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第12章 旭日中学剣術部の恋愛事情 後編
ラブ・トレ・ミッション!恭弥と茜のゼログラ合宿⑥~三人目の気持ち、揺れる空の下で~
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咲が戻ってきたのは、ちょうど茜がジャージの前を整えて椅子に腰を下ろした頃だった。
「なに、熱く語ってたの? 聖奈への愛とか?」
少しからかうように笑いながら、咲は茜にジャージとTシャツを手渡した。
だが、それを受け取った茜は、すぐに咲に訴えるように声を上げた。
「姫柊先輩、聞いてください。おかしいと思いませんか? 姉弟で恋人同士って……どう考えても、普通じゃないです。」
咲は少し目を細め、茜の真っ直ぐな視線を受け止める。そして、ほんのわずかに寂しそうに微笑んだ。
「うん、普通に考えたら、確かにそう。でもね……恭弥と聖奈にとっては、それが“当たり前”なの。」
咲は言葉を選びながら、静かに続ける。
「私もね、恭弥のこと、好きよ。でも、聖奈と恭弥の間には、誰も入り込めないような深い絆があるの。どれだけ頑張っても、それだけは越えられなかった。」
茜が小さく息を呑む。
「だから私は、聖奈の“次”でいいって思うようになったの。聖奈との友情も、恭弥との距離も、壊さずにいられるなら、それで充分だった。」
咲の瞳はどこか強くて、でも優しさを含んでいた。
「それにね、今は“ひとりしか選んじゃいけない”って時代じゃなくなってきてる。そういう制度が認められるかもしれないし……なんなら、それを動かしてきたのが、恭弥の家でもあるの。」
「……え?」
茜の目が少し大きくなる。
「だから、私たちがその中でどうありたいか――選ぶのは自分自身なの。茜ちゃんも、もし本気なら……聖奈とちゃんと向き合って、話して、戦って……そのうえで“私も入れて”って言えばいいんじゃない?」
咲は軽く肩をすくめて、さらりと続けた。
「まあ、聖奈はああ見えて頑固だし、すっごく独占欲強いけどね。」
冗談っぽく笑う咲の言葉に、茜は一瞬目を見開いたあと、唇をきゅっと噛んだ。
「……そんなの……絶対イヤ。私の気持ちが届かないままなんて……そんなの、認めたくない……!」
咲がふと真顔になり、静かに問いかける。
「独り占めできなくても、そばにいられたら、それでもいいと思える? 私はそう思えた。でも、茜ちゃんは?」
茜は答えられなかった。身体もまだ動かないまま、ただ胸の奥が熱くなっていた。
「……でも、諦めたくない。私は……恭弥君を、独り占めしたい。」
咲は一瞬だけ目を細めたあと、ふっと息をついた。
「うん、その気持ちは大事にして。でも――ちゃんとぶつかってみて。でないと、きっと後悔するよ。」
そう言って咲は微笑み、立ち上がって部屋の外へ向かった。
その背を見送りながら、茜は静かに拳を握りしめた。
『私は絶対に……あきらめない。』
心の奥に灯った炎はまだ消えないまま、モニターに映る恭弥の姿を、茜はじっと見つめ続けていた。
「なに、熱く語ってたの? 聖奈への愛とか?」
少しからかうように笑いながら、咲は茜にジャージとTシャツを手渡した。
だが、それを受け取った茜は、すぐに咲に訴えるように声を上げた。
「姫柊先輩、聞いてください。おかしいと思いませんか? 姉弟で恋人同士って……どう考えても、普通じゃないです。」
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「うん、普通に考えたら、確かにそう。でもね……恭弥と聖奈にとっては、それが“当たり前”なの。」
咲は言葉を選びながら、静かに続ける。
「私もね、恭弥のこと、好きよ。でも、聖奈と恭弥の間には、誰も入り込めないような深い絆があるの。どれだけ頑張っても、それだけは越えられなかった。」
茜が小さく息を呑む。
「だから私は、聖奈の“次”でいいって思うようになったの。聖奈との友情も、恭弥との距離も、壊さずにいられるなら、それで充分だった。」
咲の瞳はどこか強くて、でも優しさを含んでいた。
「それにね、今は“ひとりしか選んじゃいけない”って時代じゃなくなってきてる。そういう制度が認められるかもしれないし……なんなら、それを動かしてきたのが、恭弥の家でもあるの。」
「……え?」
茜の目が少し大きくなる。
「だから、私たちがその中でどうありたいか――選ぶのは自分自身なの。茜ちゃんも、もし本気なら……聖奈とちゃんと向き合って、話して、戦って……そのうえで“私も入れて”って言えばいいんじゃない?」
咲は軽く肩をすくめて、さらりと続けた。
「まあ、聖奈はああ見えて頑固だし、すっごく独占欲強いけどね。」
冗談っぽく笑う咲の言葉に、茜は一瞬目を見開いたあと、唇をきゅっと噛んだ。
「……そんなの……絶対イヤ。私の気持ちが届かないままなんて……そんなの、認めたくない……!」
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「独り占めできなくても、そばにいられたら、それでもいいと思える? 私はそう思えた。でも、茜ちゃんは?」
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「……でも、諦めたくない。私は……恭弥君を、独り占めしたい。」
咲は一瞬だけ目を細めたあと、ふっと息をついた。
「うん、その気持ちは大事にして。でも――ちゃんとぶつかってみて。でないと、きっと後悔するよ。」
そう言って咲は微笑み、立ち上がって部屋の外へ向かった。
その背を見送りながら、茜は静かに拳を握りしめた。
『私は絶対に……あきらめない。』
心の奥に灯った炎はまだ消えないまま、モニターに映る恭弥の姿を、茜はじっと見つめ続けていた。
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