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パーティーが全滅して俺も殺されると思ったら、なぜかVIP待遇でもてなされてるんだが?
第4話「過去話-メルトーネの場合」
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初めて外で遊んだ時、髪の色が紫だからという理由で同じ年頃の子供達から仲間外れにされた。
それからしばらくして、父が魔族だと知られ、毎日近所の人から怖い目で睨まれるようになった。
それでもまだ私は平気だった。御飯が少なくて、遊び相手もいなかったけど、父と母が居てくれたから我慢できた。
けどそんな私にとって大切な父と母がはやり病にかかった。薬を買おうにも町全体で薬が不足していて、残っているモノは金貨を積まないと買えないような値段でとても手に入らなかった。
そして最初の一週間で母が、二週間目には父も冷たくなって二度と私に笑ってはくれなくなってしまった。
それからの日々は本当に辛かった。父と母がいなくなって借家だった家を追い出され、毎日ご飯を得るために荷物運びを一日中頑張ってもパン数切れを貰えればマシな方だった。
路地の壊れた木箱の中でボロ布にくるまっていつかこんな苦しい日々が終わる時は来るのだろうか? とぼんやりと思いながらなんかと生きているような状態だった。
そんなある日、いつも私をいじめてくる3人組の男の子達が泥をぶつけてきた。しばらく我慢していれば飽きてどこかに行くだろうと考えていたら、突然男の子達は何かに驚いてそのまま逃げていった。
こんなことは初めてだった。逃げていった男の子達の姿が見えなくなると、路地道の曲がり角から街の人とは少し違う恰好をしたお兄さんが出てきた。
その人は私の顔が見える様にしゃがむと、やさしい声で「大丈夫か? ケガはないか?」と聞いてくれた。
これは夢? それとも現実? わからない、どっちなのか、……ただ、今まで私の事を半魔と知った人は皆怖い顔になる事を思い出してその時は反射的に怖くなり、つい身を引いてしまった。
それからそのお兄さんは私を不思議な力できれいにしてくれた。父と母以外でこんな優しい人は初めてだった。この人ともっと居たい。半魔と知られて嫌われてもいい、それまでの短い間だけでも一緒に居たい、もう一人は嫌。だからこそ、私はあの時あの人の服を引っ張ってこう言えた。「私に魔法を教えてください」と。
それからの日々はまるで別物だった。師匠は私が知らないことをたくさんたくさん教えてくれた。魔法の事、冒険者の事、武器の使い方、お金の稼ぎ方、洗濯や料理に算術まで一つ一つ丁寧に教えてくれた。
冒険者になって私が初めて討伐依頼を達成した日には「祝いだ」と言ってボアステーキをごちそうしてくれた。
少し前までの辛かった日々が嘘の様に幸せな日々に変わった。
けれど一月が過ぎ、半年が過ぎ、一年が過ぎた頃、私の幸せな日々は一度終わりを告げることになった。
「勇者と旅に出る」
そう言って師匠は街を出た。
確かにもう私一人でも冒険者の依頼はこなせるし、魔法を使うことも生活していくことも出来るようにはなった、けれど師匠と離れ離れなるなどもう絶対に嫌になっていた。
しかし、ただ追いかけたのでは見つかった時追い返されてしまう。
師匠が帰ってくることに望みをかけて待ち続けるのも耐えられそうにない。
どうすれば師匠とずっと一緒に居られるだろう?
それから私は考えた。考えて考えて考えて考えて考えて考えてちょっとお昼寝して、また考えて考えて考えて考えて考えて考え抜いて、1つの答えにたどり着いた。
「そうだ、目的地で待ってれば良いんだ」
師匠の目的は魔法の探究とそのために同行する勇者パーティの魔王討伐に協力する事。
なら目的地である魔王城で待ってれば師匠の方から来てくれる!
危険だから置いていかれたのなら魔王城で待てるくらい私が強くなればいい!
そう考えた私はその日のうちに支度をして街を飛び出していた。
魔王城に向かう道中、そこそこいろんな事があった。
強くなるために襲ってくる魔物を倒したり、
食べられそうなヤツの肉を食べてみたり、
魔物の肉を食べれば食べるほど魔力が高まったり、
通りかかった森で死にかけてる魔族を助けてみたり、
助けた魔族から死んだ父に貰った木彫りのお守りだと思ってた物が実は魔族の貴族の証だと教えてもらったり、
助けた魔族が「正統な血筋の復活だ!」と勝手に盛り上がって宴を開いたり、
助けた魔族がいつの間にか配下を集めて「お供します」と付いてきたり、
上級魔族だ!とか嘘言って絡んでくる雑魚を片手であしらえるようになったり、
行く先々で私の名前を聞いた魔族がビビるようになったり、
魔王軍の刺客とか言うのが襲ってきたから倒したり、
魔王軍の部隊長とか言うのが数匹の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
魔王軍の軍団長とか言うのが数百匹の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
魔王軍の4将軍とか言うのが数え切れない数の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
魔王軍の総大将とかいうのが空と大地を埋め尽くす程の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
なんやかんやあって魔王城に着くころには街を出た日から数えて三年くらい経っていた。
強くなるのに手間取って時間が掛かっちゃったけど、もしかしたら師匠達はもう来ちゃってるかなぁ?
そう思いつつ、魔王城の周りで師匠を探そうかと思ったら、助けた魔族がなんか周りに新魔王が誕生したとかでかい声で宣言していた。
へ~魔王って新しい人になったんだ。前の魔王だった人はどうしたんだろう?
あれ? なんでそこで新魔王に私の名前が出てくるの?
あれ? ちょっと待って……、
あれ~~~???
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
それから私は師匠と再会するまでのおよそ6年の間に、前魔王の死後も襲ってくる前魔王派閥を助けた魔族…もといかつて父の仲間だったゲールさんや部下の方たちと一緒に打倒して、旧魔王軍が支配していた領域を完全に新魔王となった私の支配下にするまでに至った。
それからしばらくして、父が魔族だと知られ、毎日近所の人から怖い目で睨まれるようになった。
それでもまだ私は平気だった。御飯が少なくて、遊び相手もいなかったけど、父と母が居てくれたから我慢できた。
けどそんな私にとって大切な父と母がはやり病にかかった。薬を買おうにも町全体で薬が不足していて、残っているモノは金貨を積まないと買えないような値段でとても手に入らなかった。
そして最初の一週間で母が、二週間目には父も冷たくなって二度と私に笑ってはくれなくなってしまった。
それからの日々は本当に辛かった。父と母がいなくなって借家だった家を追い出され、毎日ご飯を得るために荷物運びを一日中頑張ってもパン数切れを貰えればマシな方だった。
路地の壊れた木箱の中でボロ布にくるまっていつかこんな苦しい日々が終わる時は来るのだろうか? とぼんやりと思いながらなんかと生きているような状態だった。
そんなある日、いつも私をいじめてくる3人組の男の子達が泥をぶつけてきた。しばらく我慢していれば飽きてどこかに行くだろうと考えていたら、突然男の子達は何かに驚いてそのまま逃げていった。
こんなことは初めてだった。逃げていった男の子達の姿が見えなくなると、路地道の曲がり角から街の人とは少し違う恰好をしたお兄さんが出てきた。
その人は私の顔が見える様にしゃがむと、やさしい声で「大丈夫か? ケガはないか?」と聞いてくれた。
これは夢? それとも現実? わからない、どっちなのか、……ただ、今まで私の事を半魔と知った人は皆怖い顔になる事を思い出してその時は反射的に怖くなり、つい身を引いてしまった。
それからそのお兄さんは私を不思議な力できれいにしてくれた。父と母以外でこんな優しい人は初めてだった。この人ともっと居たい。半魔と知られて嫌われてもいい、それまでの短い間だけでも一緒に居たい、もう一人は嫌。だからこそ、私はあの時あの人の服を引っ張ってこう言えた。「私に魔法を教えてください」と。
それからの日々はまるで別物だった。師匠は私が知らないことをたくさんたくさん教えてくれた。魔法の事、冒険者の事、武器の使い方、お金の稼ぎ方、洗濯や料理に算術まで一つ一つ丁寧に教えてくれた。
冒険者になって私が初めて討伐依頼を達成した日には「祝いだ」と言ってボアステーキをごちそうしてくれた。
少し前までの辛かった日々が嘘の様に幸せな日々に変わった。
けれど一月が過ぎ、半年が過ぎ、一年が過ぎた頃、私の幸せな日々は一度終わりを告げることになった。
「勇者と旅に出る」
そう言って師匠は街を出た。
確かにもう私一人でも冒険者の依頼はこなせるし、魔法を使うことも生活していくことも出来るようにはなった、けれど師匠と離れ離れなるなどもう絶対に嫌になっていた。
しかし、ただ追いかけたのでは見つかった時追い返されてしまう。
師匠が帰ってくることに望みをかけて待ち続けるのも耐えられそうにない。
どうすれば師匠とずっと一緒に居られるだろう?
それから私は考えた。考えて考えて考えて考えて考えて考えてちょっとお昼寝して、また考えて考えて考えて考えて考えて考え抜いて、1つの答えにたどり着いた。
「そうだ、目的地で待ってれば良いんだ」
師匠の目的は魔法の探究とそのために同行する勇者パーティの魔王討伐に協力する事。
なら目的地である魔王城で待ってれば師匠の方から来てくれる!
危険だから置いていかれたのなら魔王城で待てるくらい私が強くなればいい!
そう考えた私はその日のうちに支度をして街を飛び出していた。
魔王城に向かう道中、そこそこいろんな事があった。
強くなるために襲ってくる魔物を倒したり、
食べられそうなヤツの肉を食べてみたり、
魔物の肉を食べれば食べるほど魔力が高まったり、
通りかかった森で死にかけてる魔族を助けてみたり、
助けた魔族から死んだ父に貰った木彫りのお守りだと思ってた物が実は魔族の貴族の証だと教えてもらったり、
助けた魔族が「正統な血筋の復活だ!」と勝手に盛り上がって宴を開いたり、
助けた魔族がいつの間にか配下を集めて「お供します」と付いてきたり、
上級魔族だ!とか嘘言って絡んでくる雑魚を片手であしらえるようになったり、
行く先々で私の名前を聞いた魔族がビビるようになったり、
魔王軍の刺客とか言うのが襲ってきたから倒したり、
魔王軍の部隊長とか言うのが数匹の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
魔王軍の軍団長とか言うのが数百匹の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
魔王軍の4将軍とか言うのが数え切れない数の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
魔王軍の総大将とかいうのが空と大地を埋め尽くす程の魔物と共に襲ってきたから倒したり、
なんやかんやあって魔王城に着くころには街を出た日から数えて三年くらい経っていた。
強くなるのに手間取って時間が掛かっちゃったけど、もしかしたら師匠達はもう来ちゃってるかなぁ?
そう思いつつ、魔王城の周りで師匠を探そうかと思ったら、助けた魔族がなんか周りに新魔王が誕生したとかでかい声で宣言していた。
へ~魔王って新しい人になったんだ。前の魔王だった人はどうしたんだろう?
あれ? なんでそこで新魔王に私の名前が出てくるの?
あれ? ちょっと待って……、
あれ~~~???
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それから私は師匠と再会するまでのおよそ6年の間に、前魔王の死後も襲ってくる前魔王派閥を助けた魔族…もといかつて父の仲間だったゲールさんや部下の方たちと一緒に打倒して、旧魔王軍が支配していた領域を完全に新魔王となった私の支配下にするまでに至った。
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