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足りない情報、何が正しい?
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「おーい、そろそろ起きな」
ユウトさんの声で目を覚ます。体の痛みで眠気は吹き飛ぶ。
「どうしたんですか?」
「エサの時間や」
ユウトさんが目の前までご飯を運んでくれる。
粥に具が少なく色も薄い味噌汁。
メニューを見る限り、日本、いやヤマト国は本当に貧しいようだ。
味はほとんどないが、食べなければ死んでしまう。とにかく食べる。
過去の死にたいなんて気持ちが嘘のようだ。今は生きたい。自分の死に直面して、希死念慮は消えていた。
「えらい痛そうやな、大丈夫か?」
ユウトさんは笑いながら言った。そんなユウトさんの体は傷跡、痣、酷いものだった。
「ユウトさんこそ酷いじゃないですか…」
「あー、これな。酷いもんよな」
二人は無言で食事をする。食べ終えた時、ユウトから質問された。
「アキラ君はNo.なんぼなん?」
「えと、僕は21って言われました」
「そかそか。何の順番で付けてる番号なんやろな…俺は32や」
言われてみれば、何の順番だろうか。蘇生された順番であれば、ユウトさんの番号は僕より若いはず。
「まぁ、どうでもええか…」
ユウトさんは食べ終えた食器を壁に戻して横になる。
「あの、ここは本当に日本だった国なんでしょうかね…?」
僕は世間話程度に、松下から聞かされた話をネタにした。
「多分そうなんやろうなあ。考えられんわ」
「ですね、僕の時代からは考えられないです…」
ネガティヴな話になってきて、僕は黙ってしまった。
「…どこまで話聞いたか知らんけど、鵜呑みにしたらあかんで」
「どういう意味ですか?」
「アイツら言うとる事が全部正しいなんて思ったらあかんって事や」
僕は思い返す。特におかしな事はなかったような…要するに、ヤマト国は他国の奴隷国家になってしまっている。その状況を打破したいヤマト国家。
「嘘を教えられてるって事ですか?」
「それは分からん。けど、人権も何もないようなこの環境がおかしいやろ?」
「はぁ…」
「歴史は専門ちゃうかったけどな、民主主義から独裁国家になってる、その可能性もあるわな」
正直、よく分からない事だった。とりあえず相槌を打っておいたけど。
痛む体を休ませるために、静かに横になる。
本当に松下から教えられている情報は正しいものなのか。しかし、僕達の情報源はそこしかない。
ユウトさんの声で目を覚ます。体の痛みで眠気は吹き飛ぶ。
「どうしたんですか?」
「エサの時間や」
ユウトさんが目の前までご飯を運んでくれる。
粥に具が少なく色も薄い味噌汁。
メニューを見る限り、日本、いやヤマト国は本当に貧しいようだ。
味はほとんどないが、食べなければ死んでしまう。とにかく食べる。
過去の死にたいなんて気持ちが嘘のようだ。今は生きたい。自分の死に直面して、希死念慮は消えていた。
「えらい痛そうやな、大丈夫か?」
ユウトさんは笑いながら言った。そんなユウトさんの体は傷跡、痣、酷いものだった。
「ユウトさんこそ酷いじゃないですか…」
「あー、これな。酷いもんよな」
二人は無言で食事をする。食べ終えた時、ユウトから質問された。
「アキラ君はNo.なんぼなん?」
「えと、僕は21って言われました」
「そかそか。何の順番で付けてる番号なんやろな…俺は32や」
言われてみれば、何の順番だろうか。蘇生された順番であれば、ユウトさんの番号は僕より若いはず。
「まぁ、どうでもええか…」
ユウトさんは食べ終えた食器を壁に戻して横になる。
「あの、ここは本当に日本だった国なんでしょうかね…?」
僕は世間話程度に、松下から聞かされた話をネタにした。
「多分そうなんやろうなあ。考えられんわ」
「ですね、僕の時代からは考えられないです…」
ネガティヴな話になってきて、僕は黙ってしまった。
「…どこまで話聞いたか知らんけど、鵜呑みにしたらあかんで」
「どういう意味ですか?」
「アイツら言うとる事が全部正しいなんて思ったらあかんって事や」
僕は思い返す。特におかしな事はなかったような…要するに、ヤマト国は他国の奴隷国家になってしまっている。その状況を打破したいヤマト国家。
「嘘を教えられてるって事ですか?」
「それは分からん。けど、人権も何もないようなこの環境がおかしいやろ?」
「はぁ…」
「歴史は専門ちゃうかったけどな、民主主義から独裁国家になってる、その可能性もあるわな」
正直、よく分からない事だった。とりあえず相槌を打っておいたけど。
痛む体を休ませるために、静かに横になる。
本当に松下から教えられている情報は正しいものなのか。しかし、僕達の情報源はそこしかない。
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