トップ冒険者の付与師、「もう不要」と言われ解雇。トップ2のパーティーに入り現実を知った。

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28話

「ーー次は、ボスですね」


付与師ふよしのライド】が加わった新しいトップ2冒険者パーティー【パレード】は、その後も全く苦戦する様子もなく、あっという間にボスのいるフロア前にたどり着いていた。


その期間は、監視役のミリアは何もすることなく、ただ見守るだけになっていた。


52階層でも、【大剣使いのクイナ】、【双剣使いのアル】、【双剣使いのルア】は圧倒的な強さが健在だったためだ。


「では、行きますね!」


「え?もう行くの?」


ボスを前にしてもクイナ達は一切の休憩も必要とせず、突き進んでいこうとする。


ミリアは、さすがに連戦続きであるクイナ達に疲労はないのかと心配になった。


「はい、私は大丈夫です」


「私達も平気だよ」


「うん」


だけど、クイナ達には一切疲れている様子がなかった。


攻略速度が異常に早いのは、この休憩を必要としないことにもある。


【パレード】の攻略には、一切のロスタイムが存在しないから早いのだ。


「わかったわ、行きましょうか」


クイナ達が平気というなら、ミリアに止める理由はなくなる。


ミリア自身、何もしていないから休む必要がないから・・・。


「では、改めて向かいましょう」


反対意見がなくなったところで、早速ボスのフロアへと【パレード】メンバーとミリアは入っていった。


ーー52階層のボスは、巨大なサソリ型のモンスター【キング・スコーピオン】。


硬い甲殻に守られた体には攻撃が通りにくく、素早さもある。


両手にある巨大なハサミと猛毒のある尻尾のトゲには注意が必要だ。


ガキンッッッッッ


早速クイナが【キング・スコーピオン】の巨大なハサミによる攻撃を防ぐ。


かなり重そうな攻撃だが、しっかりと防ぎ切っている。


ガキンッッッッッ


「くっ・・・」


攻撃は防げているものの、巨大なハサミが両手にあるために連続して攻撃を行なってくるのだ。


「クイナさん、動きは止められませんか?」


「無理かもしれません・・・」


クイナ達【パレード】による今回の攻略法は、いつも通り防御からの『付与ふよ』による反撃だった。


しかし今回は、攻撃を防ぐことができても、【キング・スコーピオン】の動きを封じることができず『付与』が行なえないのだ。


盾役がクイナ1人では手が足りず、止めるには厳しい。


「仕方ありません。
私も盾役に加わりましょう」


「ミリアさん?」


そこで、これまですっと見守るだけだったミリアがそう提案する。


こう見えてミリアも【片手剣使い】という前衛職であり、盾役を行なうこともできる。


「さすがに監視役とはいえ、このまま何もしないのは冒険者の名折れですからね」


「いいのですか?」


ライドが頼ることに対して気にしているようだが、ミリア的にはただ何もしないまま終わるのが嫌だっただけなのだ。

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