MAGIC JOKER

卯月春吉

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025:協力2

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   校長はオールズを賭けたうえ、アトラがいたⅠ年Ⅲ組の教室へと案内された。



  「ここです、今昼休み中なのであまり人が集まっていないのですが、教員が1人放送で呼びかけているので」


   
“ピン・ポン・パン・ポーン”

《Ⅰ年Ⅲ組の生徒達に連絡致します
   ただ いま、元生徒であるアトラ・オルキス君の事で弁護士の方達がいらっしゃっております
    その生徒達は直ちに教室へお戻りください》



“ピン・ポン・パン・ポーン”


   
   「懐かしいですね・・・この放送も・・・」
   「ここの生徒さんでしたか?」
   「はい、教室はここじゃなかったのですが」
   「そうでしたか・・・では教室へ」



    教室は昔ながらで相変わらずの立派な木造建築だった。
   生徒達は自分たちの時とは違って意外と元気な教室であるが、オールズはその生徒たちに声をかけた。



  「アトラ・オルキスっていう子を知っているかな?」
  「あのすみませんが、何方でしょうか?」
  「私は魔法弁護士のオールズ・カルシュファーというものだ、冤罪になっている少年をなんとか学校へ行かせてあげたいんだ!
   そのためには君たちの証言が必要となってくる、私の我儘で申し訳ないが、力を貸して欲しい!」



    頭を下げる弁護士達を馬鹿にするかのように机を足を乗せて偉そうな態度である。
    黒の長髪で、おでこを見せるようにピンを無数に止めた髪型。
   服装はだらしが無い不良少年が言った。


  「アトラ・オルキスだ?
    あんなの過去の人間だろ、関係ない事を振られてもさぁ俺達は興味無いからさ
    大体アンタ等弁護士なんて金を取ってナンボなんだろ?
    アンタ等が協力して欲しいって言うなら金を出して俺はいつでも協力してやるよ」
  「アンタ、いつから王様になんてなったのかしら?」
 


   1人の髪を巻いた銀髪ロングヘアの美少女が後ろのドアから開けてやって来た。
   


  「・・・・・・ッチルアナか!」
  「相変わらず、お金の事ばっかり言うお坊っちゃん癖が治らないのね~」
  「黙れブス、お前なんか呼んでねぇよ!」
  「そういう事言って、どうせパパに出そうっていう魂胆なんでしょ?
    なんて可哀想な子かしら?」

   

   エネドラは炎の魔法を使う魔法使い見習い。
   その武器をルアナの方へと攻撃を仕掛けようと走りながら向かう。


    
    「うるせえ優等生が調子こくんじゃねぇ!!」



   エネドラの意味の無い怒りをぶつけようとする瞬間ルアナの必殺技が炸裂する──────



   「アクアスクリュードライヴ!!」



──────水がまるでハイドロポンプのようにエルドラの体力を半減した。



  「ぬはぁ・・・」
  「2度と私に喧嘩を売りつけないと約束して!」
  「はい・・・」



    不良少年エネドラは倒れ込み気絶するとルアナという少女はオールズの所へと来て頭を深く下げた。



   「ごっ・・・ごめんなさい!
     あの馬鹿、余計な事をいう性格が悪い奴で私に何度も喧嘩を売ってくる男子だったんです・・・」
  「そうだったのか・・・
   ありがとう、お陰で君が来てくれたから私も安心した」
   「本当ですか?」
   「ああ」
  「私の名前はルアナ・サヘルアと申しますわ」
  「私はオールズ・カルシュファー、よろしく」



──────“こんな綺麗な目線で見られたら・・・私の目が真っ直ぐに向けられませんわ・・・”──────



  ルアナ・サヘルア12歳
  水の魔法使い見習い、彼女の家族は水の魔法使いで使い手になるためにこの学校へ入学した白のオーバーニーソックスの黒を履いた少女、アトラとは友達である。
   


   握手をするとルアナは照れながらオールズのキラっとしたはにかんだ笑顔をチラッと見た。



   「良いなぁルアナ」
   「美人だからね」
   「だからモテるのか・・・」



   羨ましそうに少女たちはその現場を見つめる。

   そして全員が集まり、アトラの事について話した。
 


   「私達はアトラ・オルキス君の探偵依頼でこの学校へと来た
   君たちのアトラ君の無罪だと言う事を証言する人が欲しい、そのためには君たちの確かな声が必要となる
   私達はアトラ君が無罪だと信じている」


   
   生徒達はざわざわと話しながら動揺をしているが、ルアナは席から立ち上がった。



   「アトラはそんな犯罪をするような奴じゃないと思っているの!
    私は入学してから2日目にアイツの事を知っているから分かるし、それに・・・恩があるから・・・」  
  「ルアナ、アイツは警備員に火傷を負わせたんだぞ?
    それに魔法司書を盗んだ、悪巧みを考えるのは人間誰しもあるはずだろ?
     あんな奴、そう簡単に信じる事なんて出来ない・・・」
  


   アトラを信じない黒髪の短髪の気難しい少年が腕組をしながら言った。
   もう1人の少年が立ち上がって抗議した。



  「アトラはそんな奴じゃないって事を俺は知っている!
    アイツは純粋で馬鹿な所もあるが、馬鹿みたいに明るい奴がそんな犯罪をするなど不可能だ!
    幼い時から・・・アイツの事を知っているから・・・」    



   少年は口篭るとオールズは質問した。



  「アトラ少年とは一体何処で会ったんだ?」
  「昔、俺が8歳の時、街の5人組の奴らからいじめられていた────



    アイツらは俺が風の魔法が使うのが、不器用だと知ってイジメに来たんだ
    『魔法の使えない魔法使いなんてこの世界にいちゃ駄目なんだ』
    俺は何も言えずにアイツらから蹴られて笑れてなんだか情けなく思った、馬鹿にされて当然だと・・・
   
    アトラがそのイジメを見て情けない俺の分かりに奴等を怒って、喧嘩をしてくれた
    暴力は悪い事だと思いながら俺はアイツの優しさに憧れて友達になった



  ──── いつかはアトラとライバルになって一緒に戦ったり、笑いあいたいって思ったけど、アイツが魔法界に追放だと知った時はショックを受けた・・・」
  「少年、君の名は?」
  「Ⅰ年Ⅲ組のイルヴィソン・エルターナと言います!」
  「イルヴィソン少年か・・・
    アトラ少年がそんな優しい過去を持っていたなんて素敵な事だ!
   ありがとう、きっとあの少年も喜ぶぞ」
  「はい!」



    イルヴィソン・エルターナ12歳

    風の魔法使い見習いで、魔法学園のⅠ年Ⅲ組。
    緑に近い白みがかった金髪でくせっ毛であるが、瞳が丸いのが特徴の頑張り屋の少年である。


  「イル、どうして話さなかったのその事?」
  「お前には話さないよ、男と男の仲の昔話なんだから・・・」
  「やあね、アンタ達って・・・」
  「嫌で結構だよ・・・」



  ルアナは昔話や興味がある事なら男女構わず気になる性格。
  しかし、少年たちにとってはあまり事情の事は広げて話したくないのだが彼女はその事を隠し通すのが嫌いのため、面倒臭い一面がある。


  
   「まあまあ2人共、取り敢えずもし少年の事で話したい事があれば、ここへ連絡するといい」



   秘書とオールズの2人が名刺を配りながら生徒達に渡して行く。
  


   「アトラ少年を救うために君たちがいる事を忘れないで欲しい、では今度裁判の日が決まり次第連絡する
   失礼した」



   オールズと秘書は教室を出た。
   少年少女達の声を握るのはオールズであるが、その声を証言するのはほんのひと握りだ。
  


  「オールズさん、どうでしたか?彼等の様子は?」
  「いやぁ、いい生徒でした」
  「良かったです」



   校長は一安心し、オールズが子供たちの対応でとても嬉しく感じた。
   生徒たちの思いが一つになれるかはまだ分からない。
   





                                         ────続
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