恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
224 / 448
第13章 全力勝負、テストも恋も、頭脳バトルで異状あり!

真っ暗な部屋で、偶然が重なって、この密着は、物理的にやりすぎたかも。

しおりを挟む
聖奈は、バスタオルがほどけたことに気づいていた。
けれど、この部屋には自分しかいない。
そう思っていたため、あえて巻き直すこともせず、そのままカードキーを探し続けていた。

(あれ……。たしかこの辺に置いたはずなのに……。あれ? ない……。もしかして、端のほうだったっけ?)

棚の上を手探りで探りながら、聖奈はベッドに片膝を乗せ、上体を前に伸ばした。
その拍子に、ふと、肌が何かに触れる。
それは、ベッドの柔らかさとは違う――ほんのり温かくて、しっとりとした不思議な感触だった。

(……え?)

とまどったその瞬間、バランスを崩した聖奈の身体が、ふわりと前に傾く。
そして、そのままベッドに倒れ込む形になった。

ちょうど、そこにいたのは――気絶したままの恭弥。
彼の顔に、思いきり、聖奈の胸元が落ちてしまっていた。

「きゃっ……!? な、なに……!?」

聖奈が驚いたのと同じタイミングで、押しつけられた感触に恭弥が目を覚ましはじめる。
意識がぼんやりと戻ってくる中で、彼は顔に感じる、なんとも言えない柔らかさと香りに、混乱した。

(……これ、なんだ? なんか……すごく、やわらかくて……あったかい……。)

目は開いていないのに、すべての感覚がやけに冴えている。
顔の上にかぶさるもののせいで息苦しくなってきて、無意識のうちに恭弥の手は、聖奈の腰に回されていた。

「んんっ……!? ちょ、ちょっと、やだっ……!」

聖奈は、思わず身体をよじった。
けれど、予想以上に強く抱きとめられており、まるでロックされたように動けない。

(なにこれ……!? え、まさか……これって、まさか……!?)

目も開けられず、呼吸も浅くなっていく中で、恭弥の意識は混濁する。
一方で、聖奈は状況を理解できず、顔を赤くしながらも、何とかして逃れようと必死だった。

「きゃぁぁっ! やめて、やめてぇ……!!」

だが、どれだけ叫んでも、声は室内にこもるばかり。
この部屋は“サイレントルーム”仕様で、外には一切声が漏れない。

(た、助けて……誰か……!)

そのとき――。

チャイムの音が、部屋の中に微かに響いた。
ベッド脇の棚に設置されたモニターに、咲の顔が映る。

「咲っ……! 咲、お願い、助けてぇ……!!」

聖奈は震える指で返答スイッチを押し、モニター越しに泣きそうな声で助けを求めた。

「ど、どうしたの!? なにがあったの、聖奈!?」

「わ、わかんないけど……誰かに、抱きしめられてるの……! 真っ暗で、何も見えないのっ……!」

咲は一瞬、沈黙した。そして……小さく笑った。

「……たぶんだけど、その“誰か”って、恭弥だよ。
さっき、マスターキーで中に入ったはずだから。」

「……え?」

「とりあえず、落ち着いて。カーテン、棚にあるリモコンで開ければ光が入るでしょ?
まずはその手、どかしてみなさい。そうすれば、きっと分かるから。」

咲の声に導かれるように、聖奈はベッドの上で、そっと自分の腰を抱いている手を触った。
そして、少しずつ外そうとすると――驚くほどあっさりと、その腕はほどけた。

(えっ……?)

身を起こし、ゆっくりと顔を離すと――そこには、寝転がったままの恭弥がいた。

「……うそ、ほんとに恭弥……?」

顔を真っ赤にした聖奈は、棚の上にあるリモコンを探す。
幸いにも、落ちておらず、すぐに見つかった。

ボタンを押すと、3回目でようやく、カーテンが静かに開き始める。
外の光が差し込み、真っ暗だった室内が、ゆっくりと明るくなっていった――。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...