能力が基本となった世界4

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吉沢と姫野の苦戦

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気付けば俺と姫野は近くで戦っていることに気がついた。
「よぉ姫野、そっちはどうだ?」
「はぁ?この状況見て分かんない?こいつの能力避けながら攻撃するの結構辛いんだから」
「そうか、こっちも中々手強い」
そして能力で鉄パイプを生成した。
「お前は何か武器いるか?それとも拳じゃないとやりにくいか?」
「欲しいんだけど相手の能力的にあんたが作った物だと感電するから使いたくはないわ」
「そうか」
俺は足に力を込め炎の能力者に向かって跳躍した。
「能力解放ッ!」
そう叫ぶと同時に俺の周りに鋭利な刃物を複数顕現させそれを投げる。
「その程度俺の炎で焼き払ってやる!」
俺が投げた刃物は全て溶かされてしまう。
そして投げたものが溶かされた瞬間俺は素早く相手の懐に入り鉄パイプをフルスイングし腹部に叩きつけた。
「がはっっ」
男はわずかだが吐血をした。
「やっぱりな、お前はまだ能力を身につけて間もないから体が対応しきれていない。
しかも能力者と言ってもさっきまでは無能力者、長年鍛えたり任務をこなしている俺たちより何もかもが下だ。
だからこの程度でダメージを受ける」
わずかだった吐血がだんだんと多くなってきた。
「まだ、だ。まだ俺の役目は終わっていない!」
「いや、お前の役目は終わってるさ。
少なくとも俺と姫野の体力は削ることができたしな。まぁ役2人か1人か疲れも知らないやつが居るんだけどな」
そして俺は勝が海外にいた時、襲撃してきた敵を殺した時のように大きな鉄の塊を顕現した。
「元は善良な人間で、能力を持たない無能力者だったのだろうが、すまんな」
俺は腹部を抑えて苦しそうにもがきながら口から血が流れ出ている男にそう言ってその塊をそいつの頭上に落とすのだった…

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