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王族の知り合い
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sideルシアス
妙だ、この女見覚えがある。
「どっかで見た気が……」
絶対に見たことある顔だ。
どこで見たかは本当にさっぱりだが絶対知ってるぞこの顔。
「あぁ……くそ……どこで見たんだ?」
頭が痛くて集中できない。
「お前も見覚えがあるのか。」
お前も、って事はライアスもだよな。
「おい、思い出せないのかよ。」
お前記憶力いいだろ。
俺並みに。
「残念なことにね。」
ダメだ、ポンコツ野郎め。
「2人が見たことがあるのなら王族の知り合いじゃないのか?」
クロウはそう言うが、王族の知り合いか…
「何人いると思ってんだ?」
数え切れないほどいるぞ。
「そもそも300年前の女なのに、どうして僕らが見たことあるんだと思う?そこからおかしいよ。」
ライアスの言う通りだ。
300年前の女の顔がわかるなんておかしい、不気味だ。
「さぁな。でも300年も経ったんだ、今頃きっとしわくちゃな雑巾みたいになってるはずだ。」
結局、この女の正体がはっきり分かってるのは1人だけ。
「それもそうだね。どうやってもあのろくでもない男にたどり着く。」
結局やることは一緒ってわけだ。
「早く会いに行かないとな、頭のいかれた愛しい愛しいお父様に。」
今回このおかしな島に来たのはリラ達の力量調べみたいなものだ。
あの4人の戦闘力は大体わかった。
それも踏まえて…
「合宿は終了だ。」
1日早いけど、時間を無駄にするよりはいい。
「はぁ。全くお前達は急に消えて急に物事を決めるな。」
そう呆れるなよ。
「敵の正体掴む方が先だろう。あの4人なら大丈夫だ、それぞれに強みもあるし、何よりよ俺たちがいる。」
守り抜けばいい、4人全員力不足なのはあるが弱いわけじゃない。
「はぁ……どうせ言っても聞かないだろう。一旦帰って毒蛇の巣に突っ込むとするか。」
「僕らの実家は毒蛇の巣か……間違ってはいないから悲しいね。」
毒蛇よりももっと恐ろしいものが玉座に座ってるけどな。
「まぁいい、今回は一旦中止だな。…チーム☆ゴースト集合。」
クロウの掛け声で4人が近くに来る。
リラはダリアにへばりついていた。
「今話し合ったんだが、とりあえず帰る。」
「えー!!俺らまだ修行らしいことしてないのに!」
ルディは相変わらず騒がしい。
「あのワニと追いかけっこしたんだからそれが修行だ。とりあえず帰って当初の目的を果たすことにした。」
4人は顔を見合わせていた。
「本当に行くんですか?私たち、自分のことを卑下してるわけじゃないですけど絶対足手纏いになりますよ。」
ダリアはおずおずと口にした。
「あぁ、知ってる。安心しろ、先生がちゃんと引率してやる。それに話をしに行くだけだ。こっちには王子が2人もいるんだから怖いものはない。」
アイツらはどれだけクロウを信頼しているんだろうな。
クロウの一言で不安そうな表情が一切なくなった。
「それにいざとなれば逃げればいい、逃げるが勝ちだ。よく覚えておけ。」
こんなこと言う教師がどこにいるんだ。
まぁ、間違ってはないけどな。
「「「「はい!」」」」
よくまとめてやがる。
リラにも笑顔が戻った。
俺がリラの笑顔を奪ってばかりなのは知ってる。
だけど手放したくはない。
どうしたらいいんだ。
伝授して貰いたいもんだ、リラをずっと笑顔にしていられる方法を。
*****************
sideリラ
帰れると分かってみんなワクワクしてる。
ダリアちゃんは特にワクワクしてるんじゃないかな?
「ねぇ、ダリアちゃん、帰ったらデート?」
もちろん相手はラルフと。
「え、違うよ。リラちゃん。」
「ん?」
「リラちゃんとお泊まり。デートなんていい。」
初耳なんですが……
「いや、でも、あの、ラルフ、楽しみにしてるんじゃないかな?ほら、さっきから話しかけたそうにしてるし。」
デートしてあげた方がいいんじゃない?
2人の恋のためにもさ…。
「ダメ!リラちゃんが困ってる時はリラちゃん優先するの!!!」
えぇ!?わたし!!?
「困ってないよ!本当だよ!?」
確かにさっきまでいろいろあったけどもう帰れるし、よく考えたらいつものことだし。
「嘘!さっき私にぎゅーしてきたでしょ!!」
したよ!もちろん!ダリアちゃんが大好きだもん!
「それはそれ!これはこれ!ラルフとデートしてよ!私はダリアちゃんからあんまりそう言う話聞いたことないからか聞きたいよ…。」
私ばっかり相談に乗ってもらってるし。
たまにはダリアちゃんの喜ぶ顔が見たい。
「あ、えっと、その方が私元気になるかな!うん!友達の恋バナの方がずっとずっと嬉しいし!多分いつもの笑顔の100倍は出しちゃうかも!」
これはちょっと盛りすぎ?
「えぇ!?100倍!!?それは大変だね!!よしわかった!!」
ダリアちゃんは何がわかったのか知らないけど目を輝かせた。
「ラルフ~!!!帰ったらデートしよ!!!!」
少し離れたラルフに声をかけたダリアちゃん。
男性陣はとにかくびっくりしてる。
「あぁ。」
そんな一言で片付けてるラルフだけど、耳が赤いのは私は気づいてるからね。
「デートがあるなら早く帰らないとな。さぁ、この中に入れ。」
クロウ先生が私たちの前に空間魔法を出した。
「リラ、行くぞ。」
ルシアスが私の腕を引いてその中へ入る。
「あ!リラちゃんまたねー!!」
ダリアちゃんが元気に手を振るから振り返そうとしたら…
「あれ???」
ここはもうルシアスのお屋敷の前だった。
*********************
sideクロウ
よし、全員送り返したな。
忘れ物もない…
いや、でも……
「何か忘れているような…」
気のせいか。
俺も早く帰って見つけたものをまとめよう。
・
・
・
答え: キジャとルルド
妙だ、この女見覚えがある。
「どっかで見た気が……」
絶対に見たことある顔だ。
どこで見たかは本当にさっぱりだが絶対知ってるぞこの顔。
「あぁ……くそ……どこで見たんだ?」
頭が痛くて集中できない。
「お前も見覚えがあるのか。」
お前も、って事はライアスもだよな。
「おい、思い出せないのかよ。」
お前記憶力いいだろ。
俺並みに。
「残念なことにね。」
ダメだ、ポンコツ野郎め。
「2人が見たことがあるのなら王族の知り合いじゃないのか?」
クロウはそう言うが、王族の知り合いか…
「何人いると思ってんだ?」
数え切れないほどいるぞ。
「そもそも300年前の女なのに、どうして僕らが見たことあるんだと思う?そこからおかしいよ。」
ライアスの言う通りだ。
300年前の女の顔がわかるなんておかしい、不気味だ。
「さぁな。でも300年も経ったんだ、今頃きっとしわくちゃな雑巾みたいになってるはずだ。」
結局、この女の正体がはっきり分かってるのは1人だけ。
「それもそうだね。どうやってもあのろくでもない男にたどり着く。」
結局やることは一緒ってわけだ。
「早く会いに行かないとな、頭のいかれた愛しい愛しいお父様に。」
今回このおかしな島に来たのはリラ達の力量調べみたいなものだ。
あの4人の戦闘力は大体わかった。
それも踏まえて…
「合宿は終了だ。」
1日早いけど、時間を無駄にするよりはいい。
「はぁ。全くお前達は急に消えて急に物事を決めるな。」
そう呆れるなよ。
「敵の正体掴む方が先だろう。あの4人なら大丈夫だ、それぞれに強みもあるし、何よりよ俺たちがいる。」
守り抜けばいい、4人全員力不足なのはあるが弱いわけじゃない。
「はぁ……どうせ言っても聞かないだろう。一旦帰って毒蛇の巣に突っ込むとするか。」
「僕らの実家は毒蛇の巣か……間違ってはいないから悲しいね。」
毒蛇よりももっと恐ろしいものが玉座に座ってるけどな。
「まぁいい、今回は一旦中止だな。…チーム☆ゴースト集合。」
クロウの掛け声で4人が近くに来る。
リラはダリアにへばりついていた。
「今話し合ったんだが、とりあえず帰る。」
「えー!!俺らまだ修行らしいことしてないのに!」
ルディは相変わらず騒がしい。
「あのワニと追いかけっこしたんだからそれが修行だ。とりあえず帰って当初の目的を果たすことにした。」
4人は顔を見合わせていた。
「本当に行くんですか?私たち、自分のことを卑下してるわけじゃないですけど絶対足手纏いになりますよ。」
ダリアはおずおずと口にした。
「あぁ、知ってる。安心しろ、先生がちゃんと引率してやる。それに話をしに行くだけだ。こっちには王子が2人もいるんだから怖いものはない。」
アイツらはどれだけクロウを信頼しているんだろうな。
クロウの一言で不安そうな表情が一切なくなった。
「それにいざとなれば逃げればいい、逃げるが勝ちだ。よく覚えておけ。」
こんなこと言う教師がどこにいるんだ。
まぁ、間違ってはないけどな。
「「「「はい!」」」」
よくまとめてやがる。
リラにも笑顔が戻った。
俺がリラの笑顔を奪ってばかりなのは知ってる。
だけど手放したくはない。
どうしたらいいんだ。
伝授して貰いたいもんだ、リラをずっと笑顔にしていられる方法を。
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sideリラ
帰れると分かってみんなワクワクしてる。
ダリアちゃんは特にワクワクしてるんじゃないかな?
「ねぇ、ダリアちゃん、帰ったらデート?」
もちろん相手はラルフと。
「え、違うよ。リラちゃん。」
「ん?」
「リラちゃんとお泊まり。デートなんていい。」
初耳なんですが……
「いや、でも、あの、ラルフ、楽しみにしてるんじゃないかな?ほら、さっきから話しかけたそうにしてるし。」
デートしてあげた方がいいんじゃない?
2人の恋のためにもさ…。
「ダメ!リラちゃんが困ってる時はリラちゃん優先するの!!!」
えぇ!?わたし!!?
「困ってないよ!本当だよ!?」
確かにさっきまでいろいろあったけどもう帰れるし、よく考えたらいつものことだし。
「嘘!さっき私にぎゅーしてきたでしょ!!」
したよ!もちろん!ダリアちゃんが大好きだもん!
「それはそれ!これはこれ!ラルフとデートしてよ!私はダリアちゃんからあんまりそう言う話聞いたことないからか聞きたいよ…。」
私ばっかり相談に乗ってもらってるし。
たまにはダリアちゃんの喜ぶ顔が見たい。
「あ、えっと、その方が私元気になるかな!うん!友達の恋バナの方がずっとずっと嬉しいし!多分いつもの笑顔の100倍は出しちゃうかも!」
これはちょっと盛りすぎ?
「えぇ!?100倍!!?それは大変だね!!よしわかった!!」
ダリアちゃんは何がわかったのか知らないけど目を輝かせた。
「ラルフ~!!!帰ったらデートしよ!!!!」
少し離れたラルフに声をかけたダリアちゃん。
男性陣はとにかくびっくりしてる。
「あぁ。」
そんな一言で片付けてるラルフだけど、耳が赤いのは私は気づいてるからね。
「デートがあるなら早く帰らないとな。さぁ、この中に入れ。」
クロウ先生が私たちの前に空間魔法を出した。
「リラ、行くぞ。」
ルシアスが私の腕を引いてその中へ入る。
「あ!リラちゃんまたねー!!」
ダリアちゃんが元気に手を振るから振り返そうとしたら…
「あれ???」
ここはもうルシアスのお屋敷の前だった。
*********************
sideクロウ
よし、全員送り返したな。
忘れ物もない…
いや、でも……
「何か忘れているような…」
気のせいか。
俺も早く帰って見つけたものをまとめよう。
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・
・
答え: キジャとルルド
応援ありがとうございます!
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