1 / 1
序章
プロローグ
しおりを挟む
「ゴホッ!・・佐奈、陸翔。いいか、よく聞け。」
ボロボロのコンクリートの壁にもたれ、体中から血を流し、吐血した、そんな状態の兄さんが私達に手を差し出す。私と陸翔がその手を掴む
「今からお前達を過去の、まだ変異が始まる前に送り戻す。」
「お、お兄ちゃんは?」「兄さんは?」
私は今に泣きそうなのを必死にこらえて右手に握っている兄手を強く握る
「心配するな、魔力が回、復したら、俺もそっち、に直ぐに、行くから。だから、な?」
今にも消えそうな兄さんの声が途切れ途切れになり始める
「やだ、お兄ちゃんと一緒がいい!一緒じゃないとやだ!」
私と同じくらい兄さんが大好きな弟は真っ赤に腫れた目に涙を鼻水を垂らしながら叫ぶ。声を殺しながら
「私も・・・・・兄さんと一緒がいい」
私はもう少し理性的だと思っていたけどまだまだ子供だったようだ。子供でもいい、兄さんと一緒に居たいから
「ゴホッ、ゲホッ!うっ。頼むよ、兄からの最後の、願いであり、頼みだから・・・な?」
段々弱くなる兄さんの声が私達の不安を一層に掻き立てる
「も、時間が、な・・・い」
泣きじゃくる私達を兄は最後まで私達の兄で居てくれた
「いい、か。これから、お前達に、過去、戻って、過去の俺達に生きる術を、教えるんだ
どんなに弱音を吐く度に兄さんは励ましてくれた
「最重要、は俺たち家族だ、敵になった奴は過去の俺に殺させろ
こんなことになるなら、もっと、ずっと素直になってれば良かった
『求めるは時空移動、対価は俺の命。頼むぜ、精霊』
カッコいい兄さんが呟くように呪文を唱える
「まって兄さん、私、まだ兄さんと別れたくない!」
兄さんに反応がない。隣でも弟が同じように叫んでいた
『ああ、無事に送り届けてやる』
どこからか現れた真っ白な光球が光を増して、私達を問答無用で包み込む
最後に兄さんは”この紙に書かれていることを過去の俺に言えばどんなことでも信じるから“とメモ帳を渡してくれた
妹と弟を送り出した後、横に倒れた
だが、その表情は苦しいとは対照的で安らかな顔だった
「本当はお前も一緒に着いて行ってほしかったんだがな」
『私の宿主は主だけだぞ。どこにも行けんし、お前となら一緒に最後を迎えてもいいと思う』
「はは、そうか。・・・・ありがとな、今・・・・・・まで」
『本当に人間はどうしようもない・・・・・なんて思ってたのに。悲しいなぁ・・・想い人を亡くすのはこんなに辛いのか。・・主様」
「な・・・だ?」
徐々に衰弱し始めた俺の身体は今までの苦労を労うように楽だった
『私は主様と出会えて、本当に良かった』
人型になった精霊はフワリと仰向けの俺の胸に抱き着いてくる
「ぁぁ、俺・・そう・・思うよ
最後の力を振り絞ってジークを抱きしめる
妹と弟。あとは任せた
心拍音聴こえなくなったと同時に複数の足音が近づいて来る
見れば、こんな世界になって恐らく人間よりも数が多い種族《ゴブリン》
見れば、ゴブリンの顔は醜く笑っている
見れば、淫欲に染まっている者もいる
その向け先は人化したジークに注がれる
だがジークはそんな視線を気にせず、大きな声で言い放った
「それ以上近づいてみろ!貴様らを一瞬に灰に変えてやる!」
それは、ある人が見れば、最後の抵抗に見える。実際そうだし、何か秘策があるわけでもない
だが、最愛の彼にゴブリンが触れることが堪らなかった
ジークの体が燃える
「消えろ」
その声に続いて廃ビルが全焼し炭も残らなかった。だた一人、淡い炎を小さく身にまとった倒れている男性を除いて
ボロボロのコンクリートの壁にもたれ、体中から血を流し、吐血した、そんな状態の兄さんが私達に手を差し出す。私と陸翔がその手を掴む
「今からお前達を過去の、まだ変異が始まる前に送り戻す。」
「お、お兄ちゃんは?」「兄さんは?」
私は今に泣きそうなのを必死にこらえて右手に握っている兄手を強く握る
「心配するな、魔力が回、復したら、俺もそっち、に直ぐに、行くから。だから、な?」
今にも消えそうな兄さんの声が途切れ途切れになり始める
「やだ、お兄ちゃんと一緒がいい!一緒じゃないとやだ!」
私と同じくらい兄さんが大好きな弟は真っ赤に腫れた目に涙を鼻水を垂らしながら叫ぶ。声を殺しながら
「私も・・・・・兄さんと一緒がいい」
私はもう少し理性的だと思っていたけどまだまだ子供だったようだ。子供でもいい、兄さんと一緒に居たいから
「ゴホッ、ゲホッ!うっ。頼むよ、兄からの最後の、願いであり、頼みだから・・・な?」
段々弱くなる兄さんの声が私達の不安を一層に掻き立てる
「も、時間が、な・・・い」
泣きじゃくる私達を兄は最後まで私達の兄で居てくれた
「いい、か。これから、お前達に、過去、戻って、過去の俺達に生きる術を、教えるんだ
どんなに弱音を吐く度に兄さんは励ましてくれた
「最重要、は俺たち家族だ、敵になった奴は過去の俺に殺させろ
こんなことになるなら、もっと、ずっと素直になってれば良かった
『求めるは時空移動、対価は俺の命。頼むぜ、精霊』
カッコいい兄さんが呟くように呪文を唱える
「まって兄さん、私、まだ兄さんと別れたくない!」
兄さんに反応がない。隣でも弟が同じように叫んでいた
『ああ、無事に送り届けてやる』
どこからか現れた真っ白な光球が光を増して、私達を問答無用で包み込む
最後に兄さんは”この紙に書かれていることを過去の俺に言えばどんなことでも信じるから“とメモ帳を渡してくれた
妹と弟を送り出した後、横に倒れた
だが、その表情は苦しいとは対照的で安らかな顔だった
「本当はお前も一緒に着いて行ってほしかったんだがな」
『私の宿主は主だけだぞ。どこにも行けんし、お前となら一緒に最後を迎えてもいいと思う』
「はは、そうか。・・・・ありがとな、今・・・・・・まで」
『本当に人間はどうしようもない・・・・・なんて思ってたのに。悲しいなぁ・・・想い人を亡くすのはこんなに辛いのか。・・主様」
「な・・・だ?」
徐々に衰弱し始めた俺の身体は今までの苦労を労うように楽だった
『私は主様と出会えて、本当に良かった』
人型になった精霊はフワリと仰向けの俺の胸に抱き着いてくる
「ぁぁ、俺・・そう・・思うよ
最後の力を振り絞ってジークを抱きしめる
妹と弟。あとは任せた
心拍音聴こえなくなったと同時に複数の足音が近づいて来る
見れば、こんな世界になって恐らく人間よりも数が多い種族《ゴブリン》
見れば、ゴブリンの顔は醜く笑っている
見れば、淫欲に染まっている者もいる
その向け先は人化したジークに注がれる
だがジークはそんな視線を気にせず、大きな声で言い放った
「それ以上近づいてみろ!貴様らを一瞬に灰に変えてやる!」
それは、ある人が見れば、最後の抵抗に見える。実際そうだし、何か秘策があるわけでもない
だが、最愛の彼にゴブリンが触れることが堪らなかった
ジークの体が燃える
「消えろ」
その声に続いて廃ビルが全焼し炭も残らなかった。だた一人、淡い炎を小さく身にまとった倒れている男性を除いて
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる