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二章
十九・二
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朝起きた瞬間からの騒動で気が付かなかったが、それが収束してからというもの、どうも全身が痛いことを思い出した。まあ、十中八九筋肉痛なのだが。
アリーズやサジタリアスとの手合わせは何度も経験しているから、体が慣れてきていた。そんな時に今回初めてリーブラと手合わせをしたことで、変に筋肉が緊張してしまったのだろう。
「さあ、朝食を摂りに行きましょう! アリーズのせいで食べ損ねるだなんて嫌ですからね!」
良い笑顔を浮かべてリーブラがそう言い放った。いや、仕掛けてきたのはあなたでしょうに……。
今回に関していえばアリーズはどちらかと言うと被害者……ゲフンゲフン、なんでもありません。そんなことを考えている時にタイミング良くリーブラの笑顔が私の方に向いたら、思考すら止めないといけない気がしてしまったではないか。
……はっ! この有無を言わせない圧、アリーズとソックリ!
思わないところであの兄弟の似ている部分に気が付いてしまったが、まあ、それは置いておいて良いか。
兎にも角にも、腹が減ってはウンヌンだからね! まずはご飯を食べてきます!
さて、今日もいつものように学校だ。せっかくリーブラとトーラスが帰ってきたというのに、学校に行ってしまえば彼らとお喋りする時間も減ってしまう。
だからちょっといつもより学校に行きたくなかったが、ワガママは言っていられない。渋々登校することにした。
「お、お前……!?」
いつものように……いや、いつもより少しぶすくれながら教室に入ると、ナガミーレが私を見て戦々恐々とした。なんだなんだ?
「何故生きてる!?」
「え? 何でって言われても……?」
「あ、いや、なんでもない……失敗したのか?」
ナガミーレの様子がおかしかったが、まあ、いつもおかしかったかと思い直す。それに今日はナガミーレに構っている余裕はないんだ。リーブラやトーラスと一緒にいられる時間が限られてしまっているから。ああ、早く帰りたい。
それにしても、今日になって急に『私が生きている』ことに対して言及してきたということは、もしかしてもしかするかもしれないな、と思い至った。
昨日の暗殺者は、ナガミーレが仕向けた者だったのでは?と。
それなら私が今日何食わぬ顔で学校に来たことに驚いても仕方ないだろう。うん、そんな気がする。
「ああ、あの人のことが心配? 確かにそんなに強くなかったけど、大丈夫。死んではいないと思うよ。」
ニィーっと(渾身の)笑みを浮かべてそう伝えてみる。心配しなくて良いよ、と安心してもらうためにね。
しかし私のその言動をどう受け取ったのか、ナガミーレは『ひぃっ!?』と悲鳴をあげて教室を出て行ってしまった。……安心させるために言ったのに、その返事が悲鳴なのは酷くない?
ぶすくれた表情のままプクーっと頬を膨らませてそんな不満を表してみたが、それに対して誰も反応してはくれなかった。
それどころか『ナガミーレが恐れたから』という理由で、この日一日はいつも以上に避けられてしまったのは本当に納得がいかない。
アリーズやサジタリアスとの手合わせは何度も経験しているから、体が慣れてきていた。そんな時に今回初めてリーブラと手合わせをしたことで、変に筋肉が緊張してしまったのだろう。
「さあ、朝食を摂りに行きましょう! アリーズのせいで食べ損ねるだなんて嫌ですからね!」
良い笑顔を浮かべてリーブラがそう言い放った。いや、仕掛けてきたのはあなたでしょうに……。
今回に関していえばアリーズはどちらかと言うと被害者……ゲフンゲフン、なんでもありません。そんなことを考えている時にタイミング良くリーブラの笑顔が私の方に向いたら、思考すら止めないといけない気がしてしまったではないか。
……はっ! この有無を言わせない圧、アリーズとソックリ!
思わないところであの兄弟の似ている部分に気が付いてしまったが、まあ、それは置いておいて良いか。
兎にも角にも、腹が減ってはウンヌンだからね! まずはご飯を食べてきます!
さて、今日もいつものように学校だ。せっかくリーブラとトーラスが帰ってきたというのに、学校に行ってしまえば彼らとお喋りする時間も減ってしまう。
だからちょっといつもより学校に行きたくなかったが、ワガママは言っていられない。渋々登校することにした。
「お、お前……!?」
いつものように……いや、いつもより少しぶすくれながら教室に入ると、ナガミーレが私を見て戦々恐々とした。なんだなんだ?
「何故生きてる!?」
「え? 何でって言われても……?」
「あ、いや、なんでもない……失敗したのか?」
ナガミーレの様子がおかしかったが、まあ、いつもおかしかったかと思い直す。それに今日はナガミーレに構っている余裕はないんだ。リーブラやトーラスと一緒にいられる時間が限られてしまっているから。ああ、早く帰りたい。
それにしても、今日になって急に『私が生きている』ことに対して言及してきたということは、もしかしてもしかするかもしれないな、と思い至った。
昨日の暗殺者は、ナガミーレが仕向けた者だったのでは?と。
それなら私が今日何食わぬ顔で学校に来たことに驚いても仕方ないだろう。うん、そんな気がする。
「ああ、あの人のことが心配? 確かにそんなに強くなかったけど、大丈夫。死んではいないと思うよ。」
ニィーっと(渾身の)笑みを浮かべてそう伝えてみる。心配しなくて良いよ、と安心してもらうためにね。
しかし私のその言動をどう受け取ったのか、ナガミーレは『ひぃっ!?』と悲鳴をあげて教室を出て行ってしまった。……安心させるために言ったのに、その返事が悲鳴なのは酷くない?
ぶすくれた表情のままプクーっと頬を膨らませてそんな不満を表してみたが、それに対して誰も反応してはくれなかった。
それどころか『ナガミーレが恐れたから』という理由で、この日一日はいつも以上に避けられてしまったのは本当に納得がいかない。
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