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第17章 聖奈の完全敗北と喜べない女子団体優勝
絶対女王の微笑み!~ “勝ち”より深く“負け”が刻まれる瞬間 ~
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準決勝・第二試合が、ついに始まろうとしていた。
最初に姿を現したのは、豊葦原鷹籠学園中等部の選手たち。第一試合の熱気がまだ残る会場には、彼女たちをダークホースとして応援する声が広がっていた。
特に注目を集めていたのは、昨年度の個人戦優勝者・綾野聖奈と、今大会の女王候補・榎宮朱璃の直接対決――その一戦を、今か今かと待ちわびる視線が飛び交っていた。
やがて、その熱気をさらに煽るように、旭日中学の入場が始まった。
先頭に立つのは、堂々たる笑みを浮かべた姫香。続く月華たちも、気迫を帯びた足取りでフィールドに歩み出る。だが、その列の中に、明らかに浮いた存在がひとり――綾野聖奈の顔には、自信のかけらも見えなかった。
その様子を見た観客の中には異変に気づく者もいれば、ただ興奮に沸き立つ者もいた。
そんな空気の中、榎宮朱璃はうっすらと笑みを浮かべ、わざとらしく深いため息を吐く。
(何? もうここに立つ気力も失せたの、綾野聖奈?だったら、その“潔さ”、私が受け取ってあげる。自分の手でね。)
獲物を仕留める気迫で視線を突き刺す朱璃。その殺気に、咲だけは気づいていた。
(……いいわ。その怒り、全部ぶつけてきなさい。今日のところは、あなたの勝ちで構わない。でも――チームの勝利は、私たちがもらう。そして、聖奈を目覚めさせる。それがこの試合の意味よ。)
咲の心に火が灯る。だが、そんな思惑を裏切るように、試合はとんでもない展開で幕を開けた。
先鋒戦。旭日中学の姫香と、豊葦原鷹籠学園の稲田滸――その激突。
「先鋒戦、始めッ!」
主審の号令と同時に、姫香が真っ直ぐに踏み込む。
その目には一切の迷いがなかった。
「水結晶――熱波螺旋ッ!!」
フィールド全体に張り巡らせた水結晶が、人工太陽の反射光を集めて一斉に炸裂。
膨大な熱波が稲田滸の足元を襲い、逃げ場を封じる。
視界が揺らぐ。熱によって空気が歪み、観客席にも緊張が走る。
だが――滸の表情は、笑っていた。
「……そんなもの、読めてるわよ。」
姫香が一気に踏み込んだ、その瞬間。
「ショック・ボルトッ!!」
鮮烈な雷光が姫香を貫く。身体が硬直し、剣が止まる。動けない。
姫香の目が見開かれたまま、凍りついた。
「悪いけど、それは囮。あなたの“焦り”を、利用させてもらったわ。」
姫香は、まんまと罠にかかったのだった。熱波は陽動、滸は最初から姫香の動きを予測し、カウンターを仕込んでいたのだ。
そして――畳みかけるように滸の奥義が放たれる。
「デッド・ポルターガイストッ!!」
まるで操り人形。姫香の身体が意志とは無関係に動き、自らの剣で自らを傷つけていく。
痛みが追いつく前に、身体が裂かれていく。
「私は、触れてないのよ。なのに、もうあなたは……満身創痍。」
その言葉とともに、滸が静かに手をかざした。
「エンド・オブ・エンド。」
姫香の身体が、粒子のように消えていく。足のつま先から、膝、腰、胸――
そして最後に、まっすぐ前を見つめていたその瞳までもが、光とともに散った。
「勝者、豊葦原鷹籠学園中等部、稲田さんッ!!」
主審のコールに、観客席がどよめく。
完全なる敗北。姫香は一撃の反撃もできぬまま、沈められたのだ。
旭日中学のベンチに、一瞬、静寂が流れた。
だが、その沈黙を最初に破ったのは、やはり咲だった。
「ドンマイ、ドンマイッ! ここからが本番よ! 取り返していこう!」
その声は、ただの励ましではなかった。
敗北を背負った仲間の分まで、戦い抜く覚悟を持て――という、真の鼓舞だった。
戦いの火蓋は、今まさに切って落とされたばかりだ。
最初に姿を現したのは、豊葦原鷹籠学園中等部の選手たち。第一試合の熱気がまだ残る会場には、彼女たちをダークホースとして応援する声が広がっていた。
特に注目を集めていたのは、昨年度の個人戦優勝者・綾野聖奈と、今大会の女王候補・榎宮朱璃の直接対決――その一戦を、今か今かと待ちわびる視線が飛び交っていた。
やがて、その熱気をさらに煽るように、旭日中学の入場が始まった。
先頭に立つのは、堂々たる笑みを浮かべた姫香。続く月華たちも、気迫を帯びた足取りでフィールドに歩み出る。だが、その列の中に、明らかに浮いた存在がひとり――綾野聖奈の顔には、自信のかけらも見えなかった。
その様子を見た観客の中には異変に気づく者もいれば、ただ興奮に沸き立つ者もいた。
そんな空気の中、榎宮朱璃はうっすらと笑みを浮かべ、わざとらしく深いため息を吐く。
(何? もうここに立つ気力も失せたの、綾野聖奈?だったら、その“潔さ”、私が受け取ってあげる。自分の手でね。)
獲物を仕留める気迫で視線を突き刺す朱璃。その殺気に、咲だけは気づいていた。
(……いいわ。その怒り、全部ぶつけてきなさい。今日のところは、あなたの勝ちで構わない。でも――チームの勝利は、私たちがもらう。そして、聖奈を目覚めさせる。それがこの試合の意味よ。)
咲の心に火が灯る。だが、そんな思惑を裏切るように、試合はとんでもない展開で幕を開けた。
先鋒戦。旭日中学の姫香と、豊葦原鷹籠学園の稲田滸――その激突。
「先鋒戦、始めッ!」
主審の号令と同時に、姫香が真っ直ぐに踏み込む。
その目には一切の迷いがなかった。
「水結晶――熱波螺旋ッ!!」
フィールド全体に張り巡らせた水結晶が、人工太陽の反射光を集めて一斉に炸裂。
膨大な熱波が稲田滸の足元を襲い、逃げ場を封じる。
視界が揺らぐ。熱によって空気が歪み、観客席にも緊張が走る。
だが――滸の表情は、笑っていた。
「……そんなもの、読めてるわよ。」
姫香が一気に踏み込んだ、その瞬間。
「ショック・ボルトッ!!」
鮮烈な雷光が姫香を貫く。身体が硬直し、剣が止まる。動けない。
姫香の目が見開かれたまま、凍りついた。
「悪いけど、それは囮。あなたの“焦り”を、利用させてもらったわ。」
姫香は、まんまと罠にかかったのだった。熱波は陽動、滸は最初から姫香の動きを予測し、カウンターを仕込んでいたのだ。
そして――畳みかけるように滸の奥義が放たれる。
「デッド・ポルターガイストッ!!」
まるで操り人形。姫香の身体が意志とは無関係に動き、自らの剣で自らを傷つけていく。
痛みが追いつく前に、身体が裂かれていく。
「私は、触れてないのよ。なのに、もうあなたは……満身創痍。」
その言葉とともに、滸が静かに手をかざした。
「エンド・オブ・エンド。」
姫香の身体が、粒子のように消えていく。足のつま先から、膝、腰、胸――
そして最後に、まっすぐ前を見つめていたその瞳までもが、光とともに散った。
「勝者、豊葦原鷹籠学園中等部、稲田さんッ!!」
主審のコールに、観客席がどよめく。
完全なる敗北。姫香は一撃の反撃もできぬまま、沈められたのだ。
旭日中学のベンチに、一瞬、静寂が流れた。
だが、その沈黙を最初に破ったのは、やはり咲だった。
「ドンマイ、ドンマイッ! ここからが本番よ! 取り返していこう!」
その声は、ただの励ましではなかった。
敗北を背負った仲間の分まで、戦い抜く覚悟を持て――という、真の鼓舞だった。
戦いの火蓋は、今まさに切って落とされたばかりだ。
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