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第8章:王国決戦編
一縷の望み
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頬を伝う涙を見て、ジンは目を見張る。
【む? 何だこれは】
レトはそっと自分の頬を伝う涙を拭う。わずかに濡れた自分の手を不思議そうに見る。だがジンの反応は違った。微かなその印が意味するのは。
「シオン。まだ、そこにいるのか……」
ジンの心に活力が戻る。彼女の心がまだ法魔の中に残っているならば、救う手段がある。そうジンは信じていた。
「それなら、俺はお前を必ず助けてみせる!」
~~~~~~~~~~
真っ白な空間で、ラグナが目の前にいるというお馴染みの光景が広がっていた。
『やあ、ジン君。久しぶりだね。元気にしていたかい?』
いつものように軽い口調で話しかけてくるので腹が立つ。今はこいつと話している時間はない。それよりも早くシオンの所に……
『随分と焦っているみたいだけど、少し落ち着いて話そうよ』
「今そんなことしている暇はねえ!」
思わず声が大きくなる。こいつはいつもそうだ。こっちの気なんか知らずに突然現れる。
『本当に良いのかい? 君が今最も欲している情報を教えてあげようと思ったんだけどな』
その言葉に、俺は思わずラグナの顔を凝視する。
「どういうことだ?」
俺の関心が引けたからか、ラグナはニコリと笑う。いつも見る表情なのに、俺はなぜか怖くなった。いや、不気味に思った。俺が焦っている状況を楽しんでいるように思えたからだ。
『君、今大切な人を救いたいと思っているだろう?』
心の中を覗かれている事を理解する。さらに、俺の状況も知っているようだ。
「ああ。だから、何か知っているなら早く教えろ」
『教えてもらう身なのにその態度はいただけないけど、まあ、僕は優しい神様だからね。迷える僕の使徒に教えてあげよう』
もったいぶった言い方をするラグナにイラつく。ラグナはそんな俺を見てひどく楽しそうだった。それがいっそう俺の神経を逆撫でる。
『簡単な事さ。彼女の意識を表層に浮かべてあげればいい』
そんな事、俺だって分かっている。姉ちゃんと戦った時、最後の最後で姉ちゃんは元に戻ったからだ。
「だから、それをどうすれば良いか聞いているんだ!」
俺は声を荒げる。
『確実な方法ではないんだけどね。運の要素が強いから。完全にレトの中の彼女が眠りについたなら、この方法は使えない。だけどまだ微睡の中にいるのなら、きっと救う事ができるはずさ』
「……俺は何をすればいい?」
『彼女の生への執着を刺激すれば良いんだ。今、彼女がレトに支配されている理由は彼女が強い絶望を感じ、生き続ける事を拒否しているからだ。だけど、それを反転させる事ができれば、彼女は強い意志でもってレトの精神を封じる事ができるだろう』
「……」
『レヴィを思い出してごらん。彼は龍魔と共生していたよね。あの状態を作れば良いんだ。そのためには強い自我が必要だ。未練と言えば良いかな。それを彼女に強く認識させてあげるんだ』
「そのために、俺はどうすべきなんだ?」
『おいおい、分かっているだろう? 御伽噺にもあるように、お姫様が目を覚ます手段なんて、古くからたった一つしかないって事をさ』
「それは……」
ラグナはまたニコリと笑った。ゾッとするような綺麗な顔で。
『王子様が濃厚なキスを一発ぶちかませば良いのさ』
~~~~~~~~~~
ジンは先程ラグナから聞いた言葉を思い出す。シオンの頬を伝う涙は、まだ彼女を救える可能性を示していた。彼女の心が残っていなければ、涙は出ないはずだ。
「行くぞ、シオン!」
彼女をシオンと呼ぶ。それは彼に出来る意思表示だった。自分がシオンの事をレトと呼べば、それだけで彼女の心を閉ざすきっかけになってしまうだろうと考えたのだ。
【だから、あやつはもう我の心の中で眠っている。起きる事のない永遠の眠りについたのだ】
「俺は信じない。シオン、お前はそんな柔な女じゃない。そんな事、俺が一番知っている!」
ジンはもう一度腕を治そうとする。今度は成功した。
「行くぞ!」
【良いだろう。遊んでやる】
レトはイースを放置してジンに向き合った。ジンは一対の短剣を空中に作り出す。それを握りレトに向かって走る。
【ふざけているのか? 今更ただの突進が通じるわけないだろう】
レトがつまらなそうに術の乗った言葉を発しようとする。しかしジンはそれを読んでいた。言葉を発し切る前に届かない距離を短剣を投げる事で埋める。
1秒にも満たない速度で短剣はレトに接近する。レトは発しようとしていた言葉を止めて回避を選択する。だが回避先にも先手を打ってジンは無神術を発動していた。レトを束縛するための帯が彼女の体を絡め取ろうと伸びてくる。ジンには彼女を殺す意志はない。ただ少しだけ相手の隙を生むためにのみ術を使う。
【『解』】
しかし、ジンが彼女に辿り着く前に、レトは言葉を発し終える。すぐさま術は発動し、彼女を縛っていた帯は力なく地面に落ちた。
「ちっ」
ジンは舌打ちしつつも次の一手を考えるために高速で頭を巡らせる。
『チャンスは一瞬だ』
心の中でそんな事を考える。それは簡単なようでいて、果てしなく不可能に近かった。それほどまでに二人の実力には壁がある。相手が全力を出せば、死を覚悟して全ての力を解放したとしても、届きすらしない。今こうして僅かばかりでもジンの攻撃が通用しているのは、レトがこの戦いを遊びとして捉えているからだった。
「はあああ!」
ジンは裂帛の気合とともにレトに斬りかかる。この攻撃はあくまでもフェイントであり、これに意識を割いた瞬間に次手を放つ予定だった。
【『止』】
だが体が麻痺したかのように、その場で硬直する。それも地面を蹴ったタイミングだったので若干宙に浮いている状態だ。瞬き一つ出来ない。呼吸をしようにも肺が止まる。心臓は脈動する事を拒否する。血液は循環をやめ、思考することすら出来ない。それなのに生きている。否、生きているという事実だけを残して、あらゆる事象が完全に停止しているのだ。
【本当に弱いな。この程度の術でさえ躱すことも抜け出すことも出来ぬとは。此度はフィリア様も随分と脆弱な存在を選んだものだ。いや、選んだのはラグナ様か】
ボソリと呟いたレトの言葉はジンには届かない。仮に届いても、その意味を理解するための機能が停止しているため通じる事はない。
【さてと、もう一人いるのだろう? いつまで見ているつもりだ?】
草陰に隠れているハンゾーに目を向ける。ハンゾーは覚悟を決めて歩き出す。本来ならばジンに続いて出るはずだったが、彼からいざという時のために待機するよう命令されたのだ。ジンが殺されそうになったら自らの身を差し出す覚悟だったが、彼の強い要望から自分の思いを押し殺し、指示に従っていたのだ。
【お前は……確かハンゾーと言ったか】
記憶を脳髄から引き出すかのように、右手の人差し指をこめかみに当てながら答える。
【なんだ、お前一人か? いつも連れ立っている小僧と小娘はどうした?】
その質問に、ハンゾーは答えずに剣を構える。敵わない事は理解している。しかし、それが主を放って逃げる理由にはならない。仕えるべき女性を一度失った彼にとって、その彼女が残した一粒種を見捨てる選択肢などなかった。そしてもう一人も。記憶の中にあるシオンとよく似た彼女を思い出す。一番手のかかった、そして一番可愛がった娘を。
「我が名はハンゾー・レンリ。我が主と孫娘を返してもらうぞ」
シオンの母親であるツクヨの結婚する前の苗字はレンリといった。レンリ一族は古くからアカツキ家に仕える家臣であり、ツクヨはハンゾーの5人いる子供の内の末の娘だった。アカリとともに彼女が姿を消して以来、彼は彼女を勘当した。そのため、例えシオンがツクヨの娘だと分かった後でも、決して彼女を自分の孫と認める事はしなかった。
しかし、事ここに至れば別である。大切な肉親と尽くすべき主を前にしたのならば、もう覚悟は決まっていた。ハンゾーの体から紅い気が立ち上る。闘気の最終形『紅気』。修行を始め数十年、彼はこの気をまだ習得出来てはいない。習得とは命を担保に使う必要がない状態を意味するため、この力自体は使おうと思えばハンゾーも使える。だがその反動は凄まじく、全力で戦えば10分で彼の肉体は砂になるだろう。
それでも彼は今この場で不退転の覚悟を決めた。そうして彼は地面を蹴った。
【む? 何だこれは】
レトはそっと自分の頬を伝う涙を拭う。わずかに濡れた自分の手を不思議そうに見る。だがジンの反応は違った。微かなその印が意味するのは。
「シオン。まだ、そこにいるのか……」
ジンの心に活力が戻る。彼女の心がまだ法魔の中に残っているならば、救う手段がある。そうジンは信じていた。
「それなら、俺はお前を必ず助けてみせる!」
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『やあ、ジン君。久しぶりだね。元気にしていたかい?』
いつものように軽い口調で話しかけてくるので腹が立つ。今はこいつと話している時間はない。それよりも早くシオンの所に……
『随分と焦っているみたいだけど、少し落ち着いて話そうよ』
「今そんなことしている暇はねえ!」
思わず声が大きくなる。こいつはいつもそうだ。こっちの気なんか知らずに突然現れる。
『本当に良いのかい? 君が今最も欲している情報を教えてあげようと思ったんだけどな』
その言葉に、俺は思わずラグナの顔を凝視する。
「どういうことだ?」
俺の関心が引けたからか、ラグナはニコリと笑う。いつも見る表情なのに、俺はなぜか怖くなった。いや、不気味に思った。俺が焦っている状況を楽しんでいるように思えたからだ。
『君、今大切な人を救いたいと思っているだろう?』
心の中を覗かれている事を理解する。さらに、俺の状況も知っているようだ。
「ああ。だから、何か知っているなら早く教えろ」
『教えてもらう身なのにその態度はいただけないけど、まあ、僕は優しい神様だからね。迷える僕の使徒に教えてあげよう』
もったいぶった言い方をするラグナにイラつく。ラグナはそんな俺を見てひどく楽しそうだった。それがいっそう俺の神経を逆撫でる。
『簡単な事さ。彼女の意識を表層に浮かべてあげればいい』
そんな事、俺だって分かっている。姉ちゃんと戦った時、最後の最後で姉ちゃんは元に戻ったからだ。
「だから、それをどうすれば良いか聞いているんだ!」
俺は声を荒げる。
『確実な方法ではないんだけどね。運の要素が強いから。完全にレトの中の彼女が眠りについたなら、この方法は使えない。だけどまだ微睡の中にいるのなら、きっと救う事ができるはずさ』
「……俺は何をすればいい?」
『彼女の生への執着を刺激すれば良いんだ。今、彼女がレトに支配されている理由は彼女が強い絶望を感じ、生き続ける事を拒否しているからだ。だけど、それを反転させる事ができれば、彼女は強い意志でもってレトの精神を封じる事ができるだろう』
「……」
『レヴィを思い出してごらん。彼は龍魔と共生していたよね。あの状態を作れば良いんだ。そのためには強い自我が必要だ。未練と言えば良いかな。それを彼女に強く認識させてあげるんだ』
「そのために、俺はどうすべきなんだ?」
『おいおい、分かっているだろう? 御伽噺にもあるように、お姫様が目を覚ます手段なんて、古くからたった一つしかないって事をさ』
「それは……」
ラグナはまたニコリと笑った。ゾッとするような綺麗な顔で。
『王子様が濃厚なキスを一発ぶちかませば良いのさ』
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ジンは先程ラグナから聞いた言葉を思い出す。シオンの頬を伝う涙は、まだ彼女を救える可能性を示していた。彼女の心が残っていなければ、涙は出ないはずだ。
「行くぞ、シオン!」
彼女をシオンと呼ぶ。それは彼に出来る意思表示だった。自分がシオンの事をレトと呼べば、それだけで彼女の心を閉ざすきっかけになってしまうだろうと考えたのだ。
【だから、あやつはもう我の心の中で眠っている。起きる事のない永遠の眠りについたのだ】
「俺は信じない。シオン、お前はそんな柔な女じゃない。そんな事、俺が一番知っている!」
ジンはもう一度腕を治そうとする。今度は成功した。
「行くぞ!」
【良いだろう。遊んでやる】
レトはイースを放置してジンに向き合った。ジンは一対の短剣を空中に作り出す。それを握りレトに向かって走る。
【ふざけているのか? 今更ただの突進が通じるわけないだろう】
レトがつまらなそうに術の乗った言葉を発しようとする。しかしジンはそれを読んでいた。言葉を発し切る前に届かない距離を短剣を投げる事で埋める。
1秒にも満たない速度で短剣はレトに接近する。レトは発しようとしていた言葉を止めて回避を選択する。だが回避先にも先手を打ってジンは無神術を発動していた。レトを束縛するための帯が彼女の体を絡め取ろうと伸びてくる。ジンには彼女を殺す意志はない。ただ少しだけ相手の隙を生むためにのみ術を使う。
【『解』】
しかし、ジンが彼女に辿り着く前に、レトは言葉を発し終える。すぐさま術は発動し、彼女を縛っていた帯は力なく地面に落ちた。
「ちっ」
ジンは舌打ちしつつも次の一手を考えるために高速で頭を巡らせる。
『チャンスは一瞬だ』
心の中でそんな事を考える。それは簡単なようでいて、果てしなく不可能に近かった。それほどまでに二人の実力には壁がある。相手が全力を出せば、死を覚悟して全ての力を解放したとしても、届きすらしない。今こうして僅かばかりでもジンの攻撃が通用しているのは、レトがこの戦いを遊びとして捉えているからだった。
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ジンは裂帛の気合とともにレトに斬りかかる。この攻撃はあくまでもフェイントであり、これに意識を割いた瞬間に次手を放つ予定だった。
【『止』】
だが体が麻痺したかのように、その場で硬直する。それも地面を蹴ったタイミングだったので若干宙に浮いている状態だ。瞬き一つ出来ない。呼吸をしようにも肺が止まる。心臓は脈動する事を拒否する。血液は循環をやめ、思考することすら出来ない。それなのに生きている。否、生きているという事実だけを残して、あらゆる事象が完全に停止しているのだ。
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ボソリと呟いたレトの言葉はジンには届かない。仮に届いても、その意味を理解するための機能が停止しているため通じる事はない。
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【お前は……確かハンゾーと言ったか】
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【なんだ、お前一人か? いつも連れ立っている小僧と小娘はどうした?】
その質問に、ハンゾーは答えずに剣を構える。敵わない事は理解している。しかし、それが主を放って逃げる理由にはならない。仕えるべき女性を一度失った彼にとって、その彼女が残した一粒種を見捨てる選択肢などなかった。そしてもう一人も。記憶の中にあるシオンとよく似た彼女を思い出す。一番手のかかった、そして一番可愛がった娘を。
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シオンの母親であるツクヨの結婚する前の苗字はレンリといった。レンリ一族は古くからアカツキ家に仕える家臣であり、ツクヨはハンゾーの5人いる子供の内の末の娘だった。アカリとともに彼女が姿を消して以来、彼は彼女を勘当した。そのため、例えシオンがツクヨの娘だと分かった後でも、決して彼女を自分の孫と認める事はしなかった。
しかし、事ここに至れば別である。大切な肉親と尽くすべき主を前にしたのならば、もう覚悟は決まっていた。ハンゾーの体から紅い気が立ち上る。闘気の最終形『紅気』。修行を始め数十年、彼はこの気をまだ習得出来てはいない。習得とは命を担保に使う必要がない状態を意味するため、この力自体は使おうと思えばハンゾーも使える。だがその反動は凄まじく、全力で戦えば10分で彼の肉体は砂になるだろう。
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