──の花束は落ちていく 〜『あなた次第』IF〜

君影 ルナ

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四月

11

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「楽勝楽勝、っと……」

 足場が安定したのでふっと目線を上げれば、まさに今、日が昇ってきたようだった。地平線からゆっくりゆっくりと太陽が顔を出し、辺り一面陽の光によって明るく照らされる。

 周りがはっきり見えるようになり、桜が満開になっていることにも気が付いた。

 私は今木の幹に立っているので、桜の花が目と鼻の先にある。一つ一つ綺麗に咲き誇っていた。その綺麗さに目を細める。

「まさに今満開だ。タイミングがよかったね。」

 ふっと顔が綻んだのが自分でも分かった。するとその時、ふわりと風が吹き、桜の花びらがひらひらと舞う。

「ふふ、私の言葉に返事をしてくれたみたい。」

 本当にそんな気がして嬉しくなり、くすくす、と笑みが浮かぶ。

 もっとじっくり花を愛でようと思い、足を置いていた幹に座る。ふぅっと息を吐くと心が落ち着いてきた。

 ここは人の気配すらない。だから冷たい目も向けられないし、陰口もない。

「落ち着くなぁ……」

 上の方へと伸びる幹に背を預け、もう一度深呼吸する。ああ、花学の中で一番心休まるのはここかもしれない。寮は人の気配を感じて気が休まらないからね。

 そう思うとだんだん眠くなってきた気がする。今まで無理やり倒れるように眠っていたが、ここなら幾分か自発的に眠れるのかもしれない。

「おやすみ……」

 自分で思っていたよりもスッと眠りについたのだった。


















桃side

 僕は日課の早朝ランニングをしていた。いつものコースを走りながらふと桜の並木道を見ると、桜は綺麗に咲き誇っていた。

「そういえば一週間くらい前に見つけたあの場所の桜も綺麗に咲いてるのかな?」

 今日は土曜日だし、朝ご飯の時間に間に合えばいいし。まあ、間に合わなかったらりんどうくんに連絡すればいいよね。

 一旦止まって携帯を取り出して時間を見る。六時十二分。うん、寄り道しても大丈夫そうかな。

「よし、目的地、坂の上まで走り込みだー!」
















 と、意気込んでいたんだけど……坂の上に着くと既に先客がいた。

「木の上に座ってる。それも……あっち向いてるから誰か分かんないなー。」

 僕はほぼ一般人と同じ感覚を持っているから、誰だとしても話しかけたい。でも僕は音霧だから、相手側が僕のことを怖がるかもしれない。あーあ、いろんな人とお喋りしたいのになあー。

 ててて、と向こうを向いている人の顔が見える場所に歩み寄る。怖がられたら怖がられたでどうにか対処しよう。そうじゃなければお話したいな。


─────

サクラ
「──」
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