9 / 127
2章 音霧寮は……
9 椿side
しおりを挟む
リビングに行けばソファに座る山吹の後ろ姿。酸漿と桃はいないようだ。ちょうどいい。
「……山吹、ちょっといいか。」
「椿、どうされましたか?」
珈琲を飲んでいたらしい山吹はマグカップをテーブルに置く。
俺もソファに座り、今起きたことを話す。
「……花蘇芳が倒れた。」
「……、今はどんな状態ですか?」
パッと見普段と何一つ変わらないように見える山吹だが、動揺しているのが雰囲気で分かった。それだけ花蘇芳のことを気にかけているということだ。花蘇芳もそれを理解すればいいのに。一人でいようとすることなどもう出来ないのだから。
「……今は部屋で寝ている。少し苦しそうな表情だった。」
「……そうですか。寝不足もあるようですので、しばらく起きないかもしれませんね。」
「……ああ。」
俺は痛い痛いと呟いていた花蘇芳の姿を思い出す。あ、そういえば、
「……花蘇芳、目、灰色だった。」
「そうでしたね。」
倒れたことには動揺していたのに、目の色のことは驚かないのか?
「……? 山吹も花蘇芳の目、見たのか?」
花蘇芳は常に黒のカラコンをしていたのに、灰色の目を見る機会があったのだろうか。
「ええ、つい先程。茜に『藍の好きな動物聞いとけ』と言われまして、それを聞く為に花蘇芳さんの部屋に行ったんですよ。そしたら部屋から出てきた花蘇芳さんの目が灰色でした。雰囲気からして直前まで寝ていたのでしょう。やはり寝る時は外さないと危ないですからね。」
「……そうか。だから俺が行った時もカラコンが入ってなかったのか。」
成程成程。
「……山吹も寮にいる時くらい、それ、外せばいいのに。」
ちょうどカラコンの話になったので、ついでに今まで思っていたことを零す。トントンと自分の左目を指差しながら。
「……付けていないといけないような気がしまして。」
「……そうか。」
無理強いは出来ないが、山吹も寮でくらいは外せばいいのに、黒のカラコン。ここには仲間しかいないのだから。
「それに、私はこの色……好きではありませんから。」
「……そうか? いい色じゃないか。」
「そう言ってくれるのはこの寮の人間だけですよ。」
俺はすごくいいと思うが……。
やはりその他大勢に無いものは嫌煙されるのだろう。確かに俺もこの目と髪の色で嫌煙されてきた。
まあ俺も山吹達のように隠そうと思えば隠せたかもしれないが、何せコンタクトを入れるのが怖いのだ。大声では言えないが。なんで目に物を入れられるのか理解できない。
「……痛くないか?」
「少しだけ。」
「……少しの間、外していればいいんじゃないか?」
「……そうですね。寮ですし、いいですかね。」
そう言って席を外す山吹。きっとカラコンを外しに行ったのだろう。
一人になり何もすることがなく、暇になる。ということで先程起こったことを考察してみる。
花蘇芳は確か意識を失う直前、怯えながら相手に訴えていた。『やめて』と。その人物は多分最後に零した『まき』ではなかろうか。
「……まき……女か?」
いや、意外と男でもありか? それとも苗字? ……この情報だけでは分かることも少ない。
「……もしかしたら虐められていた可能性も……」
虐めの中でハサミを使って怪我をさせられた、とかか? それなら辻褄が合うと思う。刃物を向けられて怖いと思わない人はいないだろうし。
「……ハサミだけだろうか。」
もしかしたら刃物全般が無理なのだろうか。ハサミを見ただけであんなに狼狽して倒れたくらいだ。花蘇芳には刃物は見せない方がいい気がする。
「椿、何を考えているんですか?」
「……ちょっとな。」
ストンと先程まで座っていた所に座る山吹。久し振りに見たな、山吹の目。
「……なんですか。やっぱり変だと言いたいんですか。」
ぶすくれる山吹。
「……いや、山吹の目を見ると海を思い出すな、と。」
「嬉しくもない。」
「……そうか? 俺の微妙な色よりもいいだろうが。」
「微妙って……」
微妙だろう。桜鼠色とは言えるかもしれないが、赤、とか青、とかはっきりした色ではないのだから。
「ああ、それより、何を考えていたんですか?」
「……花蘇芳が倒れた時のことを考察していた。」
「どんな状況だったんですか?」
「……俺が部屋に行った時には既に蹲って左肩を抑えながら『痛い、痛い』と言っていた。そして倒れる直前に『まき』と言っていた。きっと名前か何かだろう。あと、見たところ血も出ていなかったから古傷が痛むと見ていいと思う。」
「そうですか。倒れたのは何が原因ですか?」
「……今はもう俺の部屋に置いたんだが、引き出しに入っていたハサミを見てそうなったと思う。柊木から引き出しの中身を隠せと連絡が来たところを見ると多分合っているだろう。」
「成程。」
「……そこで俺は仮説を立てた。」
「聞かせてください。」
「……花蘇芳は今までいた学校で虐められていた。その虐めのリーダー格の人間の名前が『まき』。そしてその『まき』にハサミを使って怪我をさせられたことにより、ハサミを見るだけで倒れるくらいになってしまった。」
「成程。それは有り得そうですね。まあ、今の状況だけで全てを判断するのは時期尚早でしょうし、これからもう少し様子を見ましょう。」
「……だな。」
「帰った。」
その時ガチャ、と廊下に続く扉を開けて入ってきたのは、大きな袋を抱えた柊木だった。俺達を見てああ、と納得したような表情を浮かべる。
「……この様子じゃ、藍は引き出しを開けたんだな。」
「……ああ。」
「はあ、せっかく俺が忠告してやったってのに。絶対俺が言ったこと忘れてんだろあいつ。」
「茜は見たんですものね。」
「ああ。で、見た通りならば藍が目を覚ますのは明日になる。」
明日は土曜日なのでいつまでも寝ていられるな。
「明日……」
「そんで藍は目を覚ました後に言うだろう。『いつもの事ですから』と。」
「いつもの事? 言っている意味が分かりませんが?」
「寝不足なのは常。そんで一週間に一偏倒れるように眠る、だとよ。」
「……今までずっとなのか?」
「ああ、そうらしい。」
柊木のその発言に思わず眉間に皺が寄る。
「……そんな生活を送っていればいつか体が壊れるんじゃないか?」
「そうですね。いつ壊れてもおかしくはないでしょうね。」
「ああ。ってことで買い物をしてきた。」
「そういえばどこかに出掛けてましたね。何を買ってきたんですか?」
「それは言わん。りんに笑われるのは絶対嫌だからな。」
「……笑われるものなのか?」
「あかね、教えなさい。」
いつも冷静沈着なあの山吹が珍しく目をキラリと光らせた。
やはりこの二人の間には俺達とは違った絆のようなものがあるようだ。この二人は花学に入る前からの知り合いらしい。
いつもは『寮長』『茜』なのに、ふとした時にお互い『りん』『あかね』と呼ぶくらいだからな。その呼び名はいつから使われているものなのか、俺達は知らない。
「教えないのなら私が開けます!」
「開けんなっつってんだろ! 馬鹿かお前は!」
「私が馬鹿なら二学年全員が馬鹿になりますけど何か?」
「そういうことを言ってんじゃねえよ!」
……まあ、山吹は学年首席だものな。間違ってはいないが柊木が言いたいのはそういうことではないのだろう。
ギャーギャー騒ぎ出す二人。いつもの二人の雰囲気は作られたものなのではないかと疑ってしまう程に煩い。しかし、こっちの方がまだ高校生らしいと俺は思う。いつものこの二人は落ち着きすぎているからな。
「あかね、手を出してください!」
「嫌だ! どうせ見ようとすんだろ?」
「ご名答。」
……二人のやり取りを俺は見ているだけなのでいい加減飽きてきた。本でも持ってくればよかったな。
二人の言い合いはその後しばらく続いたのだった。
「……山吹、ちょっといいか。」
「椿、どうされましたか?」
珈琲を飲んでいたらしい山吹はマグカップをテーブルに置く。
俺もソファに座り、今起きたことを話す。
「……花蘇芳が倒れた。」
「……、今はどんな状態ですか?」
パッと見普段と何一つ変わらないように見える山吹だが、動揺しているのが雰囲気で分かった。それだけ花蘇芳のことを気にかけているということだ。花蘇芳もそれを理解すればいいのに。一人でいようとすることなどもう出来ないのだから。
「……今は部屋で寝ている。少し苦しそうな表情だった。」
「……そうですか。寝不足もあるようですので、しばらく起きないかもしれませんね。」
「……ああ。」
俺は痛い痛いと呟いていた花蘇芳の姿を思い出す。あ、そういえば、
「……花蘇芳、目、灰色だった。」
「そうでしたね。」
倒れたことには動揺していたのに、目の色のことは驚かないのか?
「……? 山吹も花蘇芳の目、見たのか?」
花蘇芳は常に黒のカラコンをしていたのに、灰色の目を見る機会があったのだろうか。
「ええ、つい先程。茜に『藍の好きな動物聞いとけ』と言われまして、それを聞く為に花蘇芳さんの部屋に行ったんですよ。そしたら部屋から出てきた花蘇芳さんの目が灰色でした。雰囲気からして直前まで寝ていたのでしょう。やはり寝る時は外さないと危ないですからね。」
「……そうか。だから俺が行った時もカラコンが入ってなかったのか。」
成程成程。
「……山吹も寮にいる時くらい、それ、外せばいいのに。」
ちょうどカラコンの話になったので、ついでに今まで思っていたことを零す。トントンと自分の左目を指差しながら。
「……付けていないといけないような気がしまして。」
「……そうか。」
無理強いは出来ないが、山吹も寮でくらいは外せばいいのに、黒のカラコン。ここには仲間しかいないのだから。
「それに、私はこの色……好きではありませんから。」
「……そうか? いい色じゃないか。」
「そう言ってくれるのはこの寮の人間だけですよ。」
俺はすごくいいと思うが……。
やはりその他大勢に無いものは嫌煙されるのだろう。確かに俺もこの目と髪の色で嫌煙されてきた。
まあ俺も山吹達のように隠そうと思えば隠せたかもしれないが、何せコンタクトを入れるのが怖いのだ。大声では言えないが。なんで目に物を入れられるのか理解できない。
「……痛くないか?」
「少しだけ。」
「……少しの間、外していればいいんじゃないか?」
「……そうですね。寮ですし、いいですかね。」
そう言って席を外す山吹。きっとカラコンを外しに行ったのだろう。
一人になり何もすることがなく、暇になる。ということで先程起こったことを考察してみる。
花蘇芳は確か意識を失う直前、怯えながら相手に訴えていた。『やめて』と。その人物は多分最後に零した『まき』ではなかろうか。
「……まき……女か?」
いや、意外と男でもありか? それとも苗字? ……この情報だけでは分かることも少ない。
「……もしかしたら虐められていた可能性も……」
虐めの中でハサミを使って怪我をさせられた、とかか? それなら辻褄が合うと思う。刃物を向けられて怖いと思わない人はいないだろうし。
「……ハサミだけだろうか。」
もしかしたら刃物全般が無理なのだろうか。ハサミを見ただけであんなに狼狽して倒れたくらいだ。花蘇芳には刃物は見せない方がいい気がする。
「椿、何を考えているんですか?」
「……ちょっとな。」
ストンと先程まで座っていた所に座る山吹。久し振りに見たな、山吹の目。
「……なんですか。やっぱり変だと言いたいんですか。」
ぶすくれる山吹。
「……いや、山吹の目を見ると海を思い出すな、と。」
「嬉しくもない。」
「……そうか? 俺の微妙な色よりもいいだろうが。」
「微妙って……」
微妙だろう。桜鼠色とは言えるかもしれないが、赤、とか青、とかはっきりした色ではないのだから。
「ああ、それより、何を考えていたんですか?」
「……花蘇芳が倒れた時のことを考察していた。」
「どんな状況だったんですか?」
「……俺が部屋に行った時には既に蹲って左肩を抑えながら『痛い、痛い』と言っていた。そして倒れる直前に『まき』と言っていた。きっと名前か何かだろう。あと、見たところ血も出ていなかったから古傷が痛むと見ていいと思う。」
「そうですか。倒れたのは何が原因ですか?」
「……今はもう俺の部屋に置いたんだが、引き出しに入っていたハサミを見てそうなったと思う。柊木から引き出しの中身を隠せと連絡が来たところを見ると多分合っているだろう。」
「成程。」
「……そこで俺は仮説を立てた。」
「聞かせてください。」
「……花蘇芳は今までいた学校で虐められていた。その虐めのリーダー格の人間の名前が『まき』。そしてその『まき』にハサミを使って怪我をさせられたことにより、ハサミを見るだけで倒れるくらいになってしまった。」
「成程。それは有り得そうですね。まあ、今の状況だけで全てを判断するのは時期尚早でしょうし、これからもう少し様子を見ましょう。」
「……だな。」
「帰った。」
その時ガチャ、と廊下に続く扉を開けて入ってきたのは、大きな袋を抱えた柊木だった。俺達を見てああ、と納得したような表情を浮かべる。
「……この様子じゃ、藍は引き出しを開けたんだな。」
「……ああ。」
「はあ、せっかく俺が忠告してやったってのに。絶対俺が言ったこと忘れてんだろあいつ。」
「茜は見たんですものね。」
「ああ。で、見た通りならば藍が目を覚ますのは明日になる。」
明日は土曜日なのでいつまでも寝ていられるな。
「明日……」
「そんで藍は目を覚ました後に言うだろう。『いつもの事ですから』と。」
「いつもの事? 言っている意味が分かりませんが?」
「寝不足なのは常。そんで一週間に一偏倒れるように眠る、だとよ。」
「……今までずっとなのか?」
「ああ、そうらしい。」
柊木のその発言に思わず眉間に皺が寄る。
「……そんな生活を送っていればいつか体が壊れるんじゃないか?」
「そうですね。いつ壊れてもおかしくはないでしょうね。」
「ああ。ってことで買い物をしてきた。」
「そういえばどこかに出掛けてましたね。何を買ってきたんですか?」
「それは言わん。りんに笑われるのは絶対嫌だからな。」
「……笑われるものなのか?」
「あかね、教えなさい。」
いつも冷静沈着なあの山吹が珍しく目をキラリと光らせた。
やはりこの二人の間には俺達とは違った絆のようなものがあるようだ。この二人は花学に入る前からの知り合いらしい。
いつもは『寮長』『茜』なのに、ふとした時にお互い『りん』『あかね』と呼ぶくらいだからな。その呼び名はいつから使われているものなのか、俺達は知らない。
「教えないのなら私が開けます!」
「開けんなっつってんだろ! 馬鹿かお前は!」
「私が馬鹿なら二学年全員が馬鹿になりますけど何か?」
「そういうことを言ってんじゃねえよ!」
……まあ、山吹は学年首席だものな。間違ってはいないが柊木が言いたいのはそういうことではないのだろう。
ギャーギャー騒ぎ出す二人。いつもの二人の雰囲気は作られたものなのではないかと疑ってしまう程に煩い。しかし、こっちの方がまだ高校生らしいと俺は思う。いつものこの二人は落ち着きすぎているからな。
「あかね、手を出してください!」
「嫌だ! どうせ見ようとすんだろ?」
「ご名答。」
……二人のやり取りを俺は見ているだけなのでいい加減飽きてきた。本でも持ってくればよかったな。
二人の言い合いはその後しばらく続いたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる