183 / 273
第7章:再会編
デート
しおりを挟む
「全く、なんであいつはいつもいつも絶妙なタイミングで最悪な事を的確にやるんだよ!」
悪態をつきながらも辺りを見渡すが、如何せん、外は祭りの真っ只中だ。混雑のため、もう彼女は見つからなかった。それならばと感覚を強化し、研ぎ澄ませる。すぐにシオンらしき存在を発見し、急いで追いかける。人を掻き分けながら進むため、なかなか距離が縮まらない。
「そうだ!」
屋根に上がればよかったのだ、という事に気がついたタイミングで、シオンらしき者も上に向かっている事に気がついた。どうやら考えは同じだったらしい。慌ててジンも屋根に登ると、すぐに屋根から屋根へと飛び移っていく少女を見つけた。
「シオン!」
ジンが叫ぶとシオンはビクリと震えてから、風法術を使って速度を上げた。
「ちっ、マジかよ」
舌打ちを一つしてジンも足を強化する。それもラグナからもらった【強化】の権能で。扱い方を間違えれば肉体を破壊する力で追いかけている自分に気がついて、一瞬苦笑いするが、そんなことよりも今は彼女の誤解を解く方が重要だった。すぐに追いつけば大して負荷もかからない。だが彼が今追いかけているのは使徒である。そう容易く追いつける相手ではなかった。
結局、30分ほど追いかけ回して漸く彼女の手を掴んだ。無理に走ったため、微かに脚に痛みを感じるが今はそんな事を気にしていられない。
「は、話を聞いてくれ」
ジンの方は粗い息を吐いているが、シオンの方は平然としている。ただ一向に彼の方を向こうとせず、顔が見られないように逸らしている。
「やだ」
「いいから聞いてくれって!」
「別にボクはお前と何も関係ないし、何か聞く事もない」
突き放すような言葉だが微かに震えているのが分かる。ジンも鈍すぎるわけではない。さすがにここまでの反応をされれば、シオンの想いも少しは察する事ができる。それが分かったからこそ、彼は本来ここで彼女を放置するべきであった。自分の置かれた環境と使命を思えば、彼女の想いに応えることは決してできない。だがそれでも彼女に勘違いして欲しくなかった。それがどれだけ独善的で、彼女の心を傷つけると理解していてもだ。
「……あいつは」
「何も言わなくていい」
シオンが両耳を塞ごうとして、片手が掴まれている事に気がつき、ジンの手を剥がそうとするも、ジンはしっかりと握る。彼女の顔が痛みで微かに歪むが、それを無視してジンは掴み続けた。
「あいつは!」
「うるさい!」
ジタバタ暴れ始めるシオンにジンは叫んだ。
「従妹なんだ!」
「うるさ……え?」
耳に届いた言葉に目を丸くして、シオンがジンにやっと顔をむけた。目が少し赤くなっている事から、泣きながら走っていたのだろう。それに気がついてジンは胸が痛んだ。
「あいつは従妹なんだ」
「い……とこ? 従妹ってあの?」
「ああ、その従妹だ。とにかくあいつとは別に特別な関係でもなんでも無い。そもそもあいつには許嫁がいるしな」
「へ、へえ。ま、ままま、まあボクには別に何にも関係ないけど。無いけどなんだか随分親しそうに見えたけど?」
口では無関心を装ってはいるが、表情も仕草も何もかもが今の彼女の心情を隠せていない。何せ従妹と分かってから顔が緩んでいるからだ。
「元からああいう、人が迷惑に思う事をするのが大好きなやつなんだ。一体何度困らされたか分からないぐらい面倒なやつなんだよ」
「ふ、ふぅん。ま、まあボクには別に関係ないけどね。本当に何にも、そういった事は何にもないの?」
「ああ、全く。というよりあの日からそんな事になったのは一度もねえよ」
あの日というのがいつの事か、すぐに理解した彼女は顔を明るく輝かせるが、それに気がついて後ろを向き、顔を見られないようにした。
「ま、まあボクには別に関係ないんだけどね」
そんな台詞を吐きながら小さくガッツポーズをしている彼女を見て頬が綻んだ。
「とにかく、あいつは本当になんでもないから」
もう一度念を押すとシオンは振り返って頷き、次いで2人の間にグゥという二つの音が鳴り響いた。ジンは腹を抑えて苦笑し、シオンは恥ずかしさに頬を赤らめた。追いかけっこに夢中でいつの間にか昼はとっくに過ぎていたのだ。
「……適当に店に入るか?」
「………うん」
ジンの提案に蚊の鳴くような声でシオンは賛同した。
矛盾している事をジンは理解していた。それでも彼は、ただこの時間に浸っていたかった。シオンと共にいれば、あらゆる苦悩から解放されるからだ。彼の使命はそれほどに重かった。自分にとって掛け替えのない存在を守ろうとすればするほど、無意識の中で、彼は誰かに救われたかった。
~~~~~~~~~
ぶらぶらと通りを歩いていると、2人の鼻腔を美味しそうな匂いがくすぐった。ジンとシオンは顔を見合わせて頷くと店の中に入った。それからしばらくして、2人のテーブルには様々な料理が並べられた。
「それで、今までどこにいたんだ?」
当然の疑問をシオンが聞いてくる。
「大陸の東の方だ」
「どうしてそんなところに?」
シオンは頭の中に地図を描く。彼女の知る限り、大陸の東には特に何もない。
「ちょっと知り合いに会いに行ったんだ」
「知り合いって?」
「まあ師匠みたいなもんだ」
やはりジンはレヴィを倒すために更なる修行を積んでいたのだと、シオンは判断した。確かに一眼見ただけで、彼の纏う雰囲気は2年前とは別物だ。
「へえ、どんな人なの?」
ジンが2年間、何をしてきたのか気になって尋ねるも、彼は口籠った。それを見てあまり言いたくないのだという事を推察する。そんな空気を読めないほどシオンも鈍感ではない。ただ、今まで恋愛というものに興味を示してこなかったため、その一点においては異常な程に鈍かった。
「まあ、言いたくないなら別にいいけどさ」
「悪いな。それより、そっちはこの2年間どうだったんだ?」
「特に大した事はしてないよ。あの後、騎士団に見習いとして所属して任務していただけ」
「そうか」
「うん」
そこで会話が途切れる。よくよく考えれば、彼らはこのような状況に慣れていない。話したい事は色々あったはずなのだが、なんとなく沈黙してしまった。
『マルシェが見たらうるさいだろうなぁ』
そんな事をぼんやりとシオンは考える。恋愛話が好きな彼女なら、こんな機会があれば根掘り葉掘り聞いてくるのは間違いない。実際、ジンと初めて出掛けた時など、彼女の拘束は数時間に及んだ。やっと解放された時には既に空が白んでいた程だ。
「「あの」」
意を決して再び話そうとすると、2人同時で話始めてしまった。
「「そっちが先に」」
「「いやそっちが」」
「「俺(ボク)はいいから」」
何度も話を被せてしまい、不意に2人は吹き出した。
「ははは、なんか馬鹿みてえだな」
「ふふふ、本当だね」
ようやく2人の間にあった緊張がほぐれてきた。それから2人は様々な事を話した。学校にいる友人達の事や、旅で知った話など、思いつく限り話した。いつの間にか日が落ち始めていた。
~~~~~~~~~
「今日はありがと。またこんなふうに会えるかな?」
会計を終えたジンにシオンが微笑み、尋ねてきた。それは任務としてではなく私的にという事だと、すぐにジンは理解した。どう返答するか言い澱んでいると、ふとシオンの瞳から涙が一雫溢れた。彼女は、ジンが自分と一緒にいられないという事に気がついていた。話している時に何度か見せたジンの表情と、今彼が浮かべる顔がそれを物語っていた。そして、彼には言わなかったが、自分がディアスと結婚しなければならないという事実が重くのしかかってきたのだ。
『こんな気持ちになるなら、会わなければよかった』
そんなふうに思いながらも、シオンは必死に笑顔を浮かべようとする。学校でこれから起こるという事件を解決するまでは一緒にいられるのだと納得しようとした。だが、どうしても出来なかった。彼がまた自分の前から消えるという事、もう自分と彼が違う場所にいるという事に気がついて、瞳から溢れ出てくる涙は止まらなかった。
それを見て、ジンは胸が締め付けられる。本当ならば、今すぐにでも抱きしめたかった。だがそれをすればどうなるかは目に見えている。彼女の想いに応えられない自分は、一層彼女を不幸にする。涙を拭こうと持ち上げかけた腕を下ろした。その様子を見てシオンは強引に腕で顔を拭った。
「バイバイ」
顔を上げたシオンはジンに向かって言うと、答えも聞かずに駆け出した。
「……じゃあな」
思わず伸ばしていた腕を、ジンは力なく降ろし、去っていく彼女の後ろ姿を見続けて呟いた。
悪態をつきながらも辺りを見渡すが、如何せん、外は祭りの真っ只中だ。混雑のため、もう彼女は見つからなかった。それならばと感覚を強化し、研ぎ澄ませる。すぐにシオンらしき存在を発見し、急いで追いかける。人を掻き分けながら進むため、なかなか距離が縮まらない。
「そうだ!」
屋根に上がればよかったのだ、という事に気がついたタイミングで、シオンらしき者も上に向かっている事に気がついた。どうやら考えは同じだったらしい。慌ててジンも屋根に登ると、すぐに屋根から屋根へと飛び移っていく少女を見つけた。
「シオン!」
ジンが叫ぶとシオンはビクリと震えてから、風法術を使って速度を上げた。
「ちっ、マジかよ」
舌打ちを一つしてジンも足を強化する。それもラグナからもらった【強化】の権能で。扱い方を間違えれば肉体を破壊する力で追いかけている自分に気がついて、一瞬苦笑いするが、そんなことよりも今は彼女の誤解を解く方が重要だった。すぐに追いつけば大して負荷もかからない。だが彼が今追いかけているのは使徒である。そう容易く追いつける相手ではなかった。
結局、30分ほど追いかけ回して漸く彼女の手を掴んだ。無理に走ったため、微かに脚に痛みを感じるが今はそんな事を気にしていられない。
「は、話を聞いてくれ」
ジンの方は粗い息を吐いているが、シオンの方は平然としている。ただ一向に彼の方を向こうとせず、顔が見られないように逸らしている。
「やだ」
「いいから聞いてくれって!」
「別にボクはお前と何も関係ないし、何か聞く事もない」
突き放すような言葉だが微かに震えているのが分かる。ジンも鈍すぎるわけではない。さすがにここまでの反応をされれば、シオンの想いも少しは察する事ができる。それが分かったからこそ、彼は本来ここで彼女を放置するべきであった。自分の置かれた環境と使命を思えば、彼女の想いに応えることは決してできない。だがそれでも彼女に勘違いして欲しくなかった。それがどれだけ独善的で、彼女の心を傷つけると理解していてもだ。
「……あいつは」
「何も言わなくていい」
シオンが両耳を塞ごうとして、片手が掴まれている事に気がつき、ジンの手を剥がそうとするも、ジンはしっかりと握る。彼女の顔が痛みで微かに歪むが、それを無視してジンは掴み続けた。
「あいつは!」
「うるさい!」
ジタバタ暴れ始めるシオンにジンは叫んだ。
「従妹なんだ!」
「うるさ……え?」
耳に届いた言葉に目を丸くして、シオンがジンにやっと顔をむけた。目が少し赤くなっている事から、泣きながら走っていたのだろう。それに気がついてジンは胸が痛んだ。
「あいつは従妹なんだ」
「い……とこ? 従妹ってあの?」
「ああ、その従妹だ。とにかくあいつとは別に特別な関係でもなんでも無い。そもそもあいつには許嫁がいるしな」
「へ、へえ。ま、ままま、まあボクには別に何にも関係ないけど。無いけどなんだか随分親しそうに見えたけど?」
口では無関心を装ってはいるが、表情も仕草も何もかもが今の彼女の心情を隠せていない。何せ従妹と分かってから顔が緩んでいるからだ。
「元からああいう、人が迷惑に思う事をするのが大好きなやつなんだ。一体何度困らされたか分からないぐらい面倒なやつなんだよ」
「ふ、ふぅん。ま、まあボクには別に関係ないけどね。本当に何にも、そういった事は何にもないの?」
「ああ、全く。というよりあの日からそんな事になったのは一度もねえよ」
あの日というのがいつの事か、すぐに理解した彼女は顔を明るく輝かせるが、それに気がついて後ろを向き、顔を見られないようにした。
「ま、まあボクには別に関係ないんだけどね」
そんな台詞を吐きながら小さくガッツポーズをしている彼女を見て頬が綻んだ。
「とにかく、あいつは本当になんでもないから」
もう一度念を押すとシオンは振り返って頷き、次いで2人の間にグゥという二つの音が鳴り響いた。ジンは腹を抑えて苦笑し、シオンは恥ずかしさに頬を赤らめた。追いかけっこに夢中でいつの間にか昼はとっくに過ぎていたのだ。
「……適当に店に入るか?」
「………うん」
ジンの提案に蚊の鳴くような声でシオンは賛同した。
矛盾している事をジンは理解していた。それでも彼は、ただこの時間に浸っていたかった。シオンと共にいれば、あらゆる苦悩から解放されるからだ。彼の使命はそれほどに重かった。自分にとって掛け替えのない存在を守ろうとすればするほど、無意識の中で、彼は誰かに救われたかった。
~~~~~~~~~
ぶらぶらと通りを歩いていると、2人の鼻腔を美味しそうな匂いがくすぐった。ジンとシオンは顔を見合わせて頷くと店の中に入った。それからしばらくして、2人のテーブルには様々な料理が並べられた。
「それで、今までどこにいたんだ?」
当然の疑問をシオンが聞いてくる。
「大陸の東の方だ」
「どうしてそんなところに?」
シオンは頭の中に地図を描く。彼女の知る限り、大陸の東には特に何もない。
「ちょっと知り合いに会いに行ったんだ」
「知り合いって?」
「まあ師匠みたいなもんだ」
やはりジンはレヴィを倒すために更なる修行を積んでいたのだと、シオンは判断した。確かに一眼見ただけで、彼の纏う雰囲気は2年前とは別物だ。
「へえ、どんな人なの?」
ジンが2年間、何をしてきたのか気になって尋ねるも、彼は口籠った。それを見てあまり言いたくないのだという事を推察する。そんな空気を読めないほどシオンも鈍感ではない。ただ、今まで恋愛というものに興味を示してこなかったため、その一点においては異常な程に鈍かった。
「まあ、言いたくないなら別にいいけどさ」
「悪いな。それより、そっちはこの2年間どうだったんだ?」
「特に大した事はしてないよ。あの後、騎士団に見習いとして所属して任務していただけ」
「そうか」
「うん」
そこで会話が途切れる。よくよく考えれば、彼らはこのような状況に慣れていない。話したい事は色々あったはずなのだが、なんとなく沈黙してしまった。
『マルシェが見たらうるさいだろうなぁ』
そんな事をぼんやりとシオンは考える。恋愛話が好きな彼女なら、こんな機会があれば根掘り葉掘り聞いてくるのは間違いない。実際、ジンと初めて出掛けた時など、彼女の拘束は数時間に及んだ。やっと解放された時には既に空が白んでいた程だ。
「「あの」」
意を決して再び話そうとすると、2人同時で話始めてしまった。
「「そっちが先に」」
「「いやそっちが」」
「「俺(ボク)はいいから」」
何度も話を被せてしまい、不意に2人は吹き出した。
「ははは、なんか馬鹿みてえだな」
「ふふふ、本当だね」
ようやく2人の間にあった緊張がほぐれてきた。それから2人は様々な事を話した。学校にいる友人達の事や、旅で知った話など、思いつく限り話した。いつの間にか日が落ち始めていた。
~~~~~~~~~
「今日はありがと。またこんなふうに会えるかな?」
会計を終えたジンにシオンが微笑み、尋ねてきた。それは任務としてではなく私的にという事だと、すぐにジンは理解した。どう返答するか言い澱んでいると、ふとシオンの瞳から涙が一雫溢れた。彼女は、ジンが自分と一緒にいられないという事に気がついていた。話している時に何度か見せたジンの表情と、今彼が浮かべる顔がそれを物語っていた。そして、彼には言わなかったが、自分がディアスと結婚しなければならないという事実が重くのしかかってきたのだ。
『こんな気持ちになるなら、会わなければよかった』
そんなふうに思いながらも、シオンは必死に笑顔を浮かべようとする。学校でこれから起こるという事件を解決するまでは一緒にいられるのだと納得しようとした。だが、どうしても出来なかった。彼がまた自分の前から消えるという事、もう自分と彼が違う場所にいるという事に気がついて、瞳から溢れ出てくる涙は止まらなかった。
それを見て、ジンは胸が締め付けられる。本当ならば、今すぐにでも抱きしめたかった。だがそれをすればどうなるかは目に見えている。彼女の想いに応えられない自分は、一層彼女を不幸にする。涙を拭こうと持ち上げかけた腕を下ろした。その様子を見てシオンは強引に腕で顔を拭った。
「バイバイ」
顔を上げたシオンはジンに向かって言うと、答えも聞かずに駆け出した。
「……じゃあな」
思わず伸ばしていた腕を、ジンは力なく降ろし、去っていく彼女の後ろ姿を見続けて呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
黄金の魔導書使い -でも、騒動は来ないで欲しいー
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥魔導書(グリモワール)。それは、不思議な儀式によって、人はその書物を手に入れ、そして体の中に取り込むのである。
そんな魔導書の中に、とんでもない力を持つものが、ある時出現し、そしてある少年の手に渡った。
‥‥うん、出来ればさ、まだまともなのが欲しかった。けれども強すぎる力故に、狙ってくる奴とかが出てきて本当に大変なんだけど!?責任者出てこぉぉぉぃ!!
これは、その魔導書を手に入れたが故に、のんびりしたいのに何かしらの騒動に巻き込まれる、ある意味哀れな最強の少年の物語である。
「小説家になろう」様でも投稿しています。作者名は同じです。基本的にストーリー重視ですが、誤字指摘などがあるなら受け付けます。
ゴミ捨て場領主のクラフト無双 ~最弱魔法【分解と合成】で領地を黄金郷に変えたら、俺を見下していた大貴族令嬢たちが掌を返してすり寄ってきた件~
namisan
ファンタジー
東西南北の大貴族から「毒の川」「凶暴な魔獣」「莫大な借金」を押し付けられ、王国の『ゴミ捨て場』と化したローゼンベルク領。
父と兄を謀殺され、その絶望の領地を押し付けられた無能貴族のアークは、領地の分割を企む高慢な令嬢たち(王女、公爵令嬢、姫将軍など)に嘲笑われていた。
だが、彼には現代の知識と、隠された最強チート能力があった!
触れたものを瞬時に素材に戻し、全く別のモノに作り変える神の御業――【分解と合成】。
「毒の川」を分解して『超高価な宝石と純水』へ!
「魔獣の死骸」と「瓦礫」を合成して『絶対に壊れない防壁』へ!
借金取りには新素材を高値で売りつけ、逆に敵の経済を支配していく。
圧倒的なクラフト能力で、瞬く間にゴミ捨て場を「無敵の黄金郷」へと作り変えていくアーク。
己の敗北を悟り、震え上がる悪徳貴族と高慢な令嬢たち。
さらに、アークの圧倒的な知略と底知れぬ実力は、気高い令嬢たちの本能に深く刻み込まれていく。
「どうか、私をあなたの手駒としてお使いください……っ!」
プライドを完全にへし折られた最高位の美少女たちは、いつしかアークの与える『恩恵』なしでは生きられないほど、彼に絶対の忠誠と依存を誓うようになっていく――。
最弱のゴミ捨て場から始まる、爽快クラフト内政&ざまぁファンタジー、堂々開幕!
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる