生贄少女とヴァンパイア

秋ノ桜

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急な帰省

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sideルシアス


あぁ、風呂入りたい。

髪の毛は血でバキバキだし全身は煙臭い。


森で生活するとこんなことになるんだな。


「あ…あの、ルシアス。お風呂入ってもいいですか?」


そういえばリラも全身泥だらけだな。


「あぁ、俺も入りたい。」


「じゃあ私は後で入るので先に入ってください。」


違うだろう。


「一緒に入ればいいだろ。」


リラはリンゴのように赤くなる。


「は、はい?/////」


「俺ら夫婦だしな、そもそも一緒に入らねぇのおかしいだろ。」


押せばいけそうだな。


「い、いえ、私はいいです、後で入りますから。」



意外と強情だな。


「別に風呂くらいいいだろ?俺らもっとすごいことしてたと思うが?」


リラはさらに赤くなった。


「そ、そんなことありません!とにかく先に」


咄嗟にリラの腕を掴んでいた。


「してるだろ、人には言えないようなこと。」


どうしても認めさせたかった。


そんなことない、なんて言い逃れはさせない。


「い…意地悪言わないでください///////」


仕方ないだろ。


いじめたらこんな可愛い顔するんだから。


誰がやめるか。


「意地悪じゃねぇよ、本当のことだ。」


もっと赤くなれよ。


俺のことを考えて頬を染めているのがたまらない。


抱いてる時もこの顔をさせたい。


「分かってないみたいだから今日はちゃんと教えてやる。」


リラの腕を引いて家に入る。


今すぐ襲ってベットに直行したいが、先に風呂だな。


「風呂用意してくるからくつろいどけ。」

「は…はい、私は後で入ります。」



まだ言うか。


「わかった。」


絶対に一緒に入ろうな。


********************

sideリラ

言われるがままくつろいで30分。


お風呂のお湯はきっともう溜まっている。


ルシアスは私とソファーに座っていて剣の手入れをしていた。


「あ…あの、私、お湯止めてきますね。」


さっきは一緒に入ると言っていたから本当に驚いた。


「勝手に止まるから大丈夫だ、すぐに入るから少し待ってくれ。」


別に急かすわけじゃなかったんだけど。


「い、いえ、ゆっくり手入れしてください。私はそんなに急いでませんから。」


どうせルシアスの後に入るし、私も少しゆっくりしよう。



「大丈夫だ、もう終わる。悪かったな、待たせて。」


ん?


なんか話噛み合ってないような気がするのは私だけ?



「あ…はい。」



気のせいだよね??



「よし、こんなもんか。」


ルシアスは剣を置いて何故か私の腕を取る。



「……?」

「ほら、何してるんだ。さっさと行くぞ。」




え!!!!?



「い、いえ!何言ってるんですか!」



私が踏ん張ってももちろんルシアスには敵わない。


ルシアスの馬鹿力はすごい。


私が全力で抵抗しているのに、ルシアスはいとも簡単に私を引きずって行ってしまう。


「ルシアス、待って!ちょっと!嫌ですって!!」


さっきは私は後で入るって言ったらわかったって言いましたよね!?


「わざと逃げないくせに何言ってるんだ。」


わざと!?


「全力ですよ!これ!!本当です!!!」


逆にどうしてこんなにビクともしないの!?


「恥ずかしがり屋もここまできたら大変だな。」


ルシアスは大いに勘違いをしている。


「ルシアス!いい加減にしてください!」


どうしたら手を離してくれるだろう。


あ、そうだ。


「ライアスに言いつけますよ!!」


私がぴしゃりと言い放ったらルシアスがいきなり止まる。


さすが、ライアスの名前を出すと過剰に反応する。


この隙に逃げ「あぁ、言いつければいい。」
「きゃっ!!!」



急に抱き上げられて変な声が出た私。



まずいことを言ったと後悔しても遅かった。



「俺にされたこと全部言いつけてやれよ。……って言っても、口に出すのも恥ずかしいような事してやるけどな。」


「え!?」


ルシアスを怒らせたみたいで、私は気がつけば服を着たまま湯船に放り込まれていた。


「けほっ…熱い…」


湯船から顔を出すとルシアスも服のまま入ってくる。


「熱い?じゃあ出るか?」


ルシアスが私の股を開いて抱き上げる。


そのまま壁に押し付けられてどうにも逃げられないような抱き方をされた。


「ルシアス/////」


こんな恥ずかしい格好をさせられるなんて。


「自分で脱げ、俺はこの通り手が塞がってるからな?」


ダメだ、完全に意地悪スイッチが入ってる。


「ほら、早く脱げよ。」


ルシアスは私の首筋にキスをしながらそう囁く。


この声には本当に逆らえない。


私は興奮して震えている手で自分の服のボタンを外しはじめた。


********************

sideルシアス

素直に服を脱ぐリラの色気は凄まじい。

ボタンを開けると白い肌が覗いて俺をどうしようもなく昂らせる。


「ルシアス……これじゃあ、全部脱げません。」


それもそうだな、一旦降ろしてやるか。


降ろして、逃がさないように壁に手をつきリラを囲うと困ったような顔をして俺を見上げてくる。


「これでもう脱げるな?」



俺がそう言うとリラは素直に裸になって、上半身を手で隠していた。



「ついでに俺の服も脱がしてくれよ、花嫁さん。」


真っ赤になって俺の服を脱がすリラ。

この分じゃ、手加減はしてやれそうにない。


今夜は許せよ。


ライアス、なんて口走ったリラが悪い。


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