恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第19章 新たなる力ー―しゃべる刀は無限の可能性!

タイムバーチャル、始動。恋と修行の2年訓練――5時間後に、最強で帰還せよ!

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恭弥と咲の特訓は始まった。しかし、翌日の試合まで残された時間はわずか13時間。精神面の強化を目的とするには、あまりにも時間が足りない。

咲は休憩中に一本の電話をかけた。しばらくして、その返答らしき着信が入ると、彼女は訓練を一時中断し、バーチャル空間を解除した。

「咲、どうしてバーチャル空間を止めたんだ? 時間がないんだぞ。早く再開しないと……」

恭弥は困惑しながら問いかけるが、咲は応えず、黒服の男と何やら話し込んでいた。

「……できたのね。すぐに準備して。」

「しかし、お嬢様、まだ実験段階です。使用は5時間まで。それを超えた場合のリスクが……」

黒服の男は顔を曇らせながら忠告するが、咲はその声を遮るように言い切った。

「構わないわ。今はそれしかないの。急いで。」

恭弥が咲に近づいて問いかける。

「……咲、何をするつもりなんだ?」

「それは、バーチャル空間に入ってからのお楽しみ。さあ、準備急いで。時間はどんどん減ってるのよ。」

黒服の男は渋々作業を進めながらも、なおも念を押す。

「お嬢様、準備が整いました。しかし約束してください。5時間が限界です。タイムラグが生じる可能性があります。もしお身体に何かあれば、奥様に叱られてしまいます。時間だけは絶対に守ってください。」

咲はふっと微笑むと、優しく答えた。

「2時間半で1年分の時間。なんとか形にできると思う。いつも無理ばかり言ってごめんね、ありがとう。」

そして恭弥の腕に自分の腕を絡ませ、そっと囁く。

「タイムバーチャル、始動。」

その瞬間、空間に歪みが生じ、恭弥と咲の姿はゆっくりと消えていった。

……

次に恭弥が目を開けた時、彼は見覚えのあるバーチャル空間に立っていた。ただ、身体に感じる空気や感覚は、先ほどとは明らかに異なっていた。

「ここって……さっきの場所だよな? でも、なんか感覚が違う……」

咲は頷いて説明する。

「正解。ここはさっきと同じ空間だけど、時間の流れが違うの。今の私たちは、外の世界とは別の時間にいるのよ。」

「時間の流れが違う……?」

「この空間では、2時間半で1年分の時間が流れるように設定してあるの。一度入ったら、外に出るまでその時間に従うことになる。今回の制限は5時間。つまり、約2年分、私たちはここで過ごすことになるわ。」

咲はそう言って、端末を操作。すると、目の前に小さな一軒家が出現した。

「さあ、恭弥。まずはミーティングから始めましょう。」

彼女は扉を開けて中へ招き入れ、恭弥も黙って従った。

家の中は、ごく普通の一軒家。リビング、キッチン、浴場、洗面所、テレビ、タブレットなどが揃い、二階には寝室らしき空間もあった。

「……咲、ここで何をするんだ?」

恭弥が顔を赤らめながら尋ねると、咲はさらりと答えた。

「流石に2年も過ごすなら、生活できる空間は必要でしょう? ここで精神的に鍛え直すの。愛奈の認める基準を超えるために、封印を解くわよ。」

彼女は微笑みながら続けた。

「……もしかして、私と二人きりって聞いて、別のこと考えちゃった? やらしいわね。でも、そんな恭弥でも……嫌いじゃないよ。ちょっとだけ、期待してるし。」

からかうように言われて、恭弥は顔を真っ赤にして目をそらす。

「……こらこら。聖奈にも邪魔されないからって、変なこと言うなよ。」

咲は笑いながら言う。

「既成事実、作っちゃおうか?」

恭弥は聖奈のことを思い出し、真剣な顔になる。

「……咲も大事だ。でも俺は、聖奈を裏切りたくない。ちゃんと連絡入れる。」

彼はスマホを取り出し、聖奈にメッセージを送信。その様子を、咲は微笑ましく見守っていた。

「それでいいよ。もしかすると聖奈ここへ来るかもよ。でもね……どれだけ時間が流れてるかはわからないよ?ここは少なくとも半年は過ぎてるかもね。」

咲はそう言って、くすりと笑った。
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