恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第14章 大会直前の練習試合、相手チームは美人なお姉さんだらけです

番外編 恭弥、逃げ場なし! ~小悪魔咲と、眠れる聖奈に板挟み……? 純情恭弥のヒヤヒヤする帰りバス~

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バスの振動が心地よく響く中。
咲は恭弥のスマホをこっそり操作しながら、にやりと笑った。

「……ねぇ、恭弥。まだドキドキしたいよね?」

悪戯な声で囁くと、すかさず恭弥は首をぶんぶん振った。

「い、いや、もう十分です……!これ以上は……!」

だが、そんな必死な抵抗も、咲の小悪魔スマイルには敵わない。

「じゃあ……これ、送っちゃおっか♪ 聖奈ちゃんに――」

スマホ画面には、さっきふざけながら咲が恭弥の肩に抱きついて撮った、めっちゃ近距離のツーショットが表示されている。

(――ヤバい!!バレたら死ぬ!!)

恭弥が慌てて取り返そうとすると、

「ダメ~。可愛くお願いできたら、考えてあげてもいいけど?」

咲は小声で意地悪に囁いた。

(……ど、どうしろってんだ……!)

追い詰められた恭弥は、ほぼ無意識に、
咲の手をそっと握り、恭弥は顔を真っ赤にしながら、
目を潤ませ、子犬のように咲を見上げた。

「……咲ぃ……お願い……助けて……。何でも言うこと聞くから……。」

咲の顔に、心底嬉しそうな笑みが広がった。

その時――

――あれ?

聖奈は、抱き寄せていたはずの恭弥のぬくもりが消えたことに気づいた。

(……どこ……?)

半分寝ぼけながらも、きょろきょろと周囲を見回す。

そして、耳を澄ませた先で、ひそひそ声が聞こえた。

(……恭弥……?)

不安と焦りで胸がざわつく。

そっと体を起こし、声のする方へ――そっと目を向ける。

そして――見てしまった。

バスの最後部で、恭弥が咲と、何やら親しげに話しているのを。

しかも、妙に距離が近い。

(な、なにしてるの、あのふたり……!!)

胸がぎゅっと締め付けられ、聖奈は思わず声を上げた。

「恭弥っ!!」

寝ぼけていたとは思えない大声だった。

「っ!!」

恭弥と咲が飛び上がるようにして振り向く。

聖奈は立ち上がりかけながら、怒りと不安で顔を真っ赤にしていた。

咲が慌てて笑いながらごまかす。

「ち、違うの!恭弥くんにクイズ出してただけ!」

だが、聖奈の目は鋭い。

(嘘つけぇぇぇぇぇ!!)

恭弥は慌てふためき、咲と二人がかりで聖奈の口をふさぐ。

「しっ、しーっ!聖奈、起こしちゃうから……っ!」

「お願い、静かにっ!」

必死に口元に指を当て、聖奈をなだめる。

周囲をぐるりと見渡す。

――幸い、バスの中のほとんどは疲れて眠っていて、誰も気にしていない。

ほっと胸をなで下ろした恭弥と咲は、聖奈にすがるように訴えた。

「お願い、誤解だから……!」

「ほんとに、なにもしてないから……っ!」

ジト目で睨みつける聖奈。

恭弥は涙目になりながら、心の底からこう願った。

(お願いだから、今日だけは許してぇぇぇっ!!!)

――バスの中、緊張と冷や汗の、小さな戦争が起きていた。

「……なにしてるの?」

寝ぼけ声だったが、聖奈の声は小さくない。
バスの静寂の中に、はっきりと響く。

恭弥と咲、顔面蒼白。

(や、やばっ!!!)

慌てて咲が、にっこり笑って言い訳した。

「クイズしてたの!ね、ね!バスの中って暇だから、ちょっとクイズでもして遊ぼうって!」

「そ、そうだよ!咲がクイズ出して、それに答えてただけ!」

恭弥も必死で乗っかる。

聖奈は、目をこすりながらふらふらと起き上がる。

「……クイズ……?ほんとに?」

まだ半信半疑な表情。
でも、眠気には勝てなかったのか――

「……じゃあ、あたしもやる……。」

ぽそっと呟くと、恭弥の隣にぺたりと座り直した。

(……た、助かった……。)

恭弥は心から安堵し、咲もほっと胸を撫で下ろす。

すると、咲が手をパチンと打った。

「じゃあ、せっかくだから、クイズだけじゃなくてトランプもしよっか!」

「いいね!ババ抜きとか!」

「え~、大富豪もやりたい~!」

「じゃあ負けたら罰ゲーム付きね!」

冬季や姫香、茜たちもいつの間にか目を覚まし、わらわらと集まってきた。

トランプを取り出し、皆でバスの最後部で小さな円を作る。

聖奈も、まだ眠たげながら、楽しそうにカードを手に取った。

(……よかった。ちゃんと、バレずに済んだ。)

恭弥は、ひと安心しながら、そっとカードを引いた。

バスの中は、また少しにぎやかに、でも心地よい笑い声に包まれていった――。

夜道を走るバスは、ドキドキと、秘密と、青春を乗せて、静かに進んでいった。
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