367 / 448
第19章 新たなる力ー―しゃべる刀は無限の可能性!
タイムバーチャル、始動。恋と修行の2年訓練――5時間後に、最強で帰還せよ!
しおりを挟む
恭弥と咲の特訓は始まった。しかし、翌日の試合まで残された時間はわずか13時間。精神面の強化を目的とするには、あまりにも時間が足りない。
咲は休憩中に一本の電話をかけた。しばらくして、その返答らしき着信が入ると、彼女は訓練を一時中断し、バーチャル空間を解除した。
「咲、どうしてバーチャル空間を止めたんだ? 時間がないんだぞ。早く再開しないと……」
恭弥は困惑しながら問いかけるが、咲は応えず、黒服の男と何やら話し込んでいた。
「……できたのね。すぐに準備して。」
「しかし、お嬢様、まだ実験段階です。使用は5時間まで。それを超えた場合のリスクが……」
黒服の男は顔を曇らせながら忠告するが、咲はその声を遮るように言い切った。
「構わないわ。今はそれしかないの。急いで。」
恭弥が咲に近づいて問いかける。
「……咲、何をするつもりなんだ?」
「それは、バーチャル空間に入ってからのお楽しみ。さあ、準備急いで。時間はどんどん減ってるのよ。」
黒服の男は渋々作業を進めながらも、なおも念を押す。
「お嬢様、準備が整いました。しかし約束してください。5時間が限界です。タイムラグが生じる可能性があります。もしお身体に何かあれば、奥様に叱られてしまいます。時間だけは絶対に守ってください。」
咲はふっと微笑むと、優しく答えた。
「2時間半で1年分の時間。なんとか形にできると思う。いつも無理ばかり言ってごめんね、ありがとう。」
そして恭弥の腕に自分の腕を絡ませ、そっと囁く。
「タイムバーチャル、始動。」
その瞬間、空間に歪みが生じ、恭弥と咲の姿はゆっくりと消えていった。
……
次に恭弥が目を開けた時、彼は見覚えのあるバーチャル空間に立っていた。ただ、身体に感じる空気や感覚は、先ほどとは明らかに異なっていた。
「ここって……さっきの場所だよな? でも、なんか感覚が違う……」
咲は頷いて説明する。
「正解。ここはさっきと同じ空間だけど、時間の流れが違うの。今の私たちは、外の世界とは別の時間にいるのよ。」
「時間の流れが違う……?」
「この空間では、2時間半で1年分の時間が流れるように設定してあるの。一度入ったら、外に出るまでその時間に従うことになる。今回の制限は5時間。つまり、約2年分、私たちはここで過ごすことになるわ。」
咲はそう言って、端末を操作。すると、目の前に小さな一軒家が出現した。
「さあ、恭弥。まずはミーティングから始めましょう。」
彼女は扉を開けて中へ招き入れ、恭弥も黙って従った。
家の中は、ごく普通の一軒家。リビング、キッチン、浴場、洗面所、テレビ、タブレットなどが揃い、二階には寝室らしき空間もあった。
「……咲、ここで何をするんだ?」
恭弥が顔を赤らめながら尋ねると、咲はさらりと答えた。
「流石に2年も過ごすなら、生活できる空間は必要でしょう? ここで精神的に鍛え直すの。愛奈の認める基準を超えるために、封印を解くわよ。」
彼女は微笑みながら続けた。
「……もしかして、私と二人きりって聞いて、別のこと考えちゃった? やらしいわね。でも、そんな恭弥でも……嫌いじゃないよ。ちょっとだけ、期待してるし。」
からかうように言われて、恭弥は顔を真っ赤にして目をそらす。
「……こらこら。聖奈にも邪魔されないからって、変なこと言うなよ。」
咲は笑いながら言う。
「既成事実、作っちゃおうか?」
恭弥は聖奈のことを思い出し、真剣な顔になる。
「……咲も大事だ。でも俺は、聖奈を裏切りたくない。ちゃんと連絡入れる。」
彼はスマホを取り出し、聖奈にメッセージを送信。その様子を、咲は微笑ましく見守っていた。
「それでいいよ。もしかすると聖奈ここへ来るかもよ。でもね……どれだけ時間が流れてるかはわからないよ?ここは少なくとも半年は過ぎてるかもね。」
咲はそう言って、くすりと笑った。
咲は休憩中に一本の電話をかけた。しばらくして、その返答らしき着信が入ると、彼女は訓練を一時中断し、バーチャル空間を解除した。
「咲、どうしてバーチャル空間を止めたんだ? 時間がないんだぞ。早く再開しないと……」
恭弥は困惑しながら問いかけるが、咲は応えず、黒服の男と何やら話し込んでいた。
「……できたのね。すぐに準備して。」
「しかし、お嬢様、まだ実験段階です。使用は5時間まで。それを超えた場合のリスクが……」
黒服の男は顔を曇らせながら忠告するが、咲はその声を遮るように言い切った。
「構わないわ。今はそれしかないの。急いで。」
恭弥が咲に近づいて問いかける。
「……咲、何をするつもりなんだ?」
「それは、バーチャル空間に入ってからのお楽しみ。さあ、準備急いで。時間はどんどん減ってるのよ。」
黒服の男は渋々作業を進めながらも、なおも念を押す。
「お嬢様、準備が整いました。しかし約束してください。5時間が限界です。タイムラグが生じる可能性があります。もしお身体に何かあれば、奥様に叱られてしまいます。時間だけは絶対に守ってください。」
咲はふっと微笑むと、優しく答えた。
「2時間半で1年分の時間。なんとか形にできると思う。いつも無理ばかり言ってごめんね、ありがとう。」
そして恭弥の腕に自分の腕を絡ませ、そっと囁く。
「タイムバーチャル、始動。」
その瞬間、空間に歪みが生じ、恭弥と咲の姿はゆっくりと消えていった。
……
次に恭弥が目を開けた時、彼は見覚えのあるバーチャル空間に立っていた。ただ、身体に感じる空気や感覚は、先ほどとは明らかに異なっていた。
「ここって……さっきの場所だよな? でも、なんか感覚が違う……」
咲は頷いて説明する。
「正解。ここはさっきと同じ空間だけど、時間の流れが違うの。今の私たちは、外の世界とは別の時間にいるのよ。」
「時間の流れが違う……?」
「この空間では、2時間半で1年分の時間が流れるように設定してあるの。一度入ったら、外に出るまでその時間に従うことになる。今回の制限は5時間。つまり、約2年分、私たちはここで過ごすことになるわ。」
咲はそう言って、端末を操作。すると、目の前に小さな一軒家が出現した。
「さあ、恭弥。まずはミーティングから始めましょう。」
彼女は扉を開けて中へ招き入れ、恭弥も黙って従った。
家の中は、ごく普通の一軒家。リビング、キッチン、浴場、洗面所、テレビ、タブレットなどが揃い、二階には寝室らしき空間もあった。
「……咲、ここで何をするんだ?」
恭弥が顔を赤らめながら尋ねると、咲はさらりと答えた。
「流石に2年も過ごすなら、生活できる空間は必要でしょう? ここで精神的に鍛え直すの。愛奈の認める基準を超えるために、封印を解くわよ。」
彼女は微笑みながら続けた。
「……もしかして、私と二人きりって聞いて、別のこと考えちゃった? やらしいわね。でも、そんな恭弥でも……嫌いじゃないよ。ちょっとだけ、期待してるし。」
からかうように言われて、恭弥は顔を真っ赤にして目をそらす。
「……こらこら。聖奈にも邪魔されないからって、変なこと言うなよ。」
咲は笑いながら言う。
「既成事実、作っちゃおうか?」
恭弥は聖奈のことを思い出し、真剣な顔になる。
「……咲も大事だ。でも俺は、聖奈を裏切りたくない。ちゃんと連絡入れる。」
彼はスマホを取り出し、聖奈にメッセージを送信。その様子を、咲は微笑ましく見守っていた。
「それでいいよ。もしかすると聖奈ここへ来るかもよ。でもね……どれだけ時間が流れてるかはわからないよ?ここは少なくとも半年は過ぎてるかもね。」
咲はそう言って、くすりと笑った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる