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14 鳥は舞い降りた
しおりを挟む黒い煙を巻き上げている村の上空に差し掛かると、純白の翼を六枚持った鳥は、周囲を取り囲んでいる高い壁の傍に舞い降りた。
若い二人は六枚の翼の間から降りると、高い壁から少し遠ざかった塹壕まで歩いて行った。
そこには傷ついた兵士達が、疲弊した顔で、ある者は呻き声を上げ、ある者は其の介護に当たっていた。
痩せたその身体は、既に食料も底をつきかけ、僅かな食べ物を分け合って空腹を凌いでいるのが読み取れる。
二人の若い男女が塹壕に辿り着くと、紅い瞳と灰色の瞳が輝き出した様に見えた。
「金色の瞳を持つ民だ。六枚の翼を持つ鳥と共に舞い降りた」
誰かが言うと、
「戦に勝てる」
と誰かが言った。
そして金色の瞳を持つ若い男が言う。
「私達は戦いに来たのではない」
「私達は癒しに来たのです」
と後を継いで少女のような娘が言った。
一瞬、塹壕の中の兵士達の瞳が曇った様に見えた。
二人はそれには構わずに、塹壕の中で比較的元気そうな若く戦い慣れていない兵士に大量の湯を沸かすように言った。
高い壁の内側では、上空を眺めてどよめきが起こっていた。
純白の六枚の翼、金色の瞳の民達だけが持つ、空を飛ぶ乗り物。
その大きな鳥が壁の外側に舞い降りたのだ。
壁の内側の者達の中には、最早これまでと、弓と矢を床に置いてしまう者までいた。
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