ヘレティック・ストーリー

さぼり魔

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「起きて、シン」
「おはよう、すぐ行くから先行っといて」
 声の主が離れていったのを確認すると、僕は再び眠りにつこうとしたが、、
「起きないと、魔法を打ち込むよ」
 という物騒な僕を起こす声がすぐそばで聞こえた。
 目を開けると目の前には天使と見紛うような少女がいた。
 白銀の髪は肩までのびていて、こちらを見下ろしてくる瞳の色は藍色だ。細身の体には、剣を携えている。
 それよりも気になるのが、手のひらと手のひらの間に流れている電流だ。
「おはよう、カルナ。起きたから魔法をしまってください。お願いします。いや、マジで」
 僕が起きたことを確認すると、やっと魔法が消えた。
「シン、アイシャがご飯だって」
 アイシャは、僕とカルナの世話をしてくれている。彼女はもともと凄腕の騎士だったらしい。
 僕は、8年前魔獣の森で気を失っているところを彼女に助けられた。記憶がなくなっていて、帰る場所がなかったから彼女が家まで、連れ帰ってくれた。あれから、僕の家族を探してくれているけど、手掛かりがないらしい。
 カルナは、5年前アイシャが母親を魔族に殺されて、孤児となっているところ助けだした。それ以来、3人で暮らしている。

                        

「おはよう、シン。珍しいね、寝坊するなんて」
「変な夢を見たんだ」
 家では、料理は僕とアイシャが交代でしてる。理由はカルナが以前、料理をした時、僕とアイシャは1日中腹を壊した。それ以来、カルナはキッチンに出入り禁止となった。
 僕もある程度ご飯を作れるが、アイシャは別格だ。そこらの店とは比べ物にならないぐらいうまい。
「二人とも昨日、騎士学校卒業したから明日から試験だよね。今日も特訓?」
 この国では、14歳で騎士学校を卒業して、試験を受ける。試験の結果でこの国に7つ存在する騎士団に入団できるか決まる。騎士団に入団できる人数は、毎年とても少なく1人も出ない年があるくらいだ。
「うん。この後、シンと行ってくる」
「そう言うと思って弁当作っといたから頑張りなよ」
「うん!」



「いってきまーす。」「いってくるね。」
「いってらっしゃい。」
 アイシャに見送られながら、僕たちはいつも訓練している丘に向かっていると、
「そういえば、シンって、どうしてそこまでして騎士になりたいの?」
と、カルナが振り返りながら聞いてきた。
「あれ?言ってなかったっけ。」
「私の理由は言ったことあるけど、シンのは聞いたことない。」
「僕は、自分が何者なのか知りたいんだ。アイシャに拾われる前、どこで何をしていたか。そしてどうしてこうなったのかを、知りたい。騎士に入るのは、多分厳しいけど騎士には入れればそれを見つけることができるような気がするんだ。」
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