恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
299 / 448
第16章 つかの間の休息と激戦の女子トーナメント

騒がしすぎる朝、運命に刻まれた誓い――掟を破る覚悟はある?

しおりを挟む
朝のホームルーム前、恭弥は茜と並んで日直当番をしていた。黒板の連絡事項を書いていたところに、女子たちが恭弥の周りに集まり始める。

「おはよう、綾野くん! 全国出場、すごいじゃん!」

「でしょ? 私、絶対行くと思ってたんだよね~。」

「それよりさ、綾野くんって、どんな子がタイプ? 芸能人で言うと誰?」

「それよりもっと聞きたいんだけど、綾野くんって、姫柊先輩と別れたって噂本当? だったら……私、彼女立候補しちゃってもいい?」

一気に距離を詰めてくる女子たちに、恭弥はたじたじになる。

同じ頃、教室のあちこちでも似たようなことが起きていた。月詠には別の女子たちが囲んでいて、月華にもやたらノリのいい男子が近づいてきていた。

「高坂さん、今日の部活後、ちょっとお茶でもどう? 僕たちの未来について、語ろうじゃないか。」

月華が最も苦手とする男子――言動も外見もやたら気取っているタイプだった。

「……。」

月華は無言でスルーを決め込むが、男はまったく懲りない。

「照れてるの? かわいいな~。高坂さん、いや、月華さん。君には僕みたいなハイスペック男子がふさわしいよ。」

その軽口に、ついに月華がキレた。

「うっさいのよ、あんた。しつこいし、鬱陶しいし、迷惑。私には好きな人がいるの! あんたなんか最初から論外。もう話しかけないでくれる?」

その視線は自然と月詠の方へと向けられていた。

月詠もまた、女子たちに囲まれていたが、どこか困ったような表情で対応に追われていた。

(ったく……月詠、また黙って耐えてるし。)

見かねた月華は、一歩前に出て宣言した。

「月詠は、私の恋人。だから、ちょっかい出さないでくれる?」

教室が一瞬、静まり返った。だが、月華の言葉を茶化すように、さっきの男子が笑う。

「ははっ、マイ・ハニー、それは無理があるよ。君たちは兄妹でしょ? 兄妹で恋人なんて、法律的にもアウトじゃん?」

「そうそう、兄妹で愛し合うなんて現実には無理よ。でも月詠くん、私はなんでもしてあげるから。ね? 私だったら、何されてもいいんだよ?」

そう言って、女子のひとりが月詠の腕に自分の体を押しつけるようにしてきた、そのとき──。

月詠が突然立ち上がり、月華の元へと歩み寄った。そして。

「……!」

そのまま、月華にキスをした。

「……わかったか? 俺と月華は、そういう関係なんだ。あんたらに入る余地はない。」

教室中が、ざわめきに包まれる。

さっきまで月華に言い寄っていた男子が、顔を赤くして言い返した。

「な、なんだよ……そんな場所で不謹慎だろ、空気読めよ!」

だが、月詠は一歩も引かない。

「言われたくねぇよ。自分が何してきたか忘れたのか? 俺の大事な女にベタベタと──どの口が言うんだよ。」

次の瞬間、月詠はその男の胸ぐらをつかみ、拳を振り上げようとした――が、

「やめろ、月詠!」

背後から、恭弥が抱きとめた。

「手を出したら終わりだぞ。全国大会、出られなくなる。」

その一言で、月詠の拳は止まる。

恭弥は前に出て、男に向き直った。

「いいか。月詠と月華は、代々の契約で結ばれた許嫁だ。誰にも割り込む余地はない。もし掟を破ってでも挑むなら、それ相応の“試練”を受ける覚悟があるんだろうな? 命をかけるような、な。」

その迫力に圧され、男は顔面蒼白になって後ずさりし、ついには尻もちをついた。

「へなちょこ。」

月華が見下ろしながら吐き捨てる。

「私を落としたいなら、命の10や20くらい、捨てる覚悟で来なさいよ。……バーカ。」

その一言で、とどめを刺された男は震え上がる。

月詠はようやく落ち着いたように、恭弥と月華に謝った。

「……悪い。頭に血が上ってた。月華、ごめん。」

「ううん。怒ってくれて、嬉しかったよ。……好きだよ、月詠。」

そう言って、今度は月華の方から、軽く口づけを返した。

その様子を見ていたクラスメートたちは、完全に言葉を失っていた。

そして、恭弥は二人に向かって、ため息まじりに言った。

「……そういうの、せめて二人きりのときにやってくれないか。朝から引くわ。」

月華は肩をすくめ、ニヤッと笑って言い返すのだった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...