私の恋が実るまで

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柊と榊原

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「眠い」
「帰ったらお風呂入りなよ?」
「うん」
榊原くんは声を出さずにこくりと頷いた。
「というか榊原くんって結構食べるんだね」
「そうかな」
眠たい目を擦りながら返事をする榊原くん。
何回か一緒にご飯を食べに行った事はあるけどあんな沢山食べる姿は初めてみた。
「普段何食べてんの?」
「スーパーで買ったパンとかコンビニ弁当とか。
でも最近飽きてきてどうしようか考えてたとこ」
「はぁあ!?作ったりしないの!?」
あまりにも不健康すぎるので声を荒らげてしまう。
「うん、作れることは作れるんだけど、子供の頃にお母さんに教えてもらったやつだから曖昧で」
「そっか…」
子供の頃となると覚えていないのだろう。
学校の寮の部屋は広く、キッチンもあるため料理をする人が多い。
私も時間を見つけては料理をするようにしている。
「なんか作れないの?
卵焼きとかさ」
「一応ご飯の炊き方と卵焼きの作り方は覚えてる。
でもそれも子供の頃だから…」
「言いにくいんだけどさ、
その、親戚の人の家に居た時教わらなかったの?」
「うん、手伝おうとしても何もしなくていいばっかりで最低限のことしかして貰えなかった」
そう言いながら下を向く榊原くん。
私は榊原くんの前に立って言う。
「なら明日の朝ごはん作ってあげる!
しかも部屋榊原くんの部屋の真上だからベランダから入ればいいし」
「危なくない?
もし柊さんが怪我したら」
「え?何言ってんの?榊原くんがベランダをよじ登るに決まってんじゃん。
そりゃ作ってもらう側が来るのが普通でしょ?しかも女の子にそんな危ないことさせないでよ」
と都合のいい時だけ女の子アピールしておく。
でも榊原くんの部屋で作ってあげたいけど何を言っても榊原くんは『危ないから』と言ってよじ登って来そうなので逆に来てもらうことにする。
「わかった、柊さんが怪我してもいけないから」
ほら、私が予想した通りの返事が来た。
「なら明日、出来上がったら電話するから。
てか私たち電話番号交換してないよね?」
「そういえば…」
そこで私たちは連絡先を交換し帰り道をゆっくり歩きながら帰るのだった。
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