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散歩をするには危険です~エルside~
しおりを挟むエルは困惑していた。
そこは行けども行けども森だった。
神であるエルも地上に降りれば力は半減する。
それでも通常に比べれば神と言われるレベルではあるので支障はない。
何故エルが森を歩いているのかと言えば、チハルの為でありハルの為だ。
ただ問題は、先程から襲い掛かってくる生物が多い事だ。
どうやらこの森はレベルの高い生物の巣窟のようだった。
「ハルのご家族はそくこんな環境下で生活しようとしましたね。何が事情があったんしょうか?」
独り言をいいながら進んでいくが、村すら見えてこない。
そろそろチハルが起きだす頃でもある為引き返すことにした。
「おや、こんな所に......こんにちは」
『......っ! 神様?!』
木と同化してまどろんでいたドライアドがエルの問いかけに驚くと周辺の木々が騒めいた。
「居眠りの所悪いね。ちょっと聞きたいんだけどいいかい?」
『はい、どうされましたか?』
「この周辺に村か、人が居るところってあるのかい?」
『んー、先月までは小さい小屋で人間が暮らしてましたけど数日前に生きてる感じはなくなりました。人が減った?でも、今は小さい反応はありますねぇ』
(成程、それは多分ハルの家族をさし、今はチハルの事をいっているのだろう)
『私が言うのもなんですが、この森は上級生物の住処ですので、ほとんど人はいないですねぇ』
「そうかありがとう。そうだご近所ってことでご挨拶しておくよ」
『へ? 神様がご近所さん?』
「その、小さな小屋に子供と住まわせてもらっているんだ」
『え、ええええぇぇ?!(これは、仲間に伝令しておかなければ!) 』
「じゃぁ、そういうことでまた顔を見せく、「おまちください......」
がっしりとエルの腕に枝が絡みつきドライアドは頭を下げる。
『神様、改めましてこの森の管理をしておりますモドゥと申します。事情があって人の子と暮らすのは分かりましたが今から面会してもよろしいですか?』
「おや?構わないよ。少し、食べ物を分けてくれるとありがたい」
『畏まりました』
森の中でドライアドと遭遇するのも珍しいが、エルは極稀にこうして地上を散歩する変わり者の為素人の知り合いがいる。
エルの中ではドライアドの区別はつかないので固有名を聞いたところで判断はむずかしいだろう。
先に小屋へ戻ると気配がする。
「チハルただいま」
「......っ! エル!」
余程心細かったのか直ぐにエルに飛び込んできた。
「エル、あのね、ハルに会ったよ」
「え? ハルに?」
「夢にね出てきて、ハルと約束してさよならしたの」
チハルを抱きかかえて椅子に座らせコップに水を出すとこくこくと飲む。
細い手足に細い指。ぼさぼさになった髪。
体力がつくにはもう少しかかりそうだ。
本来ならすぐにでもみけ太を探しに行きたいだろうに自分の体の状態が分かっている聡い子だ。
切ない気持ちになりながらチハルの話を聞いていると扉が遠慮がちにノックされる。
ドライアドが訪ねてきたようだった。
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