恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
118 / 448
第8章 特訓終了、でも帰ったら修羅場が待っていた

バディ強化週間、限界は通過点!

しおりを挟む
訓練三日目。午前中は体幹強化のため、重力下で咲をおんぶしながら、バーチャル空間に現れた障害物を避けつつ、トラックを二十周走るというメニューが組まれていた。

「咲、重いよ。これ、なんとかできないか。」

恭弥が、ゼーゼーと息を切らしながら咲に訴える。

「恭弥、失礼しちゃうわ。私、体重はクラスでも軽い方なのよ。」

咲はぷんと怒りながら、恭弥のほっぺを指でつまんだ。

「痛い、痛いって、咲。咲の体重のことじゃないんだ。今日の重力設定、何倍にしてるの?重すぎるよ。」

恭弥はほっぺを痛そうにしながらも、咲をおんぶしているため手で触ることもできない。

「あっ、ごめんごめん。そっちね。私は自分の体重のことを言われたかと思っちゃったわ。そうね、今日はざっと二十倍かしら。初日のレベル2のちょうど二倍ね。」

咲は淡々と答える。

「この一週間でレベル8、つまり四十倍まで耐えないと、『ゾリアック』に下半身が耐えられないの。あれは十二の奥義を同時に撃ち込まないと完成しないのだから。今、恭弥が同時に撃てるのはせいぜい三つ。私でもまだ六つしか撃てないもの。」

その言葉に、恭弥は渋い顔をしながらも、なんとか四周目を終えた。

「そうか、今の咲の体重は……八百八十キロか。道理で重いわけだ。もう車並みじゃん。そりゃ重いはずだよ、咲。」

「やっぱり、私の体重のこと言ってたんじゃない。」

咲はむすっとしながら、恭弥の頭をポカポカと叩いた。

実は恭弥が咲の体重を知っていたのは、昨日『検診中です3号』という装置でお互いの身体データを調べ合ったからだった。咲だけが恭弥のことを知っているのは不公平だと感じた咲が、自分のデータを恭弥に見せたのだ。

その夜から、二人の間には隠し事がなくなった。お互いの考えていることさえ、自然と分かるほど、絆は深まっていた。

「恭弥の嘘なんて、私にはすぐ分かるんだから。今だって、心の中では『咲ともっとくっついていたい』って思ってるんでしょう?」

咲は少し頬を染めながら微笑んだ。

「そ、それは……うん。確かに、咲と一緒にいると落ち着くし……。」

恭弥は照れくさそうに言いながら、ペースを上げた。

「もう、単純なんだから。無理しないでよ。バテちゃうからね。」

咲はくすっと笑いながら、しっかりと恭弥におぶさって、その背中の温もりを感じていた。

重力トレーニングが終わると、次はプールでの訓練。初日に比べて、恭弥は水圧トレーニングにも慣れてきていた。それはきっと、咲の誘惑が少なくなったことで、集中しやすくなったからかもしれない。

「いや、初日はさ……咲の水着がちょっと際どくてさ。抱きつかれたりして、集中できなかったよ。」

恭弥が笑いながら言うと、咲も頬を赤らめた。

「しょうがないじゃん。阿修羅の特殊効果を使うには、私も恥ずかしかったんだから。早く恭弥に私の身体に慣れてもらおうと必死だったのよ。」

「今じゃ、咲がくっついても、俺も冷静でいられるようになったよ。」

「なんか、それはそれでちょっと寂しいかも……。」

咲は少し拗ねたように言ったが、恭弥は真面目な表情で言い返した。

「飽きたわけじゃないよ。咲がそばにいてくれるだけで、俺はすごく安心するんだ。」

咲はその言葉に思わず顔を赤くしながら、そっと呟いた。

「……ありがとう。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

処理中です...