恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第16章 つかの間の休息と激戦の女子トーナメント

交際許可、審議中――恋人たちに家庭の洗礼

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「ごちそうさまでした。」

二人そろって手を合わせると、奏が立ち上がろうとする。

「奏ママ、私がやるよ。だって、もうお腹も大きくなってきたし、無理しないで。」

「ありがとうね、聖奈。本当に助かるわ。最近、ちょっと体にくるのよね……。」

皿を受け取りながら、奏はふと恭弥の方を見やる。

「……で? 実の息子は、何もしないまま座ってるけど。」

「え、俺……宿題あるし……」

恭弥が言いかけて立ち上がろうとした瞬間、聖奈が小さく呟いた。

「今、剣術部は宿題免除中じゃなかった?」

奏の目が、鋭く細まった。

「……嘘ついたわね、恭弥。」

「い、いや、その……!」

「言い訳は聞きたくない。はい、立って。ちょっと話があるわ。」

「奏ママ、落ち着いて! 私からも言うから……ね、恭弥、ちゃんと謝って。」

必死で聖奈が間に入るが、奏の視線は冷たく厳しいまま。

「聖奈。本当に、この子でいいの? こんな不誠実で、すぐ逃げようとする子が。」

「……いいんです。」

聖奈はまっすぐに答えた。

「恭弥は、大事なときにはちゃんと向き合ってくれる。こないだの試合だって、私をかばってくれた。そういう優しさを、私は信じたいんです。」

「……ふうん。」

奏は頷いたあと、少し声を低くした。

「でもね、恭弥は“あの恭介”の息子よ。いわゆる――危険因子ってやつ。」

「危険因子って……」

「いい? 恭弥には自覚がないかもしれないけど、変な色気があるの。咲に月華、茜……なんでか妙に惹きつけるじゃない。」

聖奈はハッと息を飲んだ。思い返せば、確かにみんな、どこかで“そういう目”をしていた気がする。

「……恭弥。私以外の子に、変な気持ち向けてないよね?」

「向けてないってば!」

「本当に?」

聖奈の視線がじわじわと詰め寄ってくる。

「……たぶん。」

「“たぶん”じゃダメ!」

「ごめんなさいっ!! もう、気をつけます!」

奏がため息をつく。

「はい、証言取りました。“聖奈以外はノータッチ”。これは家族会議の記録に残します。」

聖奈は「やったー!」と飛び跳ねて、奏の手を取って喜んだ。

そのとき、リビングのドアが開く。

「……何の記録がどうしたって?」

現れたのは、2ヶ月ぶりに家へ戻ってきた――恭介だった。

「パパ、おかえり!」

無邪気に抱きつく聖奈。それを見た恭弥がむすっと顔をそらす。

「……また突然帰ってきて。連絡ぐらい寄こしなさいよ。」

奏が呆れたように言いながら、恭介に軽くキスをする。

「わ、わっ……ママ大胆……」

「聖奈もさっき抱きついてたでしょ? こういうのは“うつる”の。」

奏はさらりと言って、笑った。

「なるほど、だったら……私も恭弥にキスしたら、他の子にフェロモン飛ばさなくなる?」

「それは無理。これは“正式なパートナー”同士限定の話。」

「……そっかあ。」

がっかりする聖奈を見て、恭弥がそっと手を取り、優しく言った。

「俺は聖奈だけを大事にする。だから、安心して。」

「……信じてるから。」

二人が額を寄せるように見つめ合っていると、恭介の声が冷たく割り込む。

「……俺はまだ認めてないからな。お前たちは姉弟だ。断じて交際は許さん。」

「……出た。化石意見。」

奏が無表情で恭介の耳をひねる。

「恭介。もう時代は進んでるのよ。この二人を止めるなんて、誰にもできないわ。」

「でも……血が繋がってるんだぞ。将来子どもが……」

「元・神候補のあなたが、それ言う?」

奏は微笑みながら、手を止めない。

「もうカルスには相談してるわよ。ちゃんと理解してくれてる。それに……」

奏は一歩、恭介に近づく。

「さっきのキス。ちょっと“よそ”の匂いがしたけど? どこで何してたのか、ちゃんと報告しなさい。」

「お、おい……今それ聞くか?」

「聞くわよ。あなたが帰ってきたら、まず報告義務。家族ルールでしょ?」

奏の真剣な視線に、恭介は観念して言う。

「……6人、だ。でも俺は何もしてない! 心は奏と、聖歌だけだ!」

「……まあいいわ。でも材料が足りないから、今日の夕飯はナシね。」

「ええっ!?」

「ただし……“これは”あげる。」

奏は恭介の唇を奪った。

「ちょっ……子どもたちが見てる!」

「興味がなくなったの? 私のお腹、少し出てきたから?」

「そんなわけないだろ!」

恭介が赤くなりながらも、奏を抱き寄せ――そのまま風呂場へ消えていった。

残された聖奈と恭弥は、呆れ半分・照れ半分で目を見合わせた。

「……行こうか、部屋に。」

「うん。」

そうして、二人は静かにリビングを後にした。

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