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第8章:王国決戦編
モンスターパニック
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おぞましい気配が街を包み込む。自分たちの騎士団の精鋭を集め、情報提供者から教えられた森へと向かおうと城門の前にいた、アレキウス、ウィリアム、セリカが一斉にそちらを向いた。
「こいつは……」
「ええ、恐らくそうでしょうね」
「何なんだ、この不気味な気配は?」
感じたことのある気配にアレキウスとウィリアムが頷き合う一方で、セリカは混乱する。
「底が見えない……いったい何なんだあれは!」
思わずセリカは叫ぶ。それほどまでに凄まじい気配だった。かつて彼女の前でイースが一瞬だけ垣間見せた事のある彼の本気を容易く凌駕している。そんな化け物が現れたという事だけは分かった。
「……以前会った時とは段違いの力の波動だが、あれは多分『法魔』だ」
アレキウスの言葉にウィリアムがコクリと頷く。その顔からは普段の軽薄そうな笑みが消え、恐怖が見え隠れしている。
「ええ、この胸糞悪い気配は間違い無いっすね」
ふとウィリアムは先日の戦いを思い出そうとして、記憶に違和感を抱く。誰が倒したかは覚えているのに、どのように倒したかは覚えていないのだ。それについて聞こうとアレキウスの方を見て、口を開きかけた所で一斉に街の方から悲鳴が聞こえてきた。そのすぐ後に、サリカ達の元に騎士がよろよろと歩いてくるのが見えた。見ると頭から血を流し、片腕はなく、もう片方の残った手には半ばで折れた剣を持っている。慌ててサリカとアレキウス、ウィリアムが駆け寄る。
「何があったんだ?」
サリカは質問しながら男を治療しようとする。だが見た目以上にダメージが大きい。恐らく内臓が破裂していた。男はドサッと倒れかけるが、アレキウスが彼を支えてそっと地面に寝かせた。
「ま、魔物が……魔物が至る所に」
その言葉に呼応するかの様に爆炎が響き渡る。それも1箇所だけではなく、何箇所もだ。
「誰も気づかなかったってぇのか!」
アレキウスが思わず怒鳴る。しかし既に事実として、街中に魔物が溢れかえっている。
「アレクさん、今そんなこと言ってても仕方ないでしょ。それより、どうするか考えないと」
ウィリアムの言葉にアレキウスは頷く。『法魔』を討ちに行くか、魔物達を掃討するか。被害の拡大を防ぐには魔物を討つべきだが、その間に『法魔』が街に来ればどうしようもなくなる。簡単に魔物を倒せるなら何も問題ないかもしれないが、このタイミングで現れた魔物だ。確実に普通のモノではない。黒幕特製の兵隊だろう。
「ウィリアム、お前はサリカと共に魔物を。俺は『法魔』の方に行く」
「……死ぬかもしれませんよ?」
かなり離れた場所からでも感じる気配はどう考えても先日戦った『法魔』とは禍々しさにおいても、強さにおいても別物だった。あの『法魔』にすら歯が立たなかったのだから、負けるのは必定だ。それでも誰かが様子を確認しなければならない。そしてそれは単なる騎士には出来ない仕事だった。
「心配すんな。悪運だけは昔から強いんだよ」
「……分かりました。信じます」
常に軽薄な友人はここぞという時に頭が回り、頼りになる。アレキウスはそれをよく知っていた。だからこそ、ただ強いだけの自分よりも生き残るべきが誰なのかを理解していた。
「街を頼んだぞ」
ウィリアムとセリカにそう告げると、アレキウスは一人、走り出した。
~~~~~~~~~~
「何、何なの!?」
マルシェは混乱していた。つい先程まで普通に授業を受けていた。しかし突然悲鳴が校舎の外から聞こえてきたと思ったら、窓を突き破って人が飛んできたのだ。そのままその人は壁に激突し、真っ赤な花を咲かせた。
続いて、凄まじい吠え声と共に化け物が部屋に飛び込んできた。それは成人男性ぐらいの大きさで、禍々しい一本のツノを生やした犬の様な頭に6本の別々の獣の脚を持ち、さらに強引に付けたように身体中のそこかしこから鋭い針が飛び出した、まるで歪なハリネズミのような容姿をしていた。
「あ……」
突然の事態に驚き硬直していた窓際の男子生徒の一人が頭から胸まで一瞬で喰い千切られた。次いで近くにいた女生徒は突然伸びた悪魔の様な針に体を串刺しにされた。
「げっげっげっげっ!」
薄気味悪い声を喉の奥から鳴らしながらそれが嗤う。漸く生徒達に広まっていた金縛りが解けて、皆が悲鳴をあげて教室から逃げ出そうとする。
「げっげっげっげっ!」
そんな生徒達の様を嗤いながら、それは瞬く間に次々と生徒達を殺して回る。マルシェは腰が抜けてその場に座り込んでしまい、動けなくなった。気がつけば既にその教室の中に、自分以外の生徒の気配は無くなっていた。
恐る恐る顔を動かして辺りを見る。化け物は少し離れた所で夢中になって、たった今殺したばかりの彼女の友人を美味そうに喰べていた。
「あ……あ……」
頭の中で必死に『逃げないと』という声が響く。それなのに体が動いてくれなかった。危険度で言えば『龍魔』が現れた時の方が高いはずだった。しかし今彼女の傍には安心させてくれる彼がいなかった。
「逃げ……ないと」
なけなしの勇気を振り絞って、その場から逃げるために腕で体を引きずろうとして、その手が床に広がっていた血で滑り、血の海の中に倒れ込んでしまった。その瞬間、化け物は顔を上げて、マルシェを見た。口を友達の血で真っ赤に汚しながら、人間の様にそれは嗤う。一瞬6本の足に力を込めたと思うと、化け物はマルシェに向かって凄まじい速さで飛びかかった。
「ル、ルース!」
思わずマルシェは大切な人の名を叫ぶ。来るはずがないと思っていた。自分の好きな男はとにかく空気を読まないのだ。マルシェがピンチであることなど気づいていないだろう。だが突然黒い影が差し込んだと思った瞬間、化け物が吹き飛んだ。
「俺の女に手ぇ出してんじゃねぇぞ、クソ犬が!」
拳に炎を纏い、肩で息をしながらルースが叫んだ。
~~~~~~~~~
アルトワールは読んでいた本から顔を上げる。先日マルシェから購入した『禁忌の研究全書』だ。遠くの教室から悲鳴が聞こえてくる。突然教壇に立っていた新人教師の男の顔が崩れた。体が肥大化し、背中からコウモリの様な羽が生えてくる。今まさに魔物へと変貌し始めたのだ。クラス全員が目を見張り、すぐに悲鳴を上げて逃げようとドアに殺到した。
「朝から体調悪そうだったけど、まさか目の前で変身するとはね」
アルトワールは気怠そうに眉を吊り上げる。男はしばらく前から行方知れずのガバルに変わって彼の授業を受け持つために急遽雇われた人材だった。
彼女はのんびりとその変化を観察する。彼女のクラスメイト達はドアの前で押し合い圧し合いしながら教室から逃げようとしていた。彼女のクラスはEクラスであり、当然ながらそこに所属している生徒達の実力は、3年まで残っているとはいえ高くはない。やがて新人教師の変身が終わり、そこにはオーガの上半身を持ち、下半身が蛇で、背中にコウモリの羽を生やした魔物がいた。
「へぇ。合成獣じゃん。珍しい」
悲鳴が響く中、アルトワールはやる気なさげに呟く。そんな彼女に魔物が襲いかかる。だがそれと同時にアルトワールが右手を上げて、パチンと指を鳴らした。次の瞬間、床が変形し、幾本もの太い杭となって魔物に突き刺さる。地面に固定された魔物を一瞥すると、彼女はもう一度パチンと指を鳴らした。すると空中に風の槍が計7本構築され、射出される。それらは魔物に次々と刺さり、その内の3本が魔核を砕き、その命を容易く刈り取った。
「こんなもんか」
チラリと興味なさそうに一瞥すると、広げていた本をパタンと閉じて、立ち上がる。
「……まあ、あいつが行ってると思うけど、一応見に行かないと寝覚が悪しね」
言い訳するかの様に、ポリポリと頭を掻きながらアルトワールは教室を出て、おしゃべりな友人のクラスに向かって駆け出した。そんな彼女を見て、教室に残っていた生徒達が呆然としていた。
「あれがいつもやる気のないアニックなのか?」
「そう言えばあの子って一年生の時、武闘祭でいいとこまで行ってたよね」
「魔物を瞬殺ってマジかよ」
「……アルトワール様、かっこいい」
皆興奮して、逃げる事も忘れてアルトワールの事を話し続けた。
「こいつは……」
「ええ、恐らくそうでしょうね」
「何なんだ、この不気味な気配は?」
感じたことのある気配にアレキウスとウィリアムが頷き合う一方で、セリカは混乱する。
「底が見えない……いったい何なんだあれは!」
思わずセリカは叫ぶ。それほどまでに凄まじい気配だった。かつて彼女の前でイースが一瞬だけ垣間見せた事のある彼の本気を容易く凌駕している。そんな化け物が現れたという事だけは分かった。
「……以前会った時とは段違いの力の波動だが、あれは多分『法魔』だ」
アレキウスの言葉にウィリアムがコクリと頷く。その顔からは普段の軽薄そうな笑みが消え、恐怖が見え隠れしている。
「ええ、この胸糞悪い気配は間違い無いっすね」
ふとウィリアムは先日の戦いを思い出そうとして、記憶に違和感を抱く。誰が倒したかは覚えているのに、どのように倒したかは覚えていないのだ。それについて聞こうとアレキウスの方を見て、口を開きかけた所で一斉に街の方から悲鳴が聞こえてきた。そのすぐ後に、サリカ達の元に騎士がよろよろと歩いてくるのが見えた。見ると頭から血を流し、片腕はなく、もう片方の残った手には半ばで折れた剣を持っている。慌ててサリカとアレキウス、ウィリアムが駆け寄る。
「何があったんだ?」
サリカは質問しながら男を治療しようとする。だが見た目以上にダメージが大きい。恐らく内臓が破裂していた。男はドサッと倒れかけるが、アレキウスが彼を支えてそっと地面に寝かせた。
「ま、魔物が……魔物が至る所に」
その言葉に呼応するかの様に爆炎が響き渡る。それも1箇所だけではなく、何箇所もだ。
「誰も気づかなかったってぇのか!」
アレキウスが思わず怒鳴る。しかし既に事実として、街中に魔物が溢れかえっている。
「アレクさん、今そんなこと言ってても仕方ないでしょ。それより、どうするか考えないと」
ウィリアムの言葉にアレキウスは頷く。『法魔』を討ちに行くか、魔物達を掃討するか。被害の拡大を防ぐには魔物を討つべきだが、その間に『法魔』が街に来ればどうしようもなくなる。簡単に魔物を倒せるなら何も問題ないかもしれないが、このタイミングで現れた魔物だ。確実に普通のモノではない。黒幕特製の兵隊だろう。
「ウィリアム、お前はサリカと共に魔物を。俺は『法魔』の方に行く」
「……死ぬかもしれませんよ?」
かなり離れた場所からでも感じる気配はどう考えても先日戦った『法魔』とは禍々しさにおいても、強さにおいても別物だった。あの『法魔』にすら歯が立たなかったのだから、負けるのは必定だ。それでも誰かが様子を確認しなければならない。そしてそれは単なる騎士には出来ない仕事だった。
「心配すんな。悪運だけは昔から強いんだよ」
「……分かりました。信じます」
常に軽薄な友人はここぞという時に頭が回り、頼りになる。アレキウスはそれをよく知っていた。だからこそ、ただ強いだけの自分よりも生き残るべきが誰なのかを理解していた。
「街を頼んだぞ」
ウィリアムとセリカにそう告げると、アレキウスは一人、走り出した。
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「何、何なの!?」
マルシェは混乱していた。つい先程まで普通に授業を受けていた。しかし突然悲鳴が校舎の外から聞こえてきたと思ったら、窓を突き破って人が飛んできたのだ。そのままその人は壁に激突し、真っ赤な花を咲かせた。
続いて、凄まじい吠え声と共に化け物が部屋に飛び込んできた。それは成人男性ぐらいの大きさで、禍々しい一本のツノを生やした犬の様な頭に6本の別々の獣の脚を持ち、さらに強引に付けたように身体中のそこかしこから鋭い針が飛び出した、まるで歪なハリネズミのような容姿をしていた。
「あ……」
突然の事態に驚き硬直していた窓際の男子生徒の一人が頭から胸まで一瞬で喰い千切られた。次いで近くにいた女生徒は突然伸びた悪魔の様な針に体を串刺しにされた。
「げっげっげっげっ!」
薄気味悪い声を喉の奥から鳴らしながらそれが嗤う。漸く生徒達に広まっていた金縛りが解けて、皆が悲鳴をあげて教室から逃げ出そうとする。
「げっげっげっげっ!」
そんな生徒達の様を嗤いながら、それは瞬く間に次々と生徒達を殺して回る。マルシェは腰が抜けてその場に座り込んでしまい、動けなくなった。気がつけば既にその教室の中に、自分以外の生徒の気配は無くなっていた。
恐る恐る顔を動かして辺りを見る。化け物は少し離れた所で夢中になって、たった今殺したばかりの彼女の友人を美味そうに喰べていた。
「あ……あ……」
頭の中で必死に『逃げないと』という声が響く。それなのに体が動いてくれなかった。危険度で言えば『龍魔』が現れた時の方が高いはずだった。しかし今彼女の傍には安心させてくれる彼がいなかった。
「逃げ……ないと」
なけなしの勇気を振り絞って、その場から逃げるために腕で体を引きずろうとして、その手が床に広がっていた血で滑り、血の海の中に倒れ込んでしまった。その瞬間、化け物は顔を上げて、マルシェを見た。口を友達の血で真っ赤に汚しながら、人間の様にそれは嗤う。一瞬6本の足に力を込めたと思うと、化け物はマルシェに向かって凄まじい速さで飛びかかった。
「ル、ルース!」
思わずマルシェは大切な人の名を叫ぶ。来るはずがないと思っていた。自分の好きな男はとにかく空気を読まないのだ。マルシェがピンチであることなど気づいていないだろう。だが突然黒い影が差し込んだと思った瞬間、化け物が吹き飛んだ。
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「朝から体調悪そうだったけど、まさか目の前で変身するとはね」
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彼女はのんびりとその変化を観察する。彼女のクラスメイト達はドアの前で押し合い圧し合いしながら教室から逃げようとしていた。彼女のクラスはEクラスであり、当然ながらそこに所属している生徒達の実力は、3年まで残っているとはいえ高くはない。やがて新人教師の変身が終わり、そこにはオーガの上半身を持ち、下半身が蛇で、背中にコウモリの羽を生やした魔物がいた。
「へぇ。合成獣じゃん。珍しい」
悲鳴が響く中、アルトワールはやる気なさげに呟く。そんな彼女に魔物が襲いかかる。だがそれと同時にアルトワールが右手を上げて、パチンと指を鳴らした。次の瞬間、床が変形し、幾本もの太い杭となって魔物に突き刺さる。地面に固定された魔物を一瞥すると、彼女はもう一度パチンと指を鳴らした。すると空中に風の槍が計7本構築され、射出される。それらは魔物に次々と刺さり、その内の3本が魔核を砕き、その命を容易く刈り取った。
「こんなもんか」
チラリと興味なさそうに一瞥すると、広げていた本をパタンと閉じて、立ち上がる。
「……まあ、あいつが行ってると思うけど、一応見に行かないと寝覚が悪しね」
言い訳するかの様に、ポリポリと頭を掻きながらアルトワールは教室を出て、おしゃべりな友人のクラスに向かって駆け出した。そんな彼女を見て、教室に残っていた生徒達が呆然としていた。
「あれがいつもやる気のないアニックなのか?」
「そう言えばあの子って一年生の時、武闘祭でいいとこまで行ってたよね」
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