167 / 218
第3章
167.アミュートのこだわり。
しおりを挟む
そして漸くアミュートの人型の話へ話題が変わった。
『やっと僕の話だね!』
「そうだね、よかったね!……」
『ユキ?』
「ん?」
『どうしたの?』
「……疲れてきただけだよ。大丈夫」
『また今度にするか?』
「え、いや、大丈夫だよ!」
あんなに嬉しそうにしていたのに、俺のせいでしょんもりさせる訳にはいかない。
「アミュートの人型、ケインが考えたんでしょ?」
『あぁ、昨日にな、人型になれるようになったがどうしたら良いかと聞かれたのじゃ』
「え、昨日?!」
『うん、昨日のうちにね達成してたんだけど、人型になるには練習がいるからね。だからお昼になっちゃった…本当は朝起きた時に人型で驚かせようと思ったのに……』
「いや、寝起きに驚かせるって言う点は達成されてるからいいんじゃない?」
『それもそうだね!』
一日で達成してるのも、人型になるのを一日で成功させているのも、どっちも凄いけどそれを喜ぶんじゃなくて驚かせれたことに喜んでいるアミュートが可愛い。
「ちょっともっかい人型になってみてよ」
『いいよ~…どう?!どうどう!』
「う、うん、落ち着いてアミュート。なに、その姿になったらもれなくそのテンションなの?」
『あ、ごめんね、褒めて欲しくてつい……』
人型のくせに垂れ下がった耳としっぽが見える…。
『儂にも見えるぞ。じゃが耳としっぽはついておらん。』
「だよね」
『ん?耳としっぽが欲しいの?いいよ~付いてるのも創造主様がつくってくれたから!』
ぽんっと現れた耳としっぽはいつも見ているものと触り心地も含め同じように思う。
『……3時間撫でさせられた結果じゃ。同じはずじゃよ』
「え?」
『ちなみに髪の毛も獣時の頭頂部とおなじ毛質のはずじゃ。』
『ユキは僕の頭の毛が1番好きみたいだったからね!お願いしたの!!』
『……初めの出来では満足してくれんでな……ものすごく撫でさせられて、満足するまで作り直されたのじゃ……これじゃユキが触ってくれない!とか言っておった……』
「………お疲れ様、ケイン。」
『ありがとうと言ってくれ……報われん…お主も満足じゃろ?』
「…そうだね、ありがとうケイン!そしてほんとにお疲れ様」
アミュートの人型を作る話になると急に疲れた顔をして、手を見つめながら話すケインは、相当苦労したのだろう。
『創造主様!本当にありがとうございました!!』
『…よい、よいのじゃ。お主らが喜んでくれるなら手の感覚を犠牲にしただけはあるっ!』
手の感覚を犠牲に……多分撫ですぎてしばらく変になったんだろう。わかる。俺もやったことある。本に夢中になって一日アミュートを放置していた時に1日撫でてとお願いされ1日撫でた時は、本当に手の感覚がバグった。触ってないのに触ってる感覚があったし、なんかもう、色々手が変になった。
『分かってくれるか?!』
「うん。あれは嫌だよね……」
『……創造主様、ごめんなさい。』
『よい。気にするな。もうよそう、この話は…』
『やっと僕の話だね!』
「そうだね、よかったね!……」
『ユキ?』
「ん?」
『どうしたの?』
「……疲れてきただけだよ。大丈夫」
『また今度にするか?』
「え、いや、大丈夫だよ!」
あんなに嬉しそうにしていたのに、俺のせいでしょんもりさせる訳にはいかない。
「アミュートの人型、ケインが考えたんでしょ?」
『あぁ、昨日にな、人型になれるようになったがどうしたら良いかと聞かれたのじゃ』
「え、昨日?!」
『うん、昨日のうちにね達成してたんだけど、人型になるには練習がいるからね。だからお昼になっちゃった…本当は朝起きた時に人型で驚かせようと思ったのに……』
「いや、寝起きに驚かせるって言う点は達成されてるからいいんじゃない?」
『それもそうだね!』
一日で達成してるのも、人型になるのを一日で成功させているのも、どっちも凄いけどそれを喜ぶんじゃなくて驚かせれたことに喜んでいるアミュートが可愛い。
「ちょっともっかい人型になってみてよ」
『いいよ~…どう?!どうどう!』
「う、うん、落ち着いてアミュート。なに、その姿になったらもれなくそのテンションなの?」
『あ、ごめんね、褒めて欲しくてつい……』
人型のくせに垂れ下がった耳としっぽが見える…。
『儂にも見えるぞ。じゃが耳としっぽはついておらん。』
「だよね」
『ん?耳としっぽが欲しいの?いいよ~付いてるのも創造主様がつくってくれたから!』
ぽんっと現れた耳としっぽはいつも見ているものと触り心地も含め同じように思う。
『……3時間撫でさせられた結果じゃ。同じはずじゃよ』
「え?」
『ちなみに髪の毛も獣時の頭頂部とおなじ毛質のはずじゃ。』
『ユキは僕の頭の毛が1番好きみたいだったからね!お願いしたの!!』
『……初めの出来では満足してくれんでな……ものすごく撫でさせられて、満足するまで作り直されたのじゃ……これじゃユキが触ってくれない!とか言っておった……』
「………お疲れ様、ケイン。」
『ありがとうと言ってくれ……報われん…お主も満足じゃろ?』
「…そうだね、ありがとうケイン!そしてほんとにお疲れ様」
アミュートの人型を作る話になると急に疲れた顔をして、手を見つめながら話すケインは、相当苦労したのだろう。
『創造主様!本当にありがとうございました!!』
『…よい、よいのじゃ。お主らが喜んでくれるなら手の感覚を犠牲にしただけはあるっ!』
手の感覚を犠牲に……多分撫ですぎてしばらく変になったんだろう。わかる。俺もやったことある。本に夢中になって一日アミュートを放置していた時に1日撫でてとお願いされ1日撫でた時は、本当に手の感覚がバグった。触ってないのに触ってる感覚があったし、なんかもう、色々手が変になった。
『分かってくれるか?!』
「うん。あれは嫌だよね……」
『……創造主様、ごめんなさい。』
『よい。気にするな。もうよそう、この話は…』
61
あなたにおすすめの小説
ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める
亀野内アンディ
ファンタジー
「佐藤さんはお亡くなりになりました」
「え?」
佐藤竜、独身リーマン。ビルの倒壊で享年(40)案内役に連れられ天へと向かうが⋯⋯⋯⋯
「佐藤竜はさぁ、色んな世界でも特に人気の高い地球の日本に産まれて一体何を成し遂げたの?」
「え?」
「五体満足な体。戦いの無い安全な環境で育ち、衣食住は常に満たされて、それで何をしたの?」
俺は恵まれた環境であまりにもショボい人生を送っていたらしい。このままでは⋯⋯⋯⋯
「はぁ。どうしようかな。消すかな」
「な、何をですか?!」
「君を」
「怖いです!許して下さい!」
「そう?消えれば無に還れるよ?」
「お、お願いします!無は嫌です!」
「う~ん。じゃあ君は佐藤と真逆の人生を歩ませようかな?そこで人生経験ポイントを佐藤の分まで貯めなよ?佐藤とこれから転生する君の二人分の体験だよ?失敗したら今度こそは無にするからね」
「はい、死ぬ気で頑張ります!!」
ここから真逆の人生で経験ポイント貯める佐藤の戦いが始まる?!
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!
ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。
一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて?
主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍?
「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」
『わふっ』
もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!
モブっと異世界転生
月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。
ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。
目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。
サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。
死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?!
しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ!
*誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる