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第20章 恭弥は12天将の攻略を目指す!
巨大な玄武登場!その心はとっても真面目で繊細だった件
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目の前に現れたのは――巨大な亀の甲羅を背に、冷たい目をした蛇。
それが、十二天将の一柱、玄武だった。
『我に呼びかけたのは……お前か?』
低く響く声に、恭弥は自然と背筋を正した。
『……だが、我はお前の望む力ではない。それが分かっていて、我を呼んだのか?』
「え……?」
玄武の言葉は意外だった。恭弥は戸惑いながらも、問い返す。
「どうして、そう言うんですか?俺が望む力じゃないって……それ、どういう意味ですか?」
玄武は一つ、長く重いため息を吐いたように口を開く。
『朱雀は知略、青龍は発展、天后は癒し、白虎は猛き勇気。その全てを手にして、さらに我に何を望むという?』
『我の力は“奪う”能力。強奪の術。それはすなわち、悪だ。善なる力ではない。お前のような、まっすぐな魂には、決して必要のないものだ。』
そう言うと、玄武はすでに帰ろうとしていた。だが――
「待ってください!」
恭弥は思わず声を上げていた。
「俺……俺は確かに、“奪う力”を、欲しいと思っています。でも、それをそのまま使うつもりはありません!」
玄武の視線が、再び恭弥に向けられる。
恭弥は言葉を選びながら、慎重に、でも熱を込めて語った。
「何年もかけて、命を削って編み出した技……それをそのままコピーしたら、それは確かに“悪”かもしれません。だけど――」
「その技の中にある本質だけを抜き出し、自分の中に取り込んで、新しい技を生み出すことができたら? それって…… “悪”じゃなくて“進化”だと俺は思うんです。」
「俺は、真似したいんじゃない。超えたいんです。誰かの技に感動して、それをヒントに、自分だけの剣を作りたい。そのために……あなたの力が必要なんです!」
言い終わった瞬間、場に沈黙が落ちた。
玄武はしばし、動かなかった。長い尻尾が静かにうねる。
そして――ゆっくりと、口角をわずかに上げた。
『……これは一本取られた。』
『まだそんな考えを持つ者が、この時代に残っていたとはな。確かに、お前の言うことには理がある。“良いとこ取り”か。ふむ、悪くない発想だ。』
恭弥の心に、ほっとした風が吹く。
だが玄武は、すぐにその空気を締めなおした。
『だがな――その行為が“奪い”であることに変わりはない。』
『血を吐くような努力の末に編み出された技。そこには、持ち主の魂が宿っておる。その想いを踏みにじることなく、敬意をもって接するのだ。』
『近道ばかりを求めるな。真の力とは、尊ぶことから生まれる。……それを忘れるなよ、若き契約者。』
恭弥は、しっかりと頭を下げた。
「はい……忘れません。」
そしてその瞬間――
玄武の巨大な甲羅が光を帯び、恭弥の胸元へと静かに刻まれていく。
十二天将、五体目――契約、成立。
それが、十二天将の一柱、玄武だった。
『我に呼びかけたのは……お前か?』
低く響く声に、恭弥は自然と背筋を正した。
『……だが、我はお前の望む力ではない。それが分かっていて、我を呼んだのか?』
「え……?」
玄武の言葉は意外だった。恭弥は戸惑いながらも、問い返す。
「どうして、そう言うんですか?俺が望む力じゃないって……それ、どういう意味ですか?」
玄武は一つ、長く重いため息を吐いたように口を開く。
『朱雀は知略、青龍は発展、天后は癒し、白虎は猛き勇気。その全てを手にして、さらに我に何を望むという?』
『我の力は“奪う”能力。強奪の術。それはすなわち、悪だ。善なる力ではない。お前のような、まっすぐな魂には、決して必要のないものだ。』
そう言うと、玄武はすでに帰ろうとしていた。だが――
「待ってください!」
恭弥は思わず声を上げていた。
「俺……俺は確かに、“奪う力”を、欲しいと思っています。でも、それをそのまま使うつもりはありません!」
玄武の視線が、再び恭弥に向けられる。
恭弥は言葉を選びながら、慎重に、でも熱を込めて語った。
「何年もかけて、命を削って編み出した技……それをそのままコピーしたら、それは確かに“悪”かもしれません。だけど――」
「その技の中にある本質だけを抜き出し、自分の中に取り込んで、新しい技を生み出すことができたら? それって…… “悪”じゃなくて“進化”だと俺は思うんです。」
「俺は、真似したいんじゃない。超えたいんです。誰かの技に感動して、それをヒントに、自分だけの剣を作りたい。そのために……あなたの力が必要なんです!」
言い終わった瞬間、場に沈黙が落ちた。
玄武はしばし、動かなかった。長い尻尾が静かにうねる。
そして――ゆっくりと、口角をわずかに上げた。
『……これは一本取られた。』
『まだそんな考えを持つ者が、この時代に残っていたとはな。確かに、お前の言うことには理がある。“良いとこ取り”か。ふむ、悪くない発想だ。』
恭弥の心に、ほっとした風が吹く。
だが玄武は、すぐにその空気を締めなおした。
『だがな――その行為が“奪い”であることに変わりはない。』
『血を吐くような努力の末に編み出された技。そこには、持ち主の魂が宿っておる。その想いを踏みにじることなく、敬意をもって接するのだ。』
『近道ばかりを求めるな。真の力とは、尊ぶことから生まれる。……それを忘れるなよ、若き契約者。』
恭弥は、しっかりと頭を下げた。
「はい……忘れません。」
そしてその瞬間――
玄武の巨大な甲羅が光を帯び、恭弥の胸元へと静かに刻まれていく。
十二天将、五体目――契約、成立。
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