恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第2章 擦れ違いは突然に。聖奈の気持ち、月華の想い

すれ違う二人、嘘と誤解の始まり

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翌日の昼過ぎ、月詠はひとりで恭弥の家を訪ねていた。

「おい、恭弥、部活行くぞ。」

インターホンを押しながら、月詠は軽く声を張った。
応対に出てきたのは、恭弥の母・奏だった。

「あら、月詠くん一人なの? 月華ちゃんは?」

そう尋ねられ、月詠は少し気まずそうに答えた。
「こんにちは、おばさん。月華は……なんか用事があるって言ってたから。俺だけ先に来たんです。」

奏は納得したように頷き、「ちょっと待っててね」と家の中へ入っていった。

「恭弥ー、早くしなさい。月詠くんが来てるわよー!」

やがて、どこかぼんやりとした様子の恭弥が姿を見せた。

「おっす、月詠。……あれ? 月華は?」

首を傾げる恭弥に、月詠が口を開こうとしたその時——

「ちょっと、月詠! 置いていくことないじゃない!」

玄関先に月華の声が響いた。
彼女は頬を膨らませて玄関へと小走りにやってきた。

「あら、月華ちゃん。こんにちは。用事って……。」

奏が不思議そうに訊くと、月華は目をぱちくりさせた。

「え? 用事? 私が? ありませんけど……って、月詠! 嘘ついたな! なんでそんなことするのよ!」

怒りながら月詠を睨みつけた月華は、すぐに奏に頭を下げた。

「おばさん、ごめんなさい。……もう、ほんとムカつく! 恭弥、行こ。月詠なんて置いていこうよ。」

そのまま恭弥の腕を取って家を出ていく月華。

「ふふ、喧嘩しちゃったのかしら。仲直りするといいね。」

奏の言葉に、月詠は苦笑いを浮かべながら一礼し、二人の後を追った。

通学路を歩きながら、月華は恭弥にぐいっと腕を絡めた。

「おい、月華、いきなり腕組むなって。月詠がまた怒るだろ。」

恭弥が少し困ったように言うが、月華は意地を張ったようにますますぴったりと寄り添ってくる。後ろから歩いていた月詠は、そんな二人の様子に無言で視線を向ける。

『……なんだよ、あいつら。わざとかよ……。』

恭弥が小声で月華に注意する。

「なあ、ちょっと近すぎるって。おまえ、暑くないの?」

月華は、わざとらしく聞き返した。

「え? なにが近すぎるって?」

恭弥が顔を赤らめながらボソッと答える。

「……月華の髪とか、香りとか。なんか距離近いと、ドキッとするって話。」

それを聞いて、月華はわざとらしく笑い声を上げた。

「そっか、じゃあ、ちょっとだけ距離とってあげる。」

けれど、月詠の目には、からかっているようにしか見えなかった。
我慢できなくなった月詠は、二人を追い越すようにして走り出した。

「……先行ってる!」

一言だけ投げて、月詠は姿を遠ざけていった。

「ちょ、待てよ! 怒ったぞ、あれ!」

恭弥は振り返りながら言うが、月華は気にも留めずつぶやいた。

「放っておけばいいのよ。あいつ、自分勝手なんだから。それより、まだ少し時間あるから、あそこ寄ってかない?」

月華はコンビニを指さした。

「おまえなぁ。月詠となんかあっただろう?わざと距離置こうとしてないか?」

恭弥は月華に言い寄るが、月華はとぼけるようにコンビニに入っていく。
コンビニでアイスとお茶を買って、イートインで時間を潰した。
月華は、自分の話をするでもなく、恭弥の部活のことや勉強のことを聞いていた。
ふと時間を見ると、すでに予定より二十分も遅れていた。

「やばっ、こんなに時間経ってる! 急がなきゃ、恭弥!」

「お、おう!」

二人は慌てて立ち上がり、校門に向かって全力で走った。

「はぁ、はぁ……あと五分遅れてたら、本当に遅刻だったな……。」

「ほんとだよ、恭弥がアイス選ぶのに時間かけすぎなんだもん。」

そんな言い合いをしながら、二人はようやく部室の扉を開けたのだった。
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