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第8章:王国決戦編
紅気
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【『止』】
その音が耳に届く前に、法魔の視野から外れるためにその場を横に移動する。術はハンゾーには届かず未遂に終わった。
『やはりそうか。さっきの術の発動条件は三つ。あの手印と視界に入る事、そして呪言。それらを注意すれば危険ではない』
ハンゾーは紅い軌跡を残して走る。法魔は線を視認するが、ハンゾーの姿を捉える事はできない。
【ちっ、面倒だ】
法魔の体から凄まじい力が噴き出す。
【『ば……』】
しかし、ハンゾーはその先を喋らせない。経験上、法魔が放とうとしている術が超広範囲攻撃である事に勘づいていた。だからこそ、走りながら腰から苦無を抜くと、その喉に向けて放ったのだ。動きながらのその攻撃は、正確に法魔の喉に突き刺さる。法魔は痛みで顔を歪めた。一瞬できた隙を見逃さずにハンゾーは詰め寄る。
紅い光が自身に向かってくる事を、喉から苦無を抜きながら認識した法魔は咄嗟に右足のつま先で地面を叩く。即座に術が発動し、大地が変化して棘が自身の周囲を包む。単純な術であればすぐに発動する事ができるのだ。だがハンゾーは怯まない。そのまま棘に突っ込んだ。
通常であれば即死のはずだった。しかし今のハンゾーの肉体は『紅気』によって強化されている。即席の術など彼に掠っただけで術の方が壊れる。案の定、棘は脆く破壊された。
ハンゾーは手に持っていた剣を構え、法魔の右腕を切り飛ばした。片腕を失えばあの手印が出来なくなるからだ。それだけでも相手の力を半減できるはずだった。
腕が斬り飛ばされた事で、法魔の目に怒りが宿る。自分の横を駆け抜けていったハンゾーを追って振り返るも、すでにそこにハンゾーはいない。
「やはり、すぐに回復するか」
傷ついた喉が逆再生するかのように元に戻っていくのを確認し、ハンゾーは法魔の再生能力を把握する。孫娘を傷つけるのは心苦しいが、それが攻撃を止める理由にはならない。むしろ相手の回復力を考慮すれば、ある程度の無理は可能である。それを認識し、改めて紅気を充実させて大地を蹴り、さらに加速する。
【はっ!】
喉の修復を終えた法魔は一言発すると地面が割れる。土法術の『地割』だ。通常の人間ならば、発動した地点のせいぜい直径2、3メートルの範囲にヒビが入るだけだが、法魔のそれは深さだけでも10メートル以上あり、範囲に至っては優に直径50メートルはあるだろう。ハンゾーの足を止めるために地面を破壊したのだ。当然ジンもイースも巻き込まれる。だがジンは空間そのものに固定されているため、空中で止まり続けている。一方のイースは意識を失っているのか、そのまま裂けた地面に飲み込まれていった。
しかしそれでもハンゾーは止まらなかった。思考すらも置き去りにして、反射的に安定している最善の足場を見つけてそこを飛び進む。
法魔は驚愕しつつも左手を前に突き出し、自分の周囲を光で覆う。少しでも回復の時間を作るために光法術でも最上位の結界である『光界』を張ったのだ。この光は触れるだけで肌が光に焼かれ、剣も容易く溶ける程の高温である。ハンゾーもそれを一目で見抜き、立ち止まる。
ハンゾーの位置を確認した法魔は直ぐに地面に落ちていた右腕を拾い上げ、切断面どうしを合わせようとする。だが直後に怖気を感じ、ハンゾーを再び見る。彼は先程持っていた剣を腰に下げていた鞘にいれていた。警戒すべきはその剣の入った鞘に、彼の体を包んでいた紅気が全て集まっていることだ。
一瞬、不気味な紅光に包まれた鞘から真っ赤な刀身がきらりと光る。『裂紅斬』と呼ばれる、紅気を纏った居合による究極の斬撃だ。その瞬間、回避のために宙に飛んだ法魔の両足がずるりと滑った。否、法魔の上半身に向けて放たれた斬撃を、彼女は咄嗟に上に飛んで躱そうとしたのだ。そうしなければ腹が裂かれていただろう。
法魔自身もなぜそうしたか理解していなかった。攻撃を防ぐ手段などいくらでもあった。腹を切り裂かれた瞬間から回復させる事も出来た。攻撃を受けながらもハンゾーに出来た隙を突く事も出来た。それなのに真っ先に彼女が選択したのは腹の子を守るために攻撃が腹部にあたらないようにする事だった。
その愚かな選択にハンゾーはピクリと眉を動かす。だがすぐさま切り替えると彼女に向かってもう一度紅い斬撃を飛ばすために、鞘に剣を納めて紅気を込める。この技の不便な所は一撃に時間がかかる事だ。絶大な威力を持つ替わりに連射する事ができない。しかし今のように相手が守りに入ったなら別である。
『紅気』を纏った人間は一時的ではあるが、神に愛された勇者すらをも上回る力を得る。つまり『紅気』は人間に与えられた四魔を打倒するための数少ない手段である。完全に会得をしていないものの、今のハンゾーは体術と剣術のみで法魔をも追い詰める力がある。
限界まで高めた気を纏って引き抜かれたその一刀は音を超え、光を超えて、神の領域へと届く。あらゆるものを置き去りにした一撃は足を失った法魔には本来回避できないはずだった。しかし、僅かな溜めの時間は法魔に味方した。彼女は足よりも腕を優先して治していたのだ。
【『黒穴』!】
地面に倒れながらも手印を組み叫ぶ。直後空間が彼女の目の前で歪む。気づけばそこには真っ黒い穴が浮かんでいた。斬撃はそこに吸収され、あっという間に消え去った。ハンゾーは目を丸くさせるも、すぐさま切り替えて走り出す。その場で立ち止まればカモにされるだけだ。
再度距離を取り、地面を蹴る。直後足に強烈な痛みが走る。まるで引き千切られた様な痛みだ。さらに『裂紅斬』を放つ時に鞘を握っていた左手に違和感を感じ、走りながら目を向ける。左手にはそこかしこにヒビが入り、微かに崩れ始めていた。あと少しでヒビは左手を覆い尽くし、やがて砂へと変わるだろう。
『流石に裂紅斬を二発はやりすぎたか。まさかこれほどまでに消耗が激しいとはの……10分はいけるかと思ったが、正味あと5分もないか。だがここで引くわけにはいかんのだ!』
心の中で叫ぶと大地を強く蹴った。千切れたのではないかと思っていたが、足は確かにそこにあった。左手の亀裂がさらに深まる。
『まずはジン様にかかっている術を解除せねばなるまい。だがどうやって? 腕や足を切り落とした程度では効果はなかった。先程の術を発動した時、条件となったのは3つ。呪言が術を維持する鍵であるならばどうしようも無い。解呪の言葉を引き出すのは困難だろう。だがそれを除けば、次に狙うべきは……危険ではあるがそれしかないか』
視界があの全てを停止させる術の発動条件であることは想像に難くない。それにもしハンゾーの想像が正しければ、目を封じる事が出来れば他の術も抑える事ができる様になるかもしれない。大雑把な広域属性術は今のハンゾーにとって怖いものではない。問題は法魔が放つ、どの系統にも属さない術だ。それを防ぐ手立てを彼は有していないし、何が来るかも想像できない。
ただし目を潰すには相手の視界に入る必要があり、ハンゾーは一時的に無防備になる。相手の放つ術は『紅気』を纏うハンゾーの速度にも迫るため、直線的な動きで突っ込めば容易く術の餌食になるだろう。だがそれでもハンゾーは決断しなければならない。
何よりも大切だった主君の残した一粒種の為に。そしてこれ以上孫娘の肉体が、精神が悪意に弄ばれないように。覚悟を決めて、ハンゾーは一歩踏み出す。すでに左手は指先から半ばまで砂となって消えており、ヒビは肘へと達していた。それでもハンゾーは紅に染まり続ける。
「しっ!」
ジグサグに走り出したハンゾーを追って、法魔が次々に術を放つ。ハンゾーの背後を次から次へと術が飛び交っていく。
『あと10メートル!』
目測で距離を把握しながら少しずつ近寄る。法魔が嗤う。
『あと5メートル! 3、2、1!』
心の中でハンゾーは叫びながら法魔の目を斬り裂いた。瞬間、ハンゾーの背後でジンが動き始める。呼吸音がハンゾーの耳に届いた。それに安堵し、チラリと後ろに視線を向けた所で、法魔がハンゾーの顔を掴んだ。
~~~~~~~
固まっていた体が動き始める。視線の先には顔を掴まれたハンゾーがいた。
「ハンゾー!」
ハンゾーの口元が上がり、彼はニヤリと笑う。ジンは駆け出した。
【『死ね』】
その瞬間、ハンゾーの体が風の刃で切り裂かれた。
その音が耳に届く前に、法魔の視野から外れるためにその場を横に移動する。術はハンゾーには届かず未遂に終わった。
『やはりそうか。さっきの術の発動条件は三つ。あの手印と視界に入る事、そして呪言。それらを注意すれば危険ではない』
ハンゾーは紅い軌跡を残して走る。法魔は線を視認するが、ハンゾーの姿を捉える事はできない。
【ちっ、面倒だ】
法魔の体から凄まじい力が噴き出す。
【『ば……』】
しかし、ハンゾーはその先を喋らせない。経験上、法魔が放とうとしている術が超広範囲攻撃である事に勘づいていた。だからこそ、走りながら腰から苦無を抜くと、その喉に向けて放ったのだ。動きながらのその攻撃は、正確に法魔の喉に突き刺さる。法魔は痛みで顔を歪めた。一瞬できた隙を見逃さずにハンゾーは詰め寄る。
紅い光が自身に向かってくる事を、喉から苦無を抜きながら認識した法魔は咄嗟に右足のつま先で地面を叩く。即座に術が発動し、大地が変化して棘が自身の周囲を包む。単純な術であればすぐに発動する事ができるのだ。だがハンゾーは怯まない。そのまま棘に突っ込んだ。
通常であれば即死のはずだった。しかし今のハンゾーの肉体は『紅気』によって強化されている。即席の術など彼に掠っただけで術の方が壊れる。案の定、棘は脆く破壊された。
ハンゾーは手に持っていた剣を構え、法魔の右腕を切り飛ばした。片腕を失えばあの手印が出来なくなるからだ。それだけでも相手の力を半減できるはずだった。
腕が斬り飛ばされた事で、法魔の目に怒りが宿る。自分の横を駆け抜けていったハンゾーを追って振り返るも、すでにそこにハンゾーはいない。
「やはり、すぐに回復するか」
傷ついた喉が逆再生するかのように元に戻っていくのを確認し、ハンゾーは法魔の再生能力を把握する。孫娘を傷つけるのは心苦しいが、それが攻撃を止める理由にはならない。むしろ相手の回復力を考慮すれば、ある程度の無理は可能である。それを認識し、改めて紅気を充実させて大地を蹴り、さらに加速する。
【はっ!】
喉の修復を終えた法魔は一言発すると地面が割れる。土法術の『地割』だ。通常の人間ならば、発動した地点のせいぜい直径2、3メートルの範囲にヒビが入るだけだが、法魔のそれは深さだけでも10メートル以上あり、範囲に至っては優に直径50メートルはあるだろう。ハンゾーの足を止めるために地面を破壊したのだ。当然ジンもイースも巻き込まれる。だがジンは空間そのものに固定されているため、空中で止まり続けている。一方のイースは意識を失っているのか、そのまま裂けた地面に飲み込まれていった。
しかしそれでもハンゾーは止まらなかった。思考すらも置き去りにして、反射的に安定している最善の足場を見つけてそこを飛び進む。
法魔は驚愕しつつも左手を前に突き出し、自分の周囲を光で覆う。少しでも回復の時間を作るために光法術でも最上位の結界である『光界』を張ったのだ。この光は触れるだけで肌が光に焼かれ、剣も容易く溶ける程の高温である。ハンゾーもそれを一目で見抜き、立ち止まる。
ハンゾーの位置を確認した法魔は直ぐに地面に落ちていた右腕を拾い上げ、切断面どうしを合わせようとする。だが直後に怖気を感じ、ハンゾーを再び見る。彼は先程持っていた剣を腰に下げていた鞘にいれていた。警戒すべきはその剣の入った鞘に、彼の体を包んでいた紅気が全て集まっていることだ。
一瞬、不気味な紅光に包まれた鞘から真っ赤な刀身がきらりと光る。『裂紅斬』と呼ばれる、紅気を纏った居合による究極の斬撃だ。その瞬間、回避のために宙に飛んだ法魔の両足がずるりと滑った。否、法魔の上半身に向けて放たれた斬撃を、彼女は咄嗟に上に飛んで躱そうとしたのだ。そうしなければ腹が裂かれていただろう。
法魔自身もなぜそうしたか理解していなかった。攻撃を防ぐ手段などいくらでもあった。腹を切り裂かれた瞬間から回復させる事も出来た。攻撃を受けながらもハンゾーに出来た隙を突く事も出来た。それなのに真っ先に彼女が選択したのは腹の子を守るために攻撃が腹部にあたらないようにする事だった。
その愚かな選択にハンゾーはピクリと眉を動かす。だがすぐさま切り替えると彼女に向かってもう一度紅い斬撃を飛ばすために、鞘に剣を納めて紅気を込める。この技の不便な所は一撃に時間がかかる事だ。絶大な威力を持つ替わりに連射する事ができない。しかし今のように相手が守りに入ったなら別である。
『紅気』を纏った人間は一時的ではあるが、神に愛された勇者すらをも上回る力を得る。つまり『紅気』は人間に与えられた四魔を打倒するための数少ない手段である。完全に会得をしていないものの、今のハンゾーは体術と剣術のみで法魔をも追い詰める力がある。
限界まで高めた気を纏って引き抜かれたその一刀は音を超え、光を超えて、神の領域へと届く。あらゆるものを置き去りにした一撃は足を失った法魔には本来回避できないはずだった。しかし、僅かな溜めの時間は法魔に味方した。彼女は足よりも腕を優先して治していたのだ。
【『黒穴』!】
地面に倒れながらも手印を組み叫ぶ。直後空間が彼女の目の前で歪む。気づけばそこには真っ黒い穴が浮かんでいた。斬撃はそこに吸収され、あっという間に消え去った。ハンゾーは目を丸くさせるも、すぐさま切り替えて走り出す。その場で立ち止まればカモにされるだけだ。
再度距離を取り、地面を蹴る。直後足に強烈な痛みが走る。まるで引き千切られた様な痛みだ。さらに『裂紅斬』を放つ時に鞘を握っていた左手に違和感を感じ、走りながら目を向ける。左手にはそこかしこにヒビが入り、微かに崩れ始めていた。あと少しでヒビは左手を覆い尽くし、やがて砂へと変わるだろう。
『流石に裂紅斬を二発はやりすぎたか。まさかこれほどまでに消耗が激しいとはの……10分はいけるかと思ったが、正味あと5分もないか。だがここで引くわけにはいかんのだ!』
心の中で叫ぶと大地を強く蹴った。千切れたのではないかと思っていたが、足は確かにそこにあった。左手の亀裂がさらに深まる。
『まずはジン様にかかっている術を解除せねばなるまい。だがどうやって? 腕や足を切り落とした程度では効果はなかった。先程の術を発動した時、条件となったのは3つ。呪言が術を維持する鍵であるならばどうしようも無い。解呪の言葉を引き出すのは困難だろう。だがそれを除けば、次に狙うべきは……危険ではあるがそれしかないか』
視界があの全てを停止させる術の発動条件であることは想像に難くない。それにもしハンゾーの想像が正しければ、目を封じる事が出来れば他の術も抑える事ができる様になるかもしれない。大雑把な広域属性術は今のハンゾーにとって怖いものではない。問題は法魔が放つ、どの系統にも属さない術だ。それを防ぐ手立てを彼は有していないし、何が来るかも想像できない。
ただし目を潰すには相手の視界に入る必要があり、ハンゾーは一時的に無防備になる。相手の放つ術は『紅気』を纏うハンゾーの速度にも迫るため、直線的な動きで突っ込めば容易く術の餌食になるだろう。だがそれでもハンゾーは決断しなければならない。
何よりも大切だった主君の残した一粒種の為に。そしてこれ以上孫娘の肉体が、精神が悪意に弄ばれないように。覚悟を決めて、ハンゾーは一歩踏み出す。すでに左手は指先から半ばまで砂となって消えており、ヒビは肘へと達していた。それでもハンゾーは紅に染まり続ける。
「しっ!」
ジグサグに走り出したハンゾーを追って、法魔が次々に術を放つ。ハンゾーの背後を次から次へと術が飛び交っていく。
『あと10メートル!』
目測で距離を把握しながら少しずつ近寄る。法魔が嗤う。
『あと5メートル! 3、2、1!』
心の中でハンゾーは叫びながら法魔の目を斬り裂いた。瞬間、ハンゾーの背後でジンが動き始める。呼吸音がハンゾーの耳に届いた。それに安堵し、チラリと後ろに視線を向けた所で、法魔がハンゾーの顔を掴んだ。
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固まっていた体が動き始める。視線の先には顔を掴まれたハンゾーがいた。
「ハンゾー!」
ハンゾーの口元が上がり、彼はニヤリと笑う。ジンは駆け出した。
【『死ね』】
その瞬間、ハンゾーの体が風の刃で切り裂かれた。
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