124 / 273
第5章:ファレス武闘祭
カーニヴァル2
しおりを挟む
背後から自分に向かってくる音に気がついたレヴィが振り向くと、ジンはもう目前まで迫っていた。その様子を見て食事を止めたレヴィは嗤う。パッ、と持っていた『それ』を手放すと、ジンに体を向けた。
「はああああああ!」
「あは!」
先ほどと同じように剣を摘もうとする。だがジンの手にあるのはレヴィの『腕』から作り上げた剣だ。つまり彼の肉体と同じ硬度を持ち、彼が身に纏う力に高い親和性を有しているはずだ。だからこそ彼の体に傷をつけることができる。
「なに!?」
レヴィの指が斬り飛ばされる。それを見て彼は咄嗟に距離をとった。だがそんな隙をジンは与えない。怒涛の連撃でレヴィの肉体を切り裂いていく。
「ちっ! はあああああ!」
一つ舌打ちをしてから、体内のエネルギーを放出する。猛風がレヴィから吹き出し、舞台上にいた者たちを吹き飛ばした。ジンは空中で体勢を整えると、器用にシオンを抱きとめて着地する。
『とりあえず目的の一つは達成か』
「ジン、あいつは……」
自分を不安そうに見つめてくる彼女をちらりと一瞥してから、すぐにレヴィへと視線を戻す。
「心配すんな。それよりも今は逃げろ」
「う、うん」
普段とは違う雰囲気にシオンは戸惑う。よく見ると彼の手には禍々しい一本の短剣が握られていた。脈動するドス黒い鱗模様のその剣は、一目見ただけで呪いの武器である事が分かる。
「その剣……」
「いいから、さっさと逃げろ!」
彼女に向かって怒鳴る。その声には焦りが過分に含まれている。
「で、でも!」
「くそっ!」
「きゃっ!?」
ジンはシオンを強引に持ち上げると、思いっきり投げ飛ばした。信じられないほどの力で観客席まで飛ばされたシオンは、そのまま体を客席にぶつける。なんとか体を強化したおかげでダメージは大してないが、それでもショックは大きい。下手したら死んでいた可能性もあったのだ。それがジンによるものだったのだから尚更だ。
だがジンとしては、シオンにいつまでも近くに居られると戦えないのだ。レヴィが彼女を人質にでもすると、動きが鈍るかもしれない。あるいは彼女を守りながら戦わなければならなくなる可能性だってある。ようは足手まといになりかねない。それだけは避けなければならない。
『なんてのは単なる理屈で、単に惚れた女を死なせたくないからだってんだからな。仇を前にしょうもねえ』
本当はシオンに協力してもらいつつ、レヴィと戦う事が一番理に適っている。むしろ彼女を囮にすれば勝率は一気に上がるだろう。そんなことはわかっている。わかっているのだ。だがそれでも彼にはそんな選択肢はない。たとえこの場で死ぬことになっても、今度こそ大事な人を守りたいのだ。
「お別れは済んだのかな?」
レヴィが動き出す。
「待ってくれるなんて随分優しいじゃねえか」
「何言ってるんだい? 僕はいつでも優しいよ」
「はっ、笑えねえ冗談だな」
「あはは、そうかい? まあでも、君との決闘に部外者が居られるのは本意じゃないからね。殺す手間も省けたし良かったよ」
にっこりと嗤うレヴィに、背筋から冷や汗が一筋流れる。
「それにしてもその剣、もしかしてあの時の僕の『腕』から作ったのかな?」
「ご名答。『黒龍爪』っていうんだ」
「ふーん。でもそれって随分やばそうだけど、体は大丈夫なのかい?」
ちらりとレヴィは短剣に目を向ける。自分から生み出されたとは思えないほどの禍々しさだ。それがジンの体を蝕んでいるのは一目でわかる。愚かしいほどに哀れな姿だ。
「さあな」
ジンは不敵に笑う。こんな時、ウィルならそうするはずだ。心の中であの時の彼のことを思い出す。絶対的な存在を前に、それでもあの男は笑ったのだ。ならば自分もそうするべきだとジンは思う。
「まあいいや、それじゃあかかってきなよ」
「言われなくても!」
ジンがレヴィに飛びかかる。しかしレヴィは動く気配を見せない。ジンの攻撃がレヴィの肩に直撃した。
「あは!」
レヴィの顔から悪意が零れ落ちた。無傷である。先ほどレヴィの指を切り飛ばせたのは、単に彼が油断していたからに過ぎない。だがもうそんな隙を見せることはない。自分の肉体から作り出されたとはいえ、所詮は分離したもの。核のある本体ほどの強度は無い。
「なっ!?」
「行くよ」
驚愕の表情に覆われたジンの横腹に蹴りを放った。高速のその攻撃を、ジンは回避できない。
「ごはっ」
腹部を蹴られ、吹き飛ばされたジンは、しかし壁に叩きつけられはしなかった。
「それっ」
彼が吹き飛んで行くよりも早くレヴィが回り込み、空中へと蹴り飛ばしたのだ。
「ほっ」
空中に高く浮かんでいる状態のジンを上から両拳を合わせて叩き落とした。すでに切り落とされたはずの指は新たに生えている。
「がはっ」
舞台がジンを中心にして割れる。だが追撃はまだ終わらない。とっさにジンは体を強化して、防御力を上げた。その瞬間、彼の体はまた強烈な一撃を浴びて吹き飛ばされる。頭が痛みを認識するよりも前に、何度も何度もそんな攻撃を食らい続けた。
繰り返される攻撃に意識を失いそうになりながら必死に耐える。一瞬でも気を抜けば確実に殺される。未だに意識を保っていられるのは、ジンがギリギリのところでなんとかガードをしているからだ。だがそれも時間の問題だろう。
観衆は息を飲んでその公開ショーを眺めていた。誰も近寄ることができない。圧倒的な強さと残虐さを併せ持った存在が目の前にいるのだ。ただただこの場から逃げ出したい気持ちに駆られていた。だがそんな彼らの願いを聞き入れたかのように戦士たちが動き出した。
突如現れた水の虎がレヴィに突進し、噛みついた。
「はあああ!」
男の声が辺りに響く。そのまま虎はレヴィを場外まで吹き飛ばし、その隙にジンたちの様子を確認しようと何人かが近づいてきた。
「サール先生! ジンくんの容体は!?」
駆け寄ってきたのは教官の一人であるアルトだ。途切れそうになっているジンは頭の中でぼんやりと考えていた。
「ひどいですね……でも致命傷はないみたいです。これなら今すぐ治療すれば間に合います。ちょっと離れていてください!」
そう言うとサールはジンの治癒を開始した。暖かい光がジンの体を包み、活力が戻ってくるのをジンは感じる。
「そっちはえー、いいからね、アルト先生、えー、相手に集中してくださいね!」
ガバルの声にすいませんと答えるとアルトはジンからレヴィの方へと意識を向けた。倒れてはいるが、凶々しい気配は一向に消えず、邪悪な力の波動は弱まっている感じもない。おそらくはほぼ無傷だ。
「はあ、くそが。結構本気でやったってぇのに無傷とか勘弁してくれよ」
ぼやき、片足を引きずりながら、のろのろとベインが舞台に登ってきた。ちらりとジンを見てから、レヴィの方へと目を向ける。
「ちっ、教師の安月給でこんなバケモン相手にするとか割りに合わねえよ」
「まあまあそんなこと言わずに、ベインさんだってなんだかんだでジンを守るために出てきたんでしょ? 立派に先生やってるじゃないですか」
アスランがからかうような調子でベインに話しかける。騎士団の訓練に参加していた彼は、ベインとも面識があった。
「ちっ、うるせえな。俺のことより目の前のバケモンに集中しろ、馬鹿野郎」
煩わしげに悪態をつくベインを見てアスランは苦笑する。そんな彼を見てより一層うんざりとした顔をベインが浮かべた。
「おめえら、そのガキ連れて離れろ! そんで結界張れ! 腰抜かしてねえでさっさと行動しろクソが! サール、ジンは?」
「大丈夫です。簡易的な治療は終わっています!」
「よし! そんじゃあさっさと動きやがれ!」
ベインの言葉に下に降りてきた20人の兵士たちが従う。少し前まで近衛騎士団の副団長をしていたのは伊達ではない。一線を退いたとはいえ、そのカリスマ性は損なわれてはいなかった。
兵士たちはなんとか動けるようになったジンに肩を貸して立たせると、この場から離そうと3人が誘導する。残りはその場でベインたちとともに戦う覚悟を決めていた。
「さてと、そんじゃあバケモン退治といくか!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「あは!」
レヴィはゆらりと起き上がり、舞台上にいる数人の『ご馳走』を見て嗤った。
「はああああああ!」
「あは!」
先ほどと同じように剣を摘もうとする。だがジンの手にあるのはレヴィの『腕』から作り上げた剣だ。つまり彼の肉体と同じ硬度を持ち、彼が身に纏う力に高い親和性を有しているはずだ。だからこそ彼の体に傷をつけることができる。
「なに!?」
レヴィの指が斬り飛ばされる。それを見て彼は咄嗟に距離をとった。だがそんな隙をジンは与えない。怒涛の連撃でレヴィの肉体を切り裂いていく。
「ちっ! はあああああ!」
一つ舌打ちをしてから、体内のエネルギーを放出する。猛風がレヴィから吹き出し、舞台上にいた者たちを吹き飛ばした。ジンは空中で体勢を整えると、器用にシオンを抱きとめて着地する。
『とりあえず目的の一つは達成か』
「ジン、あいつは……」
自分を不安そうに見つめてくる彼女をちらりと一瞥してから、すぐにレヴィへと視線を戻す。
「心配すんな。それよりも今は逃げろ」
「う、うん」
普段とは違う雰囲気にシオンは戸惑う。よく見ると彼の手には禍々しい一本の短剣が握られていた。脈動するドス黒い鱗模様のその剣は、一目見ただけで呪いの武器である事が分かる。
「その剣……」
「いいから、さっさと逃げろ!」
彼女に向かって怒鳴る。その声には焦りが過分に含まれている。
「で、でも!」
「くそっ!」
「きゃっ!?」
ジンはシオンを強引に持ち上げると、思いっきり投げ飛ばした。信じられないほどの力で観客席まで飛ばされたシオンは、そのまま体を客席にぶつける。なんとか体を強化したおかげでダメージは大してないが、それでもショックは大きい。下手したら死んでいた可能性もあったのだ。それがジンによるものだったのだから尚更だ。
だがジンとしては、シオンにいつまでも近くに居られると戦えないのだ。レヴィが彼女を人質にでもすると、動きが鈍るかもしれない。あるいは彼女を守りながら戦わなければならなくなる可能性だってある。ようは足手まといになりかねない。それだけは避けなければならない。
『なんてのは単なる理屈で、単に惚れた女を死なせたくないからだってんだからな。仇を前にしょうもねえ』
本当はシオンに協力してもらいつつ、レヴィと戦う事が一番理に適っている。むしろ彼女を囮にすれば勝率は一気に上がるだろう。そんなことはわかっている。わかっているのだ。だがそれでも彼にはそんな選択肢はない。たとえこの場で死ぬことになっても、今度こそ大事な人を守りたいのだ。
「お別れは済んだのかな?」
レヴィが動き出す。
「待ってくれるなんて随分優しいじゃねえか」
「何言ってるんだい? 僕はいつでも優しいよ」
「はっ、笑えねえ冗談だな」
「あはは、そうかい? まあでも、君との決闘に部外者が居られるのは本意じゃないからね。殺す手間も省けたし良かったよ」
にっこりと嗤うレヴィに、背筋から冷や汗が一筋流れる。
「それにしてもその剣、もしかしてあの時の僕の『腕』から作ったのかな?」
「ご名答。『黒龍爪』っていうんだ」
「ふーん。でもそれって随分やばそうだけど、体は大丈夫なのかい?」
ちらりとレヴィは短剣に目を向ける。自分から生み出されたとは思えないほどの禍々しさだ。それがジンの体を蝕んでいるのは一目でわかる。愚かしいほどに哀れな姿だ。
「さあな」
ジンは不敵に笑う。こんな時、ウィルならそうするはずだ。心の中であの時の彼のことを思い出す。絶対的な存在を前に、それでもあの男は笑ったのだ。ならば自分もそうするべきだとジンは思う。
「まあいいや、それじゃあかかってきなよ」
「言われなくても!」
ジンがレヴィに飛びかかる。しかしレヴィは動く気配を見せない。ジンの攻撃がレヴィの肩に直撃した。
「あは!」
レヴィの顔から悪意が零れ落ちた。無傷である。先ほどレヴィの指を切り飛ばせたのは、単に彼が油断していたからに過ぎない。だがもうそんな隙を見せることはない。自分の肉体から作り出されたとはいえ、所詮は分離したもの。核のある本体ほどの強度は無い。
「なっ!?」
「行くよ」
驚愕の表情に覆われたジンの横腹に蹴りを放った。高速のその攻撃を、ジンは回避できない。
「ごはっ」
腹部を蹴られ、吹き飛ばされたジンは、しかし壁に叩きつけられはしなかった。
「それっ」
彼が吹き飛んで行くよりも早くレヴィが回り込み、空中へと蹴り飛ばしたのだ。
「ほっ」
空中に高く浮かんでいる状態のジンを上から両拳を合わせて叩き落とした。すでに切り落とされたはずの指は新たに生えている。
「がはっ」
舞台がジンを中心にして割れる。だが追撃はまだ終わらない。とっさにジンは体を強化して、防御力を上げた。その瞬間、彼の体はまた強烈な一撃を浴びて吹き飛ばされる。頭が痛みを認識するよりも前に、何度も何度もそんな攻撃を食らい続けた。
繰り返される攻撃に意識を失いそうになりながら必死に耐える。一瞬でも気を抜けば確実に殺される。未だに意識を保っていられるのは、ジンがギリギリのところでなんとかガードをしているからだ。だがそれも時間の問題だろう。
観衆は息を飲んでその公開ショーを眺めていた。誰も近寄ることができない。圧倒的な強さと残虐さを併せ持った存在が目の前にいるのだ。ただただこの場から逃げ出したい気持ちに駆られていた。だがそんな彼らの願いを聞き入れたかのように戦士たちが動き出した。
突如現れた水の虎がレヴィに突進し、噛みついた。
「はあああ!」
男の声が辺りに響く。そのまま虎はレヴィを場外まで吹き飛ばし、その隙にジンたちの様子を確認しようと何人かが近づいてきた。
「サール先生! ジンくんの容体は!?」
駆け寄ってきたのは教官の一人であるアルトだ。途切れそうになっているジンは頭の中でぼんやりと考えていた。
「ひどいですね……でも致命傷はないみたいです。これなら今すぐ治療すれば間に合います。ちょっと離れていてください!」
そう言うとサールはジンの治癒を開始した。暖かい光がジンの体を包み、活力が戻ってくるのをジンは感じる。
「そっちはえー、いいからね、アルト先生、えー、相手に集中してくださいね!」
ガバルの声にすいませんと答えるとアルトはジンからレヴィの方へと意識を向けた。倒れてはいるが、凶々しい気配は一向に消えず、邪悪な力の波動は弱まっている感じもない。おそらくはほぼ無傷だ。
「はあ、くそが。結構本気でやったってぇのに無傷とか勘弁してくれよ」
ぼやき、片足を引きずりながら、のろのろとベインが舞台に登ってきた。ちらりとジンを見てから、レヴィの方へと目を向ける。
「ちっ、教師の安月給でこんなバケモン相手にするとか割りに合わねえよ」
「まあまあそんなこと言わずに、ベインさんだってなんだかんだでジンを守るために出てきたんでしょ? 立派に先生やってるじゃないですか」
アスランがからかうような調子でベインに話しかける。騎士団の訓練に参加していた彼は、ベインとも面識があった。
「ちっ、うるせえな。俺のことより目の前のバケモンに集中しろ、馬鹿野郎」
煩わしげに悪態をつくベインを見てアスランは苦笑する。そんな彼を見てより一層うんざりとした顔をベインが浮かべた。
「おめえら、そのガキ連れて離れろ! そんで結界張れ! 腰抜かしてねえでさっさと行動しろクソが! サール、ジンは?」
「大丈夫です。簡易的な治療は終わっています!」
「よし! そんじゃあさっさと動きやがれ!」
ベインの言葉に下に降りてきた20人の兵士たちが従う。少し前まで近衛騎士団の副団長をしていたのは伊達ではない。一線を退いたとはいえ、そのカリスマ性は損なわれてはいなかった。
兵士たちはなんとか動けるようになったジンに肩を貸して立たせると、この場から離そうと3人が誘導する。残りはその場でベインたちとともに戦う覚悟を決めていた。
「さてと、そんじゃあバケモン退治といくか!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
「あは!」
レヴィはゆらりと起き上がり、舞台上にいる数人の『ご馳走』を見て嗤った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
黄金の魔導書使い -でも、騒動は来ないで欲しいー
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥魔導書(グリモワール)。それは、不思議な儀式によって、人はその書物を手に入れ、そして体の中に取り込むのである。
そんな魔導書の中に、とんでもない力を持つものが、ある時出現し、そしてある少年の手に渡った。
‥‥うん、出来ればさ、まだまともなのが欲しかった。けれども強すぎる力故に、狙ってくる奴とかが出てきて本当に大変なんだけど!?責任者出てこぉぉぉぃ!!
これは、その魔導書を手に入れたが故に、のんびりしたいのに何かしらの騒動に巻き込まれる、ある意味哀れな最強の少年の物語である。
「小説家になろう」様でも投稿しています。作者名は同じです。基本的にストーリー重視ですが、誤字指摘などがあるなら受け付けます。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ゴミ捨て場領主のクラフト無双 ~最弱魔法【分解と合成】で領地を黄金郷に変えたら、俺を見下していた大貴族令嬢たちが掌を返してすり寄ってきた件~
namisan
ファンタジー
東西南北の大貴族から「毒の川」「凶暴な魔獣」「莫大な借金」を押し付けられ、王国の『ゴミ捨て場』と化したローゼンベルク領。
父と兄を謀殺され、その絶望の領地を押し付けられた無能貴族のアークは、領地の分割を企む高慢な令嬢たち(王女、公爵令嬢、姫将軍など)に嘲笑われていた。
だが、彼には現代の知識と、隠された最強チート能力があった!
触れたものを瞬時に素材に戻し、全く別のモノに作り変える神の御業――【分解と合成】。
「毒の川」を分解して『超高価な宝石と純水』へ!
「魔獣の死骸」と「瓦礫」を合成して『絶対に壊れない防壁』へ!
借金取りには新素材を高値で売りつけ、逆に敵の経済を支配していく。
圧倒的なクラフト能力で、瞬く間にゴミ捨て場を「無敵の黄金郷」へと作り変えていくアーク。
己の敗北を悟り、震え上がる悪徳貴族と高慢な令嬢たち。
さらに、アークの圧倒的な知略と底知れぬ実力は、気高い令嬢たちの本能に深く刻み込まれていく。
「どうか、私をあなたの手駒としてお使いください……っ!」
プライドを完全にへし折られた最高位の美少女たちは、いつしかアークの与える『恩恵』なしでは生きられないほど、彼に絶対の忠誠と依存を誓うようになっていく――。
最弱のゴミ捨て場から始まる、爽快クラフト内政&ざまぁファンタジー、堂々開幕!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる