったものの範囲に含まれていたからだ。具体的なものはマリアには教えてもらえなかったが、残りの部分はウィルが説明してくれた。
『よっしゃ!これなら書ける!』
心の中で狂喜乱舞する。だがそれも残り時間以内に書き終わらなければ意味がない。ジンは猛スピードで問題を解き始める。その横でそれに気がついたシオンは目を丸くして驚いた表情を浮かべ、対抗心を燃やしたのか自らも描くスピードを上げた。
「そこまで!」
カリカリカリカリ…という音が周囲に鳴り響く中、ついに試験官がそう告げた。会場内には重い溜息と、解放されたというホッとした雰囲気が立ち込めた。ジンもまた重い溜息を吐いた一人である。後半部分は巻き返せたと思うが、いかんせん前半部分の選択問題は壊滅的だ。まさに神に祈りたい気分だが、ラグナでは頼りにならないように思えた。
「おい、どうだった?」
そんなことを考えているとシオンが横から話しかけてきた。
「…別に、普通だよ普通」
それを聞いた彼女はニンマリといやらしい顔をする。整っている容姿のためか、そんな顔でも可愛らしい。それがなんとなくジンを余計にイラつかせた。
「落ちた?ねえ落ちた?」
「う、うるせえ!お前はどうなんだよ!」
そのジンの質問にシオンはキョトンとする。
「え、こんなの解けないほうがおかしいじゃん。今時こんな問題解けないのってよっぽど田舎から出てきたやつ以外にいないよ?」
「くっ…」
「まあお前ともこれでお別れだな…ふっ、残念だよ」
「う、うるせえ!次の実技で巻き返すんだよ!」
「ふーん、まあでもあの程度の動きだったら、ある程度他のテストの出来が良くないと受からないと思うけどね」
「ぐっ…」
「まあいいや、そんじゃあね。縁があったらまた会おう、あはははは!」
そして笑いながらシオンは走り去って行った。
「あの、くそ絶壁女が…」
ジンはムカムカとしている気持ちを抑えるために、中庭で休むことにした。そして適当に空いている場所を見つけて、アンナからもらったサンドウィッチをつまむことにした。相変わらず絶品だった。それから午後の試験に向けてしばしの仮眠を取ることにした。
午後からは実技試験が始まった。実技試験には法術試験と剣術試験の二つがある。合格者はこの試験の総合結果を踏まえて、S~Eのどのクラスに入学するかが決まるのだ。合格した200人のうち140人はC~Eクラスに入ることになる。D、Eに50人ずつ、Cに40人、A、Bクラスにはそれぞれ20人と30人、そしてSクラスにはたった10人の生徒しか入れない。成績上位の者たちの中でもほんの一握りのものが入れるのがこのクラスである。
ちなみにウィルとマリアもこの学校の卒業生であり、マリアはSクラス、ウィルはAクラスに所属していたらしい。
試験は受験票に記載された番号順に行われ、待機中の受験生は番号順に並んで座ることになっている。そして呼ばれると前に出て、20メートル先に設置された的に向かって術を放つのだ。そのため…
「よう、また縁があったな」
「くっ!」
当然のことながら彼の横の席にはシオンが座っていた。
「随分早く縁があって嬉しいよ」
意地悪い笑みを浮かべながらシオンに目を向けると赤い顔をして俯いている。
「ふっ」
それを見て思わず鼻で笑う。それに反応してシオンがキッと睨んできたが涼しい顔でそれを無視した。
「次の受験生、前へ!」
「お、俺の番か。それじゃあシオン、縁があったらまた会おうぜ!」
ジンは立ち上がり歩きながら、手を上げて言った。
「死ね!」
シオンが真っ赤な顔で唸った。
ジンは試験官の前に立つ。
「それではあの的に向かって自分の扱える法術を放ってください。威力や難易度の高い術は加点の対象になります」
「わかりました!」
力強い返事をしてジンは集中する。『無神術』の本質は創造と破壊であると『ノヴァ』は言った。そのため彼はここ数年間修行して、法術のように見える術を創造することに成功した。
「『火球』!」
ジンの掌の上に突如として浮かんだ火の玉は成人の頭ほどまで大きくなる。それを的に向けてジンは放った。ものすごいスピードでそれは飛んでいき、的に着弾し、燃やした。
『よし!』
心の中で思わずガッツポーズする。この術は他の者が行うものよりも多くの過程が必要となる。まず火を生み出し、次にそれを球形に止めるための力場を生み出す。それから指向性を持たせるために風を生み出し、それが周囲に拡散しないように空間を固定する。そのため非常に燃費が悪いのだ。一発放っただけでも疲れが溜まる。
『どうよこれ?』
心中ではほくそ笑みながら、真面目な顔をして試験官に目を向ける。自分の中ではかなりいい出来である。きっと評価もまあまあいいはずだ。そう思っていたのだが、試験官は興味なさそうな様子だった。ジンとしてはいい出来だと思っていた。
確かにマリアやウィルに比べてとても弱々しいが、ウィルもこの程度はジンの年代なら普通だと言っていた。つまりそれは試験官からしても、ジンの術はごく一般的な威力だと言うことだったのだが、ジンはそれを理解していなかった。
「はい、OKです。君は次の試験まで自由にしていて構いませんよ。次の受験生、前へ!」
「あれ?」
ジンがその対応に驚いているとシオンが立ち上がった。
「はい!」
ジンが戻ろうとして、シオンと交錯する。
「ダサっ」
すれ違いざまのシオンの一言にジンも文句を言おうとするが、
「僕が本物の火法術を見せてやるよ」
そう言って試験官の横までスタスタと歩いて行ってしまった。
「おもしれえ、見せてみろよ!」
ジンが言うと、シオンは振り返りニヤリと笑う。
「それでは術をあの的に向かって放ってください。威力や難易度の高い術は加点の対象になります」
「はい!あの全力でもいいですか?」
「君は…シオンさんか。大丈夫ですよ。ここは結界も張られているし、対応できるように試験官も複数人待機していますから」
「わかりました!」
試験官の言葉に頷くと、シオンは集中し始める。両手を前に出し、体が赤い光の膜に包まれる。
『喰らい尽くせ、『炎龍』!』
彼女の体を炎の龍が包み込む。そしてそれは『ゴォォ』と鳴き声のような音を出して的に向かって宙を駆けた。一瞬にして的にぶつかると巨大な炎の柱が立ち上る。それは結界にぶつかり、結界を明滅させた。
「こ、これは…」
試験官を含めその場にいた者全員が唖然とする。ジンは隣にいた受験生が「すげぇ」と呟いているのを聞いた。彼自身も彼女の術を見て、目をそらすことができなかった。自分の術があまりにちっぽけで笑えてしまう。
確かに『ダサい』と言われても仕方ない。相手は炎の龍、かたや自分は初歩的な火球。比べることすらおこがましい。そんなことを考えていると、したり顔でジンの方にシオンが歩いて来た。
「どう?これが本物だよ」
「くっ!」
「まあ、お前もしょぼいなりに頑張ったんじゃない?でももう落ちただろうけどね、はははは!ウギャ!」
「ははは、ざまぁ!」
高笑いしているシオンの額に思いっきりデコピンを打ち込むと、ジンは全力でその場から逃走した。シオンが後ろから何かを叫んでいるのが聞こえたが、それは無視する。そのまま素早く物陰に隠れた。
「クソ野郎!どこ行った、出てこい!ぶっ殺してやる!」
そんな罵詈雑言を鼻息荒くしながら叫んでいるシオンにバレないように、最大限まで気配を無くす。カイウスほどの探知技術がない限り、よっぽどのことが起こらなければバレることはないだろう。
案の定彼女はジンに気がつかず、あらぬ方向へと去って行った。それから彼は次の試験の開始時間まで隠れて過ごし、英気を養った。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる