恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第20章 恭弥は12天将の攻略を目指す!

見た目よりも純情!~禍々しいフェイスの下は律儀マンな天将ズだった~

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翌朝、恭弥はさらなる契約に向けて動き出していた。
そして、戦略会議の席で朱雀が口にしたのは、誰も予想しなかった提案だった。

『恭弥殿。次は、六合・貴人・勾陳・太裳・騰虵の五天将を、一括で攻略するのはいかがでしょうか?』

「えっ、五体まとめて!? 無理じゃないか、それ……!」

思わず叫んだ恭弥に、咲も慌てて声を重ねた。

「恭弥の身体だってまだ万全じゃないのに……いきなり五体って、大丈夫なの!?」

だが朱雀は落ち着いた声で告げる。

『今こそ、その時と判断しました。騰虵を説得するには、この手しかありません。』

その名を聞いた白虎も小さく頷いた。
咲は眉をひそめながら、周囲を見渡す。視線の先にいるはずの朱雀や白虎、青龍――彼らの姿はまだ、咲には見えていなかった。

(恭弥は……ずっとこの“見えない存在”と戦ってきたんだ……)

思いがけない感情が、胸に押し寄せる。
ふと、咲は天后に向かって尋ねた。

「……私、ちゃんと見てみたいの。恭弥が契約してきた“存在たち”を、この目で。」

天后は、咲の願いを静かに受け止め、そっと頷いた。

『分かりましたわ、咲様。それは、きっと恭弥様も望んでいることです。』

天后が指先をすっと咲の額へ向けた瞬間、淡い光がその肌を撫で、咲の視界がゆっくりと変化していった。

柔らかな光が滲み、色彩が重たく、鋭く変化していく。

咲の目に、見えなかったはずの存在が――その“真の姿”をもって、姿を現した。

次の瞬間。空間が、空気が、音までもが揺れた。

目の前にいたのは、神話に登場するような“禍々しい神霊”の軍勢だった。

朱雀は、燃え盛る炎の翼を背に、四つ目で咲を見つめていた。

白虎は、重厚な甲冑をまとい、虎の頭部に剣のような牙を持っていた。

青龍は、体の中心から氷のような光が脈打ち、長い尻尾を宙に浮かべる蛇龍の姿。

玄武は、亀甲と蛇体を組み合わせた異形の巨体で、空間すら歪ませるような圧を放っていた。

天后でさえ、背に光輪と複数の影を背負い、その美しさの奥に恐ろしさが潜んでいた。

咲は、言葉を詰まらせながら一歩、二歩と後退した。

「……これが、十二天将……? ごめん、想像してたのと、だいぶ違う……。」

声こそ抑えていたが、頬は引きつり、目は見開かれ、明らかに軽くパニックに陥っていた。

そして――

『あああっ! し、失礼しました咲様ああああっ!!』

朱雀が突如大声で叫び、炎の翼をばさばさと縮めて土下座のような姿勢を取った。

『咲様を驚かせるつもりは毛頭なかったのです!我々の姿が……その、思っていたよりも禍々しかったようで……!』

青龍が慌てて袖のような鱗の腕を振り回しながらおろおろする。

『ご、ごめんなさいごめんなさいっ! あの、咲様が見えるようになったの、嬉しくて……!』

白虎は背を向けて耳(があれば)を伏せて縮こまり、玄武は自分の巨大な甲羅ごと、ごそごそと後退を始めた。

『こ、怖かったのは我が……でかすぎたからか……!?すまん、悪気は……なかった……』

「……いや、あの……皆さん……」

咲が困ったように言葉を探していると、天后が苦笑を浮かべながら肩をすくめた。

『皆、こう見えて繊細なんですの。見た目とのギャップは、よく指摘されますので……。』

「……なんか、すごいな……。怖いけど……かわいい……って言ったら失礼かな?」

そうつぶやいた咲に、天将たちは揃ってピタッと動きを止める。

そして、青龍が小さな声で囁いた。

『……咲様に“かわいい”って言われた……!』

玄武がぐらりと甲羅を揺らし、朱雀が翼をばさばさと震わせ、白虎は無言で口元だけ微妙に緩んだ。

恭弥が咲の横でこっそり笑った。

「……俺も最初は、怖すぎて意識飛びそうだったよ。でも、だんだん分かってきた。見た目で判断しちゃいけないなって。」

咲は深く息をつき、天将たちに向き直った。

「……はい。ちゃんと見えて、よかったです。これで、少しは恭弥に追いつけたかな。」

恭弥と咲が見つめ合ったその時――
天后が軽く咳払いし、会議の続きを促した。

『では、そろそろ五天将の同時交渉作戦――本題に入りましょうか。』
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