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31.魔物ゲンガクの出現
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「じ、実行委員長」
座敷オヤジがやっと声を発した。声がかすれていた。
「これ、実行委員長の三つ目入道!」
「あ、お、おいら?」
陰気に圧されたのか三つ目入道の声もどこやら精彩がない。
「おぬしの第三の目は、たしかサイコキネシスとやらじゃったのう」
「いかにも」
「目力で妖怪を跳ね飛ばすというヤツじゃったのう」
「さよう」
「そこでだ。実行委員長として、この陰気にご退場いただくよう勧告してもらいたいんじゃが」
「あ、ああ、そうだな、うん」
三つ目入道もやっと気を取り直して立ち上がった。立ち上がるとでかくて、なかなかどうして威風堂々としている。
三つ目入道はその陰気なヤツの前に山のように立ちはだかると威圧するように言った。
「お前さんの陰気はこの家に災いをもたらす。この家から出て行ってもらおうか」
居並ぶほかのお化けたちも同調するように低いうなり声を発した。
しかし、その陰気なやつは平然と薄ら笑いを浮かべて言った。
「いやだと言ったら?」
「腕ずくでも出て行ってもらう。いや、目力だから目ずくかな?」
三つ目入道が妙なところにこだわったのが一瞬のスキだったかもしれない。
「そうか。ということはお前は俺様の敵だな。ならばこうするか」
陰気なヤツはそう言うがはやいか、三つ目入道を吹き飛ばした。三つ目入道が吹っ飛んだ方向では居並ぶものたちがボーリングのピンのように皆吹っ飛んだ。満場からウワーンというような悲鳴がわきあがった。フクワライなんかはいいかげんにくっ付けていた目鼻口眉を吹き飛ばされたため、慌ててそれを拾い集めなければならなかった。
「どうした三つ目入道!なにをしておる?!」
座敷オヤジも慌てている。
「ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ」
陰気なヤツは今度は奇妙な笑い声を立てて勝ち誇った。
「三つ目入道の第三の目は描いてあるだけじゃねえの?ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ」
「くそう・・・ちょっと油断した」
三つ目入道は投げ出された体を起こし、立ち上がろうとしていた。が、立ち上がれなかった。またしても吹っ飛ばされたからだ。また大勢のものどもが巻き添えをくって宙に舞った。宙に舞ったものどもが落下したときはただのガラクタ・・・懐中電灯とかプラスティクの手桶とか破れたこうもり傘とか鍋、炊飯器、掃除機など・・・に変わり果てていた。
「おい、みんな大丈夫か!?」
座敷オヤジの声はもはや悲痛なものになっていた。
みなが慌てふためくなか、陰気なヤツの癇に障る笑い声が延々と続いた。その笑い声を聞いているうち、ぼくは編隊ものにでてくる悪者の小ボスを思い浮かべていた。あいつ、今にモンスターにでも変身するんじゃないかなあ。それにしても赤レンジャーは来ないのかな?なんて思ったが、まさかね。
だもんでその小ボスは図に乗りまくっていた。
「見たか!三つ目入道みたいな前世紀の遺物が束になってかかってきても、俺様はびくともしないぜ。ましてガラクタ妖怪どもなぞ、へ、でもないわ。おい、座敷オヤジよ、俺様はな、お前らの仲間にいれてもらわなくてもいいんだ。おまえらが出て行くんだ。わかるか? 俺様に仲間はいらない。手下になるというならおいてやってもいいぜ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ」
期待通りの悪者ぶりだ。しかし、調子付いていたのはそこまでで、その後ちょっと様子がおかしくなってきた。そいつは急にそわそわしだしてつぶやいた。
「やば、・・・そろそろあいつが来るな・・・」そして、僕に向かって言った。
「ちょっと用事を思い出したんで今回は失礼するがな、その前に、ヨシヒコ。あのショウちゃんとかいう気取ったやつな、あいつは何にも出来ないと自分でも言ってたろう? あいつはまじ何もできない。しかし、おれ様はできるぜ。お前をクラスで一番にすることが出来る。ママは喜ぶぜ。おれ様のほうがあいつよりずっと力があるんだ。おれ様の力のあるところ、今見たろう? それにあいつはうそつきさ。この前のママな、おれ様がちょっと指導してたんだぜ。どうだ? そんな気がするだろう? どうよ、おれ様につかないか? いい目見せるよ。おれ様に用があったら呼んでくれ。ゲンガクと呼んでくれ。またくるぜ・・・」
そいつは最初は低音で重々しくしゃべっていたが、だんだん可愛い声の早口になっていって、最後は録音の早回しみたいになってちょっと笑えた。
そして、そいつが消えるか消えないかというところでショウちゃんが現れた。
座敷オヤジがやっと声を発した。声がかすれていた。
「これ、実行委員長の三つ目入道!」
「あ、お、おいら?」
陰気に圧されたのか三つ目入道の声もどこやら精彩がない。
「おぬしの第三の目は、たしかサイコキネシスとやらじゃったのう」
「いかにも」
「目力で妖怪を跳ね飛ばすというヤツじゃったのう」
「さよう」
「そこでだ。実行委員長として、この陰気にご退場いただくよう勧告してもらいたいんじゃが」
「あ、ああ、そうだな、うん」
三つ目入道もやっと気を取り直して立ち上がった。立ち上がるとでかくて、なかなかどうして威風堂々としている。
三つ目入道はその陰気なヤツの前に山のように立ちはだかると威圧するように言った。
「お前さんの陰気はこの家に災いをもたらす。この家から出て行ってもらおうか」
居並ぶほかのお化けたちも同調するように低いうなり声を発した。
しかし、その陰気なやつは平然と薄ら笑いを浮かべて言った。
「いやだと言ったら?」
「腕ずくでも出て行ってもらう。いや、目力だから目ずくかな?」
三つ目入道が妙なところにこだわったのが一瞬のスキだったかもしれない。
「そうか。ということはお前は俺様の敵だな。ならばこうするか」
陰気なヤツはそう言うがはやいか、三つ目入道を吹き飛ばした。三つ目入道が吹っ飛んだ方向では居並ぶものたちがボーリングのピンのように皆吹っ飛んだ。満場からウワーンというような悲鳴がわきあがった。フクワライなんかはいいかげんにくっ付けていた目鼻口眉を吹き飛ばされたため、慌ててそれを拾い集めなければならなかった。
「どうした三つ目入道!なにをしておる?!」
座敷オヤジも慌てている。
「ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ」
陰気なヤツは今度は奇妙な笑い声を立てて勝ち誇った。
「三つ目入道の第三の目は描いてあるだけじゃねえの?ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ」
「くそう・・・ちょっと油断した」
三つ目入道は投げ出された体を起こし、立ち上がろうとしていた。が、立ち上がれなかった。またしても吹っ飛ばされたからだ。また大勢のものどもが巻き添えをくって宙に舞った。宙に舞ったものどもが落下したときはただのガラクタ・・・懐中電灯とかプラスティクの手桶とか破れたこうもり傘とか鍋、炊飯器、掃除機など・・・に変わり果てていた。
「おい、みんな大丈夫か!?」
座敷オヤジの声はもはや悲痛なものになっていた。
みなが慌てふためくなか、陰気なヤツの癇に障る笑い声が延々と続いた。その笑い声を聞いているうち、ぼくは編隊ものにでてくる悪者の小ボスを思い浮かべていた。あいつ、今にモンスターにでも変身するんじゃないかなあ。それにしても赤レンジャーは来ないのかな?なんて思ったが、まさかね。
だもんでその小ボスは図に乗りまくっていた。
「見たか!三つ目入道みたいな前世紀の遺物が束になってかかってきても、俺様はびくともしないぜ。ましてガラクタ妖怪どもなぞ、へ、でもないわ。おい、座敷オヤジよ、俺様はな、お前らの仲間にいれてもらわなくてもいいんだ。おまえらが出て行くんだ。わかるか? 俺様に仲間はいらない。手下になるというならおいてやってもいいぜ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ」
期待通りの悪者ぶりだ。しかし、調子付いていたのはそこまでで、その後ちょっと様子がおかしくなってきた。そいつは急にそわそわしだしてつぶやいた。
「やば、・・・そろそろあいつが来るな・・・」そして、僕に向かって言った。
「ちょっと用事を思い出したんで今回は失礼するがな、その前に、ヨシヒコ。あのショウちゃんとかいう気取ったやつな、あいつは何にも出来ないと自分でも言ってたろう? あいつはまじ何もできない。しかし、おれ様はできるぜ。お前をクラスで一番にすることが出来る。ママは喜ぶぜ。おれ様のほうがあいつよりずっと力があるんだ。おれ様の力のあるところ、今見たろう? それにあいつはうそつきさ。この前のママな、おれ様がちょっと指導してたんだぜ。どうだ? そんな気がするだろう? どうよ、おれ様につかないか? いい目見せるよ。おれ様に用があったら呼んでくれ。ゲンガクと呼んでくれ。またくるぜ・・・」
そいつは最初は低音で重々しくしゃべっていたが、だんだん可愛い声の早口になっていって、最後は録音の早回しみたいになってちょっと笑えた。
そして、そいつが消えるか消えないかというところでショウちゃんが現れた。
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