恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
160 / 448
第10章 親善試合メンバーには不可欠な存在です

特訓の成果(2)

しおりを挟む
「次、高坂妹対桃井。前へ。」

日室の声に、月華は三日月神楽を、茜は愛刀フェンリルを手にして前に出た。二人は再びバーチャル空間へと転送される。

「それでは、始め。」

しかし、先ほどの試合とは違い、二人はその場から動かなかった――いや、動けなかったのは茜だった。

『なに、このプレッシャー……。月華のどこを撃っても返される。これ、なんなの……?』

茜は無意識にじりじりと後ろに下がっていく。

「桃井、場外だ。両者、開始線へ戻って。」

日室の声に、茜ははっとして足元を見る。気づかないうちに場外線を超えていたのだ。

「桃井、早く戻って。」

「すみません。」

額の汗を拭いながら茜が戻ると、月華が静かに口を開いた。

「茜、どうしてかかってこないの?私、茜と戦うの楽しみにしてたのに。来ないなら、今度は私から行くね。」

その言葉に、茜の身体はさらに強ばる。

「ちょっと……あんな茜、見たことない。いつも強気な子が引いてる……。」

女子部員の金山と吹田がそう呟く。

「始め!」

日室の声と同時に、月華は宣言通り動いた。

バァシィンッ!と物凄い金属音が響く。茜がフェンリルを頭上で構え、三日月神楽の一撃を受け止めた。いや、正確には――月華がわざと当てた一撃だった。

その攻撃の衝撃は想像を超えており、茜の腕だけでなく、全身が痺れる感覚に襲われる。フェンリルを握る手が、徐々に力を失っていった。

「ちょっと、待って……!」

茜が叫ぶが、月華の攻撃は止まらない。次々とフェンリルを襲う一撃に、とうとう茜は剣を落としてしまう。

そして、最後の一撃が茜を捉えた。

「勝者、高坂妹。」

静まり返る空気の中、女子だけでなく男子部員までもが息を呑む。

「すげぇ……月華ちゃん、めちゃくちゃ強くなってる……。」

今田と日田村が驚きの声を上げ、他の部員も次々と感嘆の声をあげる。

一方、何もできなかった茜は呆然と現実空間へと戻ると、その場に崩れ落ちた。

「手が……出せなかった……。」

その一言を絞り出すのがやっとだった。

「茜、これが今の私たちの差よ。この世代で誰が一番か、これで分かったでしょう。」

月華との実力差をまざまざと見せつけられた茜は、ついに涙を流した。

月華は恭弥のほうを見て、手を差し出す。

「今度は、恭弥の番よ。私たちがどれだけ強くなったか、見せてあげて。」

月華の言葉に、恭弥も力強く頷いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...