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事例 壱 『コウシュ村』
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「この部屋も何も明かりはついていないんですね。」
「そうだな。探索するには不向きだ。……フン、幽霊も我々を誘導したいのならもう少しこちらに対して至れり尽くせりで頑張れよ。」
「いや、誘導はされてはいないと思いますけど。」
先生は幽霊相手にも無茶振りをする。それも敏感に何かを感じ取ったが故の。
「ほら、早く見せたいものを見せろ!」
幽霊相手に催促したからといって、幽霊も馬鹿正直に何かを見せてくれるとは思え……
『オマエ、要ラナイ。ソコノ生贄、置イテイケ。』
「いやあ、あいにくこれは生贄なんてものじゃあなくてなぁ。その願いは聞き入れられない。」
まさかもまさか、姿の見えない相手と会話を始める先生。それも結構物騒なやつ。もしかしなくても、その生贄って僕のことでは? え、嫌なんだけど。
話が通じる類いのモノなのかもしれない、と考えると、先生の交渉術に僕の命が掛かってくる。だから先生、頑張って!
『生贄、知ル権利アル。ダカラソイツニ教エル。オマエ、出テケ。』
「フム、なるほど。よし分かった。こいつは置いていく。だから伝えたいことは全てこいつに教えろ。」
『分カッタ』
「よし、交渉成立!」
「いやいやいやいやいや! 先生何言ってるの!? 僕が生贄とか死んでも嫌ですですよ!?」
自分の命が掛かっている状況で、引き下がってはいられない。全身全霊でツッコミを入れさせてもらう。
死んでも生贄にはなりたくない、とはこれいかに。矛盾していると言われたとしても、そう表現させてもらう。
「ジョシュアベ、そういうことだ。」
「どういうことですかね!? 僕、まだ死にたくはありませんよ!?」
「……? 何を言っているんだ?」
僕の言いたいことを汲み取ってはくれませんかね??? 死にたくないっつってんでしょ???
「じゃ、私はこの部屋を出るからなー。」
見えない何かに向かって大声で宣誓する先生。いや、洒落ではなく。そうしてから部屋を本当に出て行ってしまう。ピシャンと閉められた襖の音がいやに響き渡った。
僕を、助手を見捨てるんですか……? こんなに先生に貢献してきたのに……?
泣きたい気持ちで僕は和室に一人、取り残されたのだった。
「そうだな。探索するには不向きだ。……フン、幽霊も我々を誘導したいのならもう少しこちらに対して至れり尽くせりで頑張れよ。」
「いや、誘導はされてはいないと思いますけど。」
先生は幽霊相手にも無茶振りをする。それも敏感に何かを感じ取ったが故の。
「ほら、早く見せたいものを見せろ!」
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『オマエ、要ラナイ。ソコノ生贄、置イテイケ。』
「いやあ、あいにくこれは生贄なんてものじゃあなくてなぁ。その願いは聞き入れられない。」
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話が通じる類いのモノなのかもしれない、と考えると、先生の交渉術に僕の命が掛かってくる。だから先生、頑張って!
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見えない何かに向かって大声で宣誓する先生。いや、洒落ではなく。そうしてから部屋を本当に出て行ってしまう。ピシャンと閉められた襖の音がいやに響き渡った。
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