私の恋が実るまで

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1番嫌なこと

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放課後、私はいつも通りバイトに行き、
今はバイトが終わったので帰路を歩いている。
「なんか、モヤモヤする」
何に?と言われても分からない。
ただ自分の気持ちにはっきりしないところなのだろう。
「ばっかみたい」
1人でぶつくさ言いながら駅まで歩く。
バイト先から寮まで近いと言っても電車に乗らないといけない。
「この時間になると真っ暗ねぇ」
街灯が照らす道路をゆっくりと歩く。
近くにショッピングモールがあるがこの時間になると人通りは少ない。
私は足早に駅えと向かい電車に乗った。

・・・・・・

「まもなく~…」
最寄り駅に停車するアナウンスが流れ
私はドアの前に立つ。
「早いとこ帰ろ」
色々考えたからとバイト疲れのため
頭も足もクタクタ。
早く帰ろう、そう思って小走りに改札を通り抜ける。
改札を出て階段を降りようと階段に向かおうとすると
「ちょっと、そこの嬢ちゃん~」
変な男達に絡まれた。
「はぁぁ、こっちは疲れてんのに」
私は頭をかきながら無視して歩こうとする。
「ちょっと、無視しないでって」
それを阻止される。
「なに?」
今できるだけダルそうに、機嫌が悪そうな顔と口調で相手する。
「お~、結構可愛いじゃん~」
「お前は顔だけかよw
顔だけじゃねぇだろ。いい体してると俺は思うけど」
あ~最悪、私が1番嫌なタイプな男だ。
こんなやつ相手顔も見たくない。
「ね、ちょっと俺らと遊ばない?
別に怖いことはなんもしないから」
「私、バイトとかで疲れてんの。
さっさと帰りたいからどいてくんない?」
「お、冷たい系かぁ~可愛い~」
「ッ!」
私は歯を食いばって我慢する。
こんなやつ、思っきりビンタかまして走って逃げたいけどこんなヤツら何してくるか分からない。
「ちょっとカラオケ行くだけでもさぁ~?
なんならご飯とか行っちゃう?」
「あの、無視しないでくれる?」
私はその場に立ちすくしなにも出来ない自分に腹が立ってきた。
「いい加減にっ!」
「柊さん?」
「ッ」
我慢できずに自分の手に力を込めた時、
私の後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「榊原、くん」
その時、察したかのように
「ごめん、遅れた」
と言って手を差し出してきた。
「疲れたと思うからカバン、持つよ…
ダメかな」
そういう榊原くんだけど、私には
『助けるのはダメ?』
と言ってるように感じた。
でもそうしないとこの場から立ち去れないと思い
「うん、ありがと」
そう言ってカバンを渡した。
「この人達は柊さんの友達?」
「ううん、違う」
私は榊原くんの服の袖を指で掴んだ。
「そう、」
榊原くんはナンパしてきた男2人を見つめ、
何があったのか2人は走って逃げて行った。
それから少し歩いた公園の所で榊原くんは足を止めた。
「迷惑、だった?」
「ううん、ありがと。
私1人じゃ逃げられなかった」 
「嫌な思いをしてないのならよかった」
そう言って榊原くんは私のカバンを私に渡そうとして
「カバン、持とうか?」
「ううん、大丈夫」
私は榊原くんの手からカバンを受け取った。
「というかこんな時間まで何してたの?」
「柴田にゲーセンに連れてかれてこの時間まで付き合わされた…」
「それは、大変だったね…
あとさ、なんで助けてくれたの?」
「柊さんが困ってたから、
前に柊さんが言ってたようにナンパは嫌いって。
雰囲気的にも嫌そうな感じがしたから」
榊原くんの顔をみるといつも通りつかみにくい表情をしてたけど、どこか優しい顔をしていた。
「ん?」
私がずっとみていたのに気付いたのか榊原くんは私の方をみた。
「な、なんでもないよ」
気付けば私の心臓の鼓動は早くなっていた。
これは怒り?さっきの男達への?
いや違う、なら榊原くん?…絶対にありえない。
ならこの鼓動は…
「柊さん?」
「あっごめん、考え事してた」
「今日は一緒に帰ろ、またあんな人が話しかけてくるかもだし」
「うん、」
そう言って榊原くんは歩道側へと居場所を変え私の歩くペースに合わせて歩き出した。
「もしかして、こういうの慣れてる?」
横に並んで歩く榊原くんに私はからかうように言う。
「昔、母さんに言われたんだ。
女の子と歩く時は歩道側を歩くように、それとペースを合わせるようにって」
「ふぅん、悪い気はしないかな」
私がここまで自分勝手なことを言っているのになんでここまで付き合ってくれるんだろ。
私なんて自分勝手で自己中でめんどくさい性格なのに。
最近、自分の気持ちが分からなくなる。
榊原くんと居る時、気が楽になるというか自分を出せているような気がして楽になる。
私は、男の人が苦手だったはずなのに…
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