お前らの相手は俺じゃない!

くろさき

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~Event story~

バレンタインは大騒動②(イグナシオ)


   ーーー屋敷(資料室)ーーー

「はぁ……酷い目に会った……」

目が覚めた俺は、薫にチョコの作り直しを命じてから…自分の作ったチョコをイグナシオに渡すために資料室へ来ていた。

「…せめて食べ物を入れてくれれば良いけど……」
「……何のお話しですか??レオンハルト様」

考え事をしながら本棚を進んでいると、不意に背後から声をかけられて驚いてしまう。

「ぅお!?……って…なんだイグナシオか…丁度良かった」
「………何かご用でしょうか…?」
「はい、コレ…」

俺はキョトンとしたイグナシオへチョコを渡すと、何時も有り難うとひと言声をかけた。

「………チョコ…?私にですか…??」
「他に誰がいるんだよ、何時も世話になってるからな…ほら、今日はバレンタインデーだろ」
「……なるほど…それで朝からチョコレートを渡そうとしてくる方がいらしたのですね……」
「!…貰ってたのか!?ぁ…でもそうだよな…お前イケメンだしな…」

主として誇らしい反面…何だか寂しく思えてしまう…

「…貰ってません…私はレオンハルト様の執事ですから、お気持ちだけは受け取りましたが…チョコを貰ったのはレオンハルト様だけですよ…」
「…貰わなかったのか??……勿体ない…」
「良いんです…貴方からの1があれば…他は要りません、有り難う御座います…」

そう笑顔で微笑むと、目の前に跪き…恥ずかしがる素振りも無く俺の手の甲へキスをした…

「…なっ!……にを…」

イケメンだからこその仕草…直視が出来ない……

「……レオンハルト様…顔が赤いですよ…?熱でも出ておられるのですか??…」
「え!ぁ…違っ!!」
「耳側まで赤い…本当に大丈夫ですか…?」

イグナシオが手袋を外して、俺の首筋をフワリと撫でた…赤面しているからそう感じるのかは分からないが…イグナシオの手のひらは少しヒンヤリとしていて気持ちが良い……

「も……平気だから…撫でなくて良い…っ」
「………レオンハルト様…」

間近で見るとイケメン過ぎてヤバい…

「…っ……近い……って…」
「……動かないで下さい…」

ぅわ…さっきよりも顔が近い……

「………」パサッ…

イグナシオはそのまま俺の髪へ手を伸ばすと、何かを払い落とした。

「はい…取れましたよ」
「……ぇ?」
「髪に木の葉が乗っていたので、払わせて頂きました」
「…あ……多分、午前中に外出てたからそれでだな…」
「…それでは、私は仕事が有りますので…ご用があればお呼び下さい」
「あぁ、有り難うな」

あ~…めっちゃ緊張した……イケメンに詰め寄られると心臓に悪いな…
そんな事を考えながらイグナシオの横を通り過ぎようとする…

「……レオンハルト様…」
「…?どうかしたか??」

すれ違い様に呼ばれて後ろを振り向く…




    ーーーチュッ…ーーー




「……っ!!!」
「…やんちゃも程ほどに…それから………隙だらけですよ…?」

嬉しそうに…からかうように…イグナシオが笑う……

「……なっ…!!?…~っ!!…」

頭がようやく身体に追い付くと、言葉にならないことを呟きながら口元を押さえた。

「それでは…私はこれで…」

何時もと同じ様子で俺の横を通り資料室から出て行ったイグナシオを見送ると、ギリギリの精神で立っていた身体が本棚を伝ってズル…ッと崩れ落ちる…

「……し………心臓止まるかと思った…」


全くもって……甘さがチョコレートの非じゃないぞ…イグナシオ…

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