【実話】私は人生を諦めた〜教育委員会の対応〜

美和

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いよいよ社会科の授業、そして、教育実習を終える

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私の狙っている教員免許。社会科の授業がやってきた。

この日のために、毎日遅くまで残っては授業指導案を作成していた。

中学一年生に学ぶ内容。その中にある、縄文時代から弥生時代にかけて。

様々な資料に目を通す。使える写真を探したり、生徒が興味を持つエピソードを探したり。

縄文時代、弥生時代の特徴をしっかりと抑えた上で、授業の組み立てを行った。

やはり、指導教員には許可を貰えなかった。

教科書指導をする参考書通りに行うように指示されました。

もう、ロボットでもいいですよね。本に書かれた通りの授業しか行えないのであれば。

言う通りにして、本に書かれた内容を指導案に組み込む。少しでもアレンジをすると許可は貰えなかった。授業内容が生徒の印象に残るエピソードを加える事もできなかった。

最初のクラスでは、緊張もあり、後ろで指導教員に監視されている事もあり、萎縮していました。

時間が経つと緊張も解れて、リラックスして授業を展開できた。参考書通りに。

そして、指導教員から呼び出しをされる。

「ここはどうしてこうしたのかな?」

「これはダメだよね?」

など、参考書に書かれた通りの指導案で許可を得ていたはずなのに、色々と指摘される。

それほどまでに、生徒にとって一度だけの授業は大切なもの。

勿論、私としても、授業は落第レベルだと実感していた。

参考書と言う足枷がなければ、もっと色々な発想があった。しかし、参考書通りにも授業展開できないと言う事は、完全に私の技量が足りていない証。

再び

「はい」

「すみませんでした」

繰り返す。他のクラスで違う展開をする訳にはいかないので、同じ内容で一年生の授業を繰り返した。

最後の授業は、実習生の発表会。様々な教員が見学にやってくる。

その中でも変更を許されずに同じ授業を展開した。

後から反省会を、教頭を交えて行う。

「生徒にとって無駄な時間だった」

私が指導教員に言われた言葉でした。

「ダメすぎて言葉も出ない」

教頭からの言葉でした。

こうして、私の教育実習での授業は終わる。

生徒との距離感は分かった。先生として、接すると相手も敬遠する。多少は砕けた対応をする事で、生徒からも慕われる。コミュニケーションのきっかけを作る事や、信頼を得る機会を作れる。

しかし、肝心の授業を学ぶ事はできなかった。まだまだ未熟で、本物の授業を学ぶレベルまで達していなかったのだろう。

最後まで忙しい教育実習だったが、無事に終える事ができた。

「はい」

「すみませんでした」

何度繰り返しただろうか。

単位を修得するために頭をとにかく下げる。

いつでも完璧な授業を行う。それが求められる世界。学ぶ時間はある。

まだ大学生だった私はそう思って大学生活に戻る事ができた。

ちなみに、前年度の教育実習生は、教頭から打ち上げ費用を受け取っていたそうで。

在学当時から嫌われていた私がいた年は、一切ありませんでした。
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